欧州CLベスト16戦士(中村俊輔)

今日はGWの強行日程のあとでACLもナビスコ杯もない貴重な「休める水曜日」で、オフを与えて練習再開のチームや、相手チームを意識した戦術練習に凝ったチームなど、いろんな過ごし方があったと思います。こういうときはブログはオフネタで、先日浦和が敗れた横浜FMの中心選手、中村俊輔選手を取り上げます。

代表に入っていたときはサイドハーフとして自陣にも帰れる運動量を持っていた中村俊輔ですが、今はゲームの流れを読んで一番効くポジションを選ぶ選手になりました。それでもFKやCKの精度はさすが欧州3ヶ国を転戦した名手で、彼にセットプレーのチャンスを与えたことが浦和の敗因になりました。

中村俊輔は2002年W杯の失意の落選から、イタリアのレッジーナに渡って、ここでもうまさは光る選手でした。しかし、イタリアの下位チームの練習は残留のために1点でも勝ち点を取ろうとする練習で、常にライバルを意識するあまり、トップ下の中村俊輔のところは頭上をボールが過ぎていくことも多かったです。

そんな中村俊輔が開花したのはスコットランドのセルティックからのオファーでした。今はJリーグの試合まで欧州クラブのスカウトが来る時代ですから、代表であまり実績のない選手に海外からオファーが来るのは珍しくありませんが、中村俊輔の当時はセルティックのストラカン監督は代表のコンフェデ杯で中村俊輔獲得を決断したらしく、いいチームからのオファーは代表での活躍が不可欠でした。

そのスコットランドでは残留争いとは無縁の強豪セルティックはライバルに合わせる練習ではなく、各個人がうまくなることを意識した練習を行いました。これが中村俊輔に合っていたと思います。生かされる選手ではなく、周りを生かすタイプの中村俊輔の場合、自分の技術を上げた方がチームで輝くという計算もあったでしょう。

ジーコ監督が中村俊輔を信頼していたので、この時期はクラブでも代表でも活躍しました。欧州CLで日本人で初めて主力選手としてベスト16に入った輝きは今でも誇るべきものです。

彼にとっては最後のW杯になった南アフリカW杯で活躍できなかったことに悔いが残っているかもしれませんが、海外に完全移籍した選手を横浜FMが呼び戻してくれたことを考えると幸せなサッカー人生だと思います。