バランスの悪かった相手(10/2浦和対広州恒大)

今日のACL準決勝、広州恒大(中国)戦は2-0でホームの浦和の勝利に終わりました。この勝利を生んだ理由として、浦和の試合の入り方が良かったと感じます。広州は4-3-3と表記されるものの、両方のアウトサイドは低い位置に置かれ、守りを固めて勝負を終盤に持ち越そうとする入り方でした。

しかし、その広州の守り方が中途半端でした。広州はアウトサイドと3バックの間にスペースが空くという問題点があり、そこに関根や槙野が走り込むと大きなチャンスが作れる相手でした。先制点のファブリシオはロングシュートながら、その弱点の場所からのシュートで、広州としては右アウトサイドが付くかCBが付くか中途半端になった隙でした。

さらに、ゴールにこそならなかったものの、橋岡がスルーパスに抜け出したチャンスもありました。間一髪相手DFが戻ってかき出しましたが、広州の、前に外国人3人を置いて中国人主体の守備組織を作るという戦術の隙を狙いました。それでも、前半のスコアはまだ1-0とわからない点差です。広州としては、無理に攻めに行かず0-1でホーム戦に賭ける戦い方もあり得る後半です。

後半は、さすがに広州も修正してきました。前に張り付いていたパウリーニョやタリスカが引いて中盤で受け、ボールを展開することを意図してきました。この日はDFの中央で出場した鈴木大輔が効いていました。ピンチになりそうな場面で正確に体を入れて広州の攻撃を防ぎ、広州の攻撃を遠目からのタリスカのシュートだけに抑えることができました。

浦和としては2点目を取って優位にアウェイ戦を戦いたいところでしたが、それは意外なプレーから実現しました。味方CKから、相手ボランチ黄博文がクリアミスしたボールが関根のところに転がってきました。関根は思い切って低い弾道のシュートを選択し、ここしかないという狭い場所を抜けてゴールになり2-0と大きなリードを得ます。

最後は広州もFWを次々と投入して賭けますが、相手7番のシュートはオフサイドで取り消され、試合はそのまま2-0で浦和の勝利に終わりました。変な余裕を持っては欲しくないですが、それでもアウェイ戦にかなり優位な条件で行くことができます。ここまで来たら、もちろん決勝戦も浦和に期待したいものです。