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雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

手作りグッズの紹介(天体導入)・つづきの続き

2012年12月03日 | 手作りグッズ
  赤道儀の目盛り環を使った導入方法では、
      誤差の発生をさけることができない!


それでは、その誤差はどの程度のものなのでしょう?

私の赤道儀(EM-200)での推定読み取り誤差は、
 最大で  赤経(Ra)±2分   赤緯(Dec)±0.5°
ここで注意するのは、目盛り環による読み取り誤差は
  2度 発生する。!  ということです。
基準星撮影天体の位置合わせの2回)
つまり撮影天体の位置合わせが終わった時点では、
最大誤差は 赤経(Ra)±4分 赤緯(Dec)±1.0°
となります。
   (むろん、誤差が打ち消しあう場合もあります。)

それでは、おなじみの”すばる”を使って誤差を見てみます。
  左が誤差なし 右が最大誤差(北西方向)発生時
 [ ]内は私の所持している該当光学系 カメラはCanonEOS kiss DX

● f=200mm  [Canon EF 70-200mm F2.8 Zoom]         StellaNavigator/AstroArts Inc.

 f=200mmでは写野が広いため、最大誤差が発生しても
 まだ”すばる”の中心はとらえています。

● f=400mm  [Canon NFD400mmF2.8]

 ”すばる”は見かけの大きさが約2°もあるため、その一部が見えて
 いますが、小さい銀河などは写野を外れるかもしれません。

● f=800mm [Vixen R200SS]

ついに”すばる”ですら、本体が写野から外れています!

● f=1500mm [Vixen R200SS+純正EXT]

わたしの星雲・銀河撮影での限界 f 値、R200SSに純正エクステンダです。
 最大誤差が発生すると、どこにいるのかすらわからなくなります。

  参考に各 fmm(焦点距離)別の写野です。

内側から f= 1500mm800mm400mm300mm・200mm

ここまでの検証で、
「読み取り誤差が最大であっても、
f=300mmくらいまでの望遠レンズなら、写野の中心は
外しても、対象天体を捕らえる事ができる。」
        ことがわかります。

極端に言えば300mmくらいまでの望遠レンズなら
基準星と対象天体の位置がわかれば導入は可能です。


下の画像は、望遠レンズでの撮影を目的に作成した
ガイド星図で、この春まで使っていました。

「滝星図(8.5等)」をベースに作成してあります。
記載内容は
  ・撮影対象の位置データ
  ・基準星の位置データ
  ・望遠レンズの写野枠

このガイド星図はR200SSでの撮影にも使ってきましたが、
明るい対象に限られていました。
それは 
暗く小さな対象だと、
最初に捕まえられないと、お手上げだったからです。


そこで この春
 ステライメージを有効に活用して作成したのが

    『 ガイド星図 22時 』 です。
  

  次回は 「 ガイド星図 22時 」 を紹介いたします。→→




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手作りグッズの紹介(天体導入)・つづき

2012年12月03日 | 手作りグッズ
前回  の続きです。
 「赤道儀の目盛り環を見ながら、天体があるはずの位置まで
  動かしたのに、目標の天体は入っていませんでした。」 
 
    どこで誤差が生じたのでしょう?
 
考えられる原因の1つ目は
■ 基準星および対象天体の位置データの誤差 ■ 

天体写真を再開した当初は、星図上でモノサシを使って位置を
 割り出していました。(当然スケールに応じて誤差が発生します。)

    社会人になってすぐ買った 
       『 最新版全天恒星図 』 誠文堂新光社 S43発行
          ( スケール 4mm/1° ) 
  
 
    2009.10 『 滝星図(8.5等) 』をダウンロード
  その後、全ページを印刷してファイリング。現在も使用中。
          ( スケール  9mm/1° )
  
     *星図をクリックすると滝星図のページにリンクします。
 http://www.geocities.jp/toshimi_taki/atlas_85/atlas_85_jp.htm
*無償でダウンロードできる事が信じられないほど、すばらしい星図です。
    
◆ 2010.9 「 ステラナビゲータ Ver.9 」アストロアーツ 購入
  
   現在はステラ・ナビより位置データを取得できるようになり、
    位置データの誤差はなくなりました。


それでは他に考えられる原因は
■ 赤道儀目盛りの読み取り誤差 ■

 
   赤緯Dec)目盛り 推定読み取り誤差±0.5°  
  (指標と目盛り環との間に段差があり読み取り誤差が発生するので、
                     手作り指標 を付けてあります。)


