Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

イビチャ・オシムの記憶

2020-05-17 17:11:59 | ワールドサッカー
記憶ネタでは、写真は持っていませんが元日本代表監督、イビチャ・オシム氏の記憶を書きます。オシムは選手は実戦で成長するものという哲学を持っており、日本代表戦でのウォーミングアップの練習でハーフコートを目いっぱい使って10-11の紅白戦を行ったほどでした。長年、歴代代表監督のウォーミングアップを見てきましたが、紅白戦をやった監督はオシムだけです。

もっとも、日本代表では志半ばで脳梗塞で倒れ、オシムのチームの完成形を見ることは叶いませんでした。そのため、オシムの采配で印象的なのは千葉時代です。当時、千葉はユースから上がってきた阿部勇樹、佐藤勇人らが主力を担い始めた黄金期でした。もっとも、オシムのやり方には当初は選手からも不満が出ていました。理由は休日を事前に明らかにしなかったからです。

オシム語録には「選手は練習と試合で成長するもの。休みから学ぶものは何もない。」とあり、どうしてもコンディション面で休養が必要だから仕方なく休ませるという方針でした。休みの日の予定が立てられないと選手からは不満でしたが、そんなオシムが選手の信頼をつかんだのは、開幕前の練習試合で連戦連勝できたからでした。

やはりプロのチームなので、この監督について行けば試合で勝てるとなれば、おのずと信頼は勝ち取れます。また、采配面でもオシムのノウハウはいろいろありました。千葉の場合は決して選手層の厚いチームではなかったので、ミスは起こるものと選手全員の意識が徹底しており、ミスが出れば誰かがカバーできるようにしていました。

また、マンツーマンを軸に試合を組み立てた監督でもあります。オシムの信頼が最も厚かった阿部勇樹を、相手チームのキーマンにマンツーマンで付ける守備を何度も実行してきました。浦和とも何度も対戦しましたが、ゲームメーカーのポンテに阿部勇樹をマンツーマンで付けられて苦しんだ印象が強いです。

そのため、ゲームを通じては何度も千葉のミスを拾っているように見えても、最後だけは割らせない、実に不思議な強さを持っていたのが当時の千葉でした。1990年イタリアW杯で、ユーゴスラビアを率いて「欧州のブラジル」と言われた、日本に来た監督の中で最強の監督でした。これほどの監督が日本に来たことは、一つの奇跡だったと振り返ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドルトムント対シャルケ

2020-05-17 16:27:19 | ワールドサッカー
kobby待望のブンデスリーガ、ドルトムント対シャルケが無観客試合で行われていました。ほぼ2か月ぶりの試合で、しかもコンディション調整にも選手間にばらつきがある、難しい条件の試合でした。それは細かいプレーに表れており、パスにずれが出るなど、普段のブンデスリーガなら出ないようなミスも時折見られました。

それでも、この試合で楽しみだった、ドルトムントFWホーランはこの試合でも元気でした。19歳のノルウェー代表の彼は今売り出し中の選手で、1月に移籍加入してから後半戦だけで9ゴールを挙げているFWです。プレーを見た印象は、どちらかと言えばワンタッチプレーヤーのようだと感じます。利き足の左のキックは多彩な種類を持っており、立ち上がりにボレーで叩くなどの技術を見せていました。

戦術的には、ドルトムントはシャルケの左ストッパー、ナスタシッチと左アウトサイド、オチプカの間にスペースが空くのを狙っていました。ドルトムントで言えば右サイドに、シャドーのアザールがキープしてナスタシッチを釣り出し、右アウトサイドのハキミを走らせるプレーが何度か成功していたのに表れていました。

先制点もその形で、右サイドを駆け上がったアザールのクロスから、ホーランが左足のインサイドキックで確実にゴールの枠に流し込み、ドルトムントに先制点が入ります。これでシャルケはリスクを覚悟して攻めに出ますが、シャルケの攻撃は中央が主体で、ドルトムントがボランチのところで遅らせて攻撃的MFのアザールやブラントが戻って止めるという守備で大抵は処理できました。

ドルトムントにとっては、2点目が入った時間も良かったでしょう。前半終了間際、意表を突いて左サイドから攻めに出たドルトムントは、遠目からの左アウトサイド、ゲレーロのシュートで2点目を入れて試合を優位に進めます。このゲレーロも効いており、右サイドに流れてパスを出すなどかく乱する動きも見せており、後半には3点目のゴールも決めて試合を決定づけます。

両者とも3-4-3気味のシステムだった試合は、アウトサイドの攻撃力をどう生かすかが鍵ですが、ドルトムントは何度も生かせ、逆にシャルケのアウトサイドはあまり印象に残っていません。そのサイドの優位性が、生んだ4-0という結果だったと思います。
(写真はこの試合で右ストッパーで出場していた、ドルトムントDFピスチェクです。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする