トルコ戦プレビュー

明日の夜21時半に、サッカー日本代表は中立地のベルギーでトルコ代表と対戦します。日本ともトルコとも関係ない場所なのでスタンドはガラガラでしょうが、欧州に出かけたことで実現した欧州勢(トルコはW杯予選は欧州枠で戦います)との対戦は貴重です。もっとも、トルコ代表は2002年W杯の3位という結果を残した後、なかなかW杯の舞台に立てていません。

トルコは、欧州選手権の予選は1996年の初出場以降、何度も出場権を得ています。その中では印象的なのは2008年の4強です。当時はスペインリーグのソシエダに所属していたニハト・カフヴェジがエースストライカーでした。また、トルコは国内リーグにお金がある国で、多くの外国人選手を呼んでおり、首都イスタンブールのガラタサライではかつて、長友佑都選手がプレーしました。

浦和とも少し縁があり、2002年W杯の3位のメンバーの一人である、アルパイ・オザランが浦和レッズで1年ほどプレーしています。挑発に乗りやすくすぐにカードをもらう悪癖もありましたが、さすが世界で結果を残した選手で、4バックでラインを引いたときに確実にヘディングで流れを切ってくれる、守備面では安定したCBでした。

日本代表はドイツ戦を4-1で圧勝するという、これ以上ない結果を出しています。これまでの森保監督の起用パターンから推測すると、このトルコ戦はある程度メンバーを入れ替えて臨むでしょう。今はアジアカップに向けて選手層を厚くするのが狙いの時期なので、ドイツ戦でサブだった選手にチャンスを与えるでしょう。浦和絡みで言えば伊藤敦樹に出番があるとすればここです。

それでも、ドイツ戦は欧州の強豪相手に高い位置からボールを取りに行くサッカーが機能して勝利した、会心の勝利です。このトルコ戦で同じ内容を期待はしていませんが、それでも勝利という結果を出して、アジアカップに向けて一人でも多く使えるメンバーを増やして欲しいです。今回代表に選ばれた選手ならそれは可能でしょう。

円滑なパス回し(9/10ルヴァン杯浦和対G大阪)

昨日のルヴァン杯準々決勝2ndレグの浦和レッズ対ガンバ大阪戦、3-0で浦和の勝利に終わりました。浦和のスコルジャ監督は中3日で試合が続く強行日程を考えて、トップ下に早川、1トップにリンセンと前の方を入れ替えてきました。日本代表招集でボランチの伊藤敦樹が不在なので、ボランチは岩尾と安居が続けて出場することになります。

これに対し、1stレグで0-1で敗れているG大阪は、1トップにジェバリ、ファン・アラーノや食野など、第一戦に出場したメンバーをそのまま出してきました。G大阪としてはサイドのウイングを生かして、ジェバリに合わせるサッカーをしたかったようですが、ジェバリに対してはホイブラーテンがつき、フリーでヘディングをさせないことに成功します。

先制点は予想より早く、浦和に入りました。岩尾が蹴ったCKからのトリックプレーでした。G大阪のDFはホイブラーテンと岩波ばかりを見ており、バイタルエリアにいたリンセンはまったくのノーマークで、リンセンに合わせたCKからのヘディングシュートで浦和が先制します。この1点で浦和は余裕ができ、岩波が逆サイドにいた荻原に正確にロングパスを通すなど、パスを回すリズミカルなサッカーを見せます。

この日は右MFで出場した小泉が好調でした。リンセンがサイドに流れて空いたFWの位置に走り込んだり、合わなかったものの左サイドからのクロスにフリーになったりしていました。トップ下の早川こそ、周りとコンビネーションが合っておらずスルーパスが通りませんでしたが、それでもリンセンがうまくポストに入ったりと、流れの良さは感じられました。

G大阪はどうやら、レギュラーメンバーが出ずっぱりだったことによる疲労もあったようです。なかなかチャンスをつかめなかったG大阪のチャンスは、前半29分に岩波のファウルで得た直接FKでしたが、これはジェバリが自ら蹴ることを主張し、壁に当てて跳ね返りをシュートしたもののこれは枠を外れました。浦和はこの試合を勝つためにGKを西川に戻しており、安定感は見られました。

43分のG大阪のFKは、西川が確実にパンチングで流れを切り、浦和は前半を1-0とリードして折り返します。アウェイゴール廃止で、G大阪の勝利条件は3点以上を取った場合なので、これは苦しいだろうと思われました。後半については、明日以降マニアック分析で補足します。