雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

ガイド星図22時

2012年12月04日 | ガイド星図22時
『 ガイド星図22時 』の紹介をさせていただきます。

(1).「ガイド星図22時」を作成した理由

 3回にわたる「手作りグッズの紹介」の中でもお話していますが、
 私の持っているEM-200USD赤道儀には自動導入機能が
 ありません。
 そのため、赤道儀の目盛り環を使って、撮影対象(主に星雲や銀河)
 の導入を行っているのですが、読み取り誤差がどうしても発生して
 しまいます。
 焦点距離が300mm程度までは、中心からはずれるものの
 対象天体の補足はなんとかできますが、それより長くなるとカメラ
 写野の現在位置すら把握できない状況が生じてしまいます。
 
 天体写真を再開して5年がたち、なんとか自動ガイドも機能するように
 なってくると、主力鏡筒のVixenR200SS(f=800mm)直接焦点での
 撮影にとどまらず、エクステンダーを装着してさらに長いf=1500mm
 での撮影もしたいという欲求も出てきました。
 そこまでの長焦点になると、
 従来使っていた「滝星図(8.5等)」をベースとした星図に、
 基準星・対象天体の位置データを追記しただけのガイド星図では
 まったく使い物にならなくなってしまいました。
 
 仮に撮影対象がカメラ写野から外れても、カメラ写野の現在位置が
 把握できるようなガイド星図がつくれないか?
 そこで今年4月から、持っていたステラナビゲータ(Ver.9) の機能を
 活用して  ガイド星図22時 の作成をはじめました。
 その夜に撮影したい天体について、”泥縄”式に作成するという
 やり方で、今日現在 メジャーな星雲・銀河を中心に
            83対象 のガイド星図ができました。

  
 できたガイド星図は、季節ごとにクリアファイル4冊に分けて入れ、
 撮影の都度、2枚一組を背中合わせにソフトビニールケースに
 移して、屋外で使用しています。

(2).「ガイド星図22時」とは、どのようなものか?
 「ガイド星図22時」は、皆さんあまりなじみの無い(?)
  ORACLE OpenOffice.org3 (officeの無料版のようなもの)で
 作成されています。
 今回はだれでも見れるよう、画面コピーを使ってイメージ版を
 作成しました。
 百聞は一見にしかずという事で、まずはサンプルをご覧になってください。

 ●M1 かに星雲(おうし座)  ●魔女の横顔星雲(エリダヌス座)
       
 (クリックで各ページ毎に拡大して見る事ができます。)

 以下は、各ページごとの簡単な説明です。
[ 表ページ 上段 ]

(1)MNo. NGCNo. 天体名称 (星座名) 光度 視直径(見かけの大きさ)
    *光度、視直径は資料により差があります。
(2)対象天体の位置データ 赤経(Ra) 赤緯(Dec)
(3)22時に南中する日の星空 (StellaNavigator)
    *私の撮影場所から条件の良い”西”側の空を基本としています。
(4)南中高度・・・・・・対象天体が最も高く上る真南での高度です。
(5)撮影可能時間(高度)・・・・・南中高度から判断して、どの程度高度が下がった
                     頃まで露光を行うかという目安です。
(6)南中時間・・・・撮影に適した22時(私の場合)に南中する日時(太枠)と、
          前後して撮影が可能な季節での南中時刻です。(*新潟県上越市において)
    
[ 表ページ 下段 ]

(7)対象天体の周辺星図 滝星図(8.5等)よりトリミングして掲載。
             目的の天体の周囲に簡易な写野枠を表示                  
(8)星図の元となった、滝星図(8.5等)の当該ページ
(9)基準星(複数の場合もあり)の位置を☆で表す。
           星図外の場合はおおよその方向を点線の☆で示す。
(10)基準星の学名(名称)と明るさ 位置データ Ra,Dec
(11)各光学系ごとのカメラ写野の中心位置データ Ra,Dec
             *対処天体の位置座標と同じくなる場合が多い



[ 裏ページ 上段 ]

(10)基準星の学名(名称)と明るさ 位置データ Ra,Dec
               *裏面にも重複掲載したもの
(12)光学系と、カメラ写野の中心位置データ Ra,Dec
(13)カメラ写野周辺のステライメージ画像(上が北)
   *TST露光(60Secほど)で表示される等級に合わせ、ステライメージで設定
   (だいたい、9~12等級まで表示)
   *写野をはずれた場合でも、表示されている星(星の配列)を
     手がかりに現在位置を推測できる

(14)使用光学系の、カメラ写野枠
    *構図決めを容易にするため、
      自分で撮影した画像やDSS画像などをマッピングする事もある。


[ 裏ページ 下段 ]

 裏ぺージ 下段のスペースは、以下の場合に利用。
 (A)焦点距離の異なる光学系での撮影
 (B)同じ光学系・焦点距離で、より広域のステライメージ画像が必要
 (C)星による位置同定を容易にするため、マッピング画像なしの画像が必要
(10)(12)上段とおなじ
(14)使用光学系の、カメラ写野枠

(3).ガイド星図作成済みの天体の一覧
 作成済みリストの代用として、「OpenOffice」のタブ画像を表示します。
   (ちょっと見にくくてすみません。) 


(4).「ガイド星図22時」のブログ上での活用について
 あくまで自分の星雲・銀河撮影用に作成したものですが、
 ブログ開設できた事でもありますので、記事のコーナーなどでの
 活用を考えています。
 たとえば 「ガイド星図22時 今月のお題」(仮題)なんてコーナーを
 作って、ガイド星図を掲載する。
 お題の天体が撮影できたら、リンクを張って紹介する。
 また、自分のブログを持っていない人なら、画像を送ってもらって
 「みんなの宇宙(そら)」コーナー(仮題)に掲載する。
 なんて事を考えています。
 むろん、皆さんの中で 「ガイド星図22時」が役立ちそうだという
 人がおられましたら配布も、考えますので、コメント(公開)、
 またはメッセージ(非公開)でご感想・ご要望をおよせください。
コメント (2)
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