雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

流星群は脇役?

2012年12月16日 | 天体写真(流星群・星野写真)
13日深夜、ブログ更新のため日が替わるのを待っていた時の事、
家内がからかうかのような声で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あんた、星出てるけど、どうするのぉ。?
なに!星!
星なんて、先月の16日撮れたのが最後で、・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・もう今年は晴れないものと決めていたのに !
「夕方は雲があったはず・・・」と思って外に出てみると..
木星がまばゆく輝き、オリオンがまたたいている。
晴れるなら晴れるって言ってくれなくちゃ。(誰が?・・)
こっちだって気持ちの準備ってものがある。
気持ちだけじゃない!撮影のための機材を設営するには1時間はかかる。
いくら自宅の裏とは言っても、深夜に重たい機材の設営はつらい。
それに冬の放射冷却ですでに気温は0度近く、・・・・・・・・
・・・・・・・・かならず設置場所のスロープが凍結する
あせる気持ちで出した答えが、ポータブル赤道儀 『ToastPro』で、
オリオン座メインで冬の星座と、ニュースの字幕で見た
今日あたりが極大日という「ふたご座流星群」を撮る事にした。

防犯灯隠し竿の取り付けも含め、0時半ころ撮影を開始することができた。
(「防犯灯隠し竿」については・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
参照願います。)
流星群は運まかせとして、ズームの最短焦点(f=17mm)で・・・・・・・・・・
写野の中心にオリオン座、絞りは星像の劣化を避けるためF4に絞った。
2分間の露光を繰り返す間、1分間に2個程度の流れ星を見ることができた。
広角レンズのため、かなりの確率で補足しているはずとの期待から、
結局約40枚を1時間半かけて撮影した。
問題は広角のため木の枝や、向かいのお宅が写り込んでしまう事。
南側>電線と庭木 (防犯灯には覆い)   00h46m ・・・西側>隣家の建物  *レンズ凍結によるにじみ発生  02h07m 

撮影が長時間におよぶと、加算平均でもこうなってしまう。(2分×32枚)  *右上の光は木星
2012/12/14 0h55m~02h09m ISO1600 TAMRONZoom 17~50mmF2.8(f=17mmF4.0) KissDX(FIL改)
肉眼ではかなりの数を確認できた「ふたご座流星群」も、写真では
7、8個しか写っていなかった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
特に後半、気温が-2度まで下がり、レンズの表面に氷の膜が
張り出してからは、星のにじみが大きくなり、まったく確認できなかった。
あまりの寒さに、結局撮影は3時半頃に終了し、・・・・・・・・・・
ダークファイルの露光をしながらかたづけをおこなった。・・・・・・・


あれッ。 流星群の写真はないんですか?!!・・・・・・・・・

忘れていました。これです。
0h55m~01h22m 2分×15枚コンポジット 他のデータは上と同じ
しっかり、写っているじゃないですか!
でもなんか変だな?

そうなんです。”忘れていた”というのはウソで、・・・
その変な事をするのに2日もかけてしまいました。
なにが変なのか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1).比較明合成にしては、背景がきれい。・・・・・・・・・・・
(2).加算平均コンポジットにしては、流星がクッキリ。・・・・・

もともと、めったに見れない冬の星座がメインだったため、
レンズを開放のF2.8より絞ったのですが、その結果当然流星は暗く写ります。
下の写真は肉眼でも確認できた、三ツ星の中央を貫いた流星の元写真です。
1h37m~ 2分露光 中央部35%トリミング

この流星は、たまたま肉眼でも確認しており、その瞬間
ヤッターッ!大スクープ写真だ!
でも、撮れた写真は・・・・・・(沈黙)・・・・・・・・・・・・・・・
(上の写真はJPEG変換のみで、画像処理をしていません。)

どうして見たとおりに写らないんだ!!
(ほんとは、ヒトの目の性能の良さをほめるべき)

そこで睡眠不足でウトウトしながら、見た目に近い写真の再現を模索しました。
まず、流星写真で一般的な単純な比較明による重ね合わせは、
画質の向上につながらないため除外しました。
以下は、手順のあらましです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.各フレームに流星が写っていたら、円でかこみ周囲を黒くぬりつぶす。・・・・
2.背景処理ソフト「FlatAide」で流星を浮き上がらせる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.流星部分のみが選択されるよう絞り込みを行う。(更に周囲をぬりつぶす。)
4.流星部分が残った各フレームを比較明合成する。(流星のみの画像になる)
5.通常の加算平均で作成した星野写真と比較明合成する。・・・・・・・・・・・・・・
6.星野写真の中で、流星部分が不自然にならないよう”流星のみの画像”の
明るさ、コントラストなどを補正する。・・・・・・・・・・・・・・・・・・

やってみるとわかるのですが、最後の
不自然にならないよう”が、ものすごく大変で、
ほとんどの時間が費やされました。
35%縮小の掲載した写真では流星は3個くらいしか見えませんが、
実際は7個ほど重ねています。
このくらいでないと流星が目立ちすぎて写真が台無しになります。

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久しぶりの徹夜での星野撮影でしたが、撮ったものを即ブログにUPする事が
つくづく大変だという事がわかりました。(みんな、えらいなあ)
やっと、ゆっくり眠れます。おヤスミナサイ。


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