 
   赤経Ra)目盛り 推定読み取り誤差±2分 
              (赤道換算±0.5°
  *推定読み取り誤差は、夜間屋外の悪条件を考慮したもの。

読み取り誤差の推定値では赤経(Ra)・赤緯(Dec)とほぼ同じに
なっていますが、
実使用では、「 赤緯(Dec)のズレの方が大きい
                     事を実感しています。
その考えられる原因としては
  ・赤緯(Dec)目盛り環は指標との間に段差があり、
        斜め読みによる読み取り誤差が発生しやすい。
  ・Ra目盛り環とちがい、Dec軸の方向は変化し、
        Dec目盛り環が読みにくい位置にある事が多い。
  ・目盛り間隔が狭く読み取り誤差が発生しやすい。
   (Ra: 2.2mm/1目盛り  Dec:1.8mm/1目盛り

以上から、
赤緯(Dec)目盛りの読み取り精度を上げる対策が必要!
と考え、こんなグッズをつくりました。

<---(クリックで拡大)
 (・・・・・・・なんや、けったいな形やな?
    これが、ほんとの虫めがねってか?)

EM-200赤道儀に搭載するとこうなります。

 これで、Dec目盛りを3倍程度まで拡大して見る事ができます。
   (・・・目盛りが大きく見えてよさそうだけど・・・、
     2回にも分けて掲載するほどのものか~?!) 

そういわれますけど・・・・
 ・見やすい倍率が得られるレンズを探して、使わなくなった接眼鏡をバラシ、
 ・赤道儀への搭載方法(着脱が可能な事)、見やすいレンズの位置を検討。 
   など・・・・、これでも結構苦労したんですから。
               (・・・・・・なんか、ものたりんなあ~
気にせず、先に進みます。 (まだ読んでくれてますか~?)

見かけは悪いけど、必ず効果があるはず!
ついに、実戦で検証してみる機会が来ました。
 ○赤道儀の据付・極軸合わせが完了し、『Decメガネ』を取り付け
  ます。 
  (注)「Decメガネ」はこのグッズの愛称です。・・・言っていませんでしたぁ?
 ○キツ過ぎず、それでいてゆるんで落ちるほどではない、絶妙な装着感、
  十分机上検討を重ねた成果です。
 ○それではさっそく基準星を導入します。

   ン・・?  ェエ・・!   ウッソー!!! 
      (・・・どうした! なにが起きた?)

    目盛りが・・・! 目盛りが見えない・・・・!!
  (しばらくの 沈黙 )・・・・

  赤緯(Dec)軸にはバランスを取るためのウェイトを取り付けた
  シャフトがあるんですが、それが邪魔して、「Decメガネ」を
  正面からのぞく事ができません!
  これは以前からわかっていたことですが、多少斜め読みになっても
  目盛りは見ることができていました。
  ところが「Decメガネ」を取り付けて斜めからみると、
  レンズのせいでケラレが発生し、中心の指標すらみえないのです!



      ・・・・(ユルサン! わしは許さんぞ!!
   今度はまじめに「天体導入」の話だと思って前回から見ていたのに。
   ”所詮は机上検討”なんて結末・・グスッ、(・・泣いている)
         もうこのブログなんか、見てやるもんか! )
 

結局、私の得た結論は
  赤道儀の目盛り環を使った導入方法では、
     誤差の発生をさけることができない!
  
というものでした。
       (・・・・・ホラッ、やっぱり、そうだ! これで”チャンチャン”
          にする気だ。えいっ もうログアウトしてやる。ブチッ....)


それでは、この問題を解決するには
 自動導入の赤道儀に買い換える しかないのでしょうか? 

すでに怒って帰られた人もおらるようですが・・
  (   まだどなたか残っておられますぅ~?   )

いよいよこれから本題なのですが・・・

スミマセン。まだ残っておられる人がおられたら、帰られた人を
呼んできていただけますぅ?
そのあいだに、この続きをUPしておきます。→→

==========================================================
長くなりましたので、一服していただいてから
続編をご覧ください。
記事タイトル 「手作りグッズの紹介(天体導入)・つづきの続き」 です。

 
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