もう悔しさもなくなった。
ただただ淡々と野球をこなすカープには失望ではなく、寂しささえ感じている。
嫌な予感は当たった。
オープン戦も佳境に入った頃、緒方孝市監督はまだチームを固めていなかった。
鈴木誠也、美馬優槻、野間峻祥を積極的に起用、いつまでテストを続けるのか。そんな空気があった。
三村敏弘氏を師と仰ぎ、その厳しさを受け継ぐと緒方孝市監督は言った。
「自分は野村前監督よりも優しくない」とも。
確かに三村氏は厳しかっただろう。だが、選手への愛も感じられた。
96年、カープが首位を独走した夏のスポーツ紙の一面にこんな見出しがあった。
「慕われた三村」。
「トータルベースボール」を標榜し、選手たちを信頼した三村氏だった。
緒方孝市監督にその片鱗は全く感じない。
今夜の緒方采配もひどかった。
千葉ロッテに3-4と勝ち越され、更に2死2塁のピンチ。次の打者が投手の唐川だったことを踏まえ、ベンチは敬遠策を指示した。回は6回。このとき、ネクストバッターズサークルに誰がいたかは不明だが、少なくともカープ先発野村祐輔は敬遠ではなく、勝負したいそぶりを見せた。結局、敬遠策をとり、塁を埋めると、打席には代打の福浦が立った。福浦に対峙する野村の投球はもやはや攻めのそれではなかった。
結局、この回、ロッテの攻撃は7点を奪うビッグイニング。野村は火だるまになった。
緒方の采配は不可解だった。まるで、野村をさらし者にするかのように投手交代をしなかった。ベンチの敬遠策が失敗したにも関わらず。野村に全ての責任を負わせた。
チームの雰囲気は更に悪くなったように見受けられた。
今季、1点差負けは9勝18敗(5月28日現在)。
逆転負けは12回を数え、逆転勝ちは僅かに4勝である(同)。
打席に立つ選手が、皆悲壮感を湛えた表情で打席に立つ。リラックスしている選手は多くない。
5月27日の千葉ロッテ戦。一打同点の場面で代打に出てきた小窪哲也選手の表情に余裕がない。「打たなければ」という一心でいい仕事をしてきたが、27日は6打席連続で代打成功には至らなかった。
そう、今のカープには余裕がない。
昨年までは、ムードメーカーの上本選手がチームを明るくしていた。だが、今季の1軍ベンチで彼を見ることはない。
やはり、27日の千葉ロッテ戦でこんな光景を見た。
代打の準備をしていた小窪選手だが、2死無走者となったことで、ベンチは先発投手の大瀬良大地を打席に向かわせることにした。永田利則ヘッドコーチは、ネクストバッターズサークルにいる小窪を呼び寄せる際、まるで犬や猫にするように手招きして小窪をベンチにひっこめさせた。
これがカープ首脳陣と選手の関係を端的に表している。
首脳と選手の関係に大きな溝が横たわっている。
つまり、恐怖政治なのである。ベンチに今、ユーモアと余裕が感じられない。若い選手はのびのびと野球をやっていないように見受けられる。
かつて、バレーボール女子日本代表の監督である眞鍋氏に話を聞いたことがある。
眞鍋氏は監督の役割をこう表現した。「監督はモチベータ-」と。
いかに、選手に気持ちよくプレーをさせることができるかであると。
緒方孝市監督は果たして日々そう努めているだろうか。
開幕して早々、なかなか爆発しない打線に対して「明日は期待しています」と談話した緒方監督。
それは期待するものではなく、監督がコントロールするものではないだろうか。
緒方孝市監督の野球。
そのスタイルや自身のキャラクターをシーズン途中でがらりと変えることなどできないだろう。
だとすれば、今季のカープのベンチはいつまでも活性化しない。
過去、当ブログではカープの歴代監督にダメ出しを送ってきた。
💛 モザイクの一球 NO.0004 ~ミスター赤ヘルを更迭せよ~ 広島VS ロッテ2回戦
だが、こんな早い段階で更迭を呼びかける監督はかつていなかった。
緒方孝市監督。
カープのことを真剣に思うのであれば、即刻辞任してほしい。
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