新クローザー(浜田水輝)

フィンケ元監督時代、ベンチに置いてリードした展開の逃げ切り要員、いわゆるクローザーをやっていたのは堀之内選手でした。スピードがそれほどなかったのでSBはあまり向いていなかったですが、CBに入ってもボランチに入っても水準以上のプレーをしてくれる貴重な控えでした。

堀之内が横浜FCに移籍した今、その役割をやっているのは浜田水輝選手です。ベンチに攻撃の駒を置くことの多いミシャの場合、CBやボランチに負傷者が出ると浜田しか控えがいないこともありますが、残りわずかの時間で投入してくることも多いです。

浜田の場合、浦和より五輪代表でのプレーの方が印象深いというサポも多いでしょうが、五輪代表で目立つパワフルなプレーより、実はバランスを取るのがうまい頭で勝負する選手です。それは浦和での途中出場が3ボランチに置かれることにも現れています。

まだ堀之内の手堅さと比べると雑なプレーはあり、やってはいけない位置でFKを与えるなど、完全な安心感を得るには至っておらず、パスミスもあります。これが全て直るようなことがあれば坪井の代わりにスタメンを手にできるでしょう。

一度しか見ていませんが、浜田にはもう一ついいところがあります。それは終盤負けているときのDFの攻撃参加ではDF陣の中では一番うまいです。昨年のナビスコ杯決勝の日が唯一浜田のFWを見た機会でしたが、ロングボールも落とせるし、フリーになってシュートを打った場面もありました。

一見、チームで一番背の高いスピラノビッチのFWの方が良さそうに見えますが、スピラノビッチはFWとしては下手です。プレッシャーがかかるとトラップミスもしますし、パスもつなげずピンポイントで頭で合わせるしか点は取れなそうに見えます。

今の浦和は右サイドのボール回しが課題ですから、ナビスコでのアピール次第では浜田にもチャンスはあると思います。左の槙野は攻撃参加までして左サイドの梅崎といい連係を見せているので、右からもバランス良くとは思います。坪井が攻撃力に課題があるので、浜田にもチャンスは十分です。