ベトナム戦プレビュー

今季は1月にカタールでアジアカップが開かれます。すでに1次リーグの相手は決まっており、ベトナム、イラク、インドネシアの順に対戦します。今日は初戦で当たる、ベトナム戦のプレビュー記事を書きます。ベトナムは近年力をつけてきているチームで、U-23アジアカップで準優勝の実績があります。過去に元大宮アルディージャ監督の三浦俊也氏が指揮を執るなど、積極的に外国人監督を呼んでいます。

今のベトナム代表監督は、日本代表監督も務めたベテラン、フィリップ・トルシエ監督です。日本代表では1998年から2002年まで4年間指揮を執りました。当時、革新的な戦術だった3-5-2ながら後ろの3人を並べてコンパクトな陣形を維持する「フラット3」で知られた監督です。ベトナムでもその布陣を引いているかは情報がないですが、強くなろうとする野心があるチームは育成型のトルシエ向きのチームでしょう。

日本にとって、ベトナムは2021年の最終予選で対戦し、1勝1分けと苦しめられた相手です。最後の引き分けは日本が既に予選通過を決めていてメンバーを落とした事情もありますが、当時ベトナムを率いたパク・ハンソ氏が5-3-2と自陣にブロックを引いたことで、ロースコアの勝負に持ち込みたい相手の策略にはめられてしまいました。1勝も1-0という辛勝です。

ベトナムのような東南アジア諸国は、テクニックは持っているもののセットプレーの力技で潰せる相手というイメージがありました。しかし、近年は少しその印象は変わってきており、最終予選での埼玉スタジアムでは逆にベトナムの方がヘディングシュートで点を取っています。また、トルシエが何をやってくるかわからない不気味さもある相手です。

それでも、ベトナムといえど欧州の強豪チームでプレーする選手がいるのではありません。選手の質では間違いなく日本が上の力関係で、森保監督もこの試合を落としてはいけない位置づけの試合でしょう。アジアカップの初戦で、日本もベトナムも中東の砂漠気候に慣れていないタイミングの試合なので、先にどちらがこの条件を味方につけられるかがカギを握ると思います。