雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

動画処理で撮る月・土星(高気圧通過イベント第2種目)

2013年05月21日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
17日夜は、移動性高気圧が真上を通過する絶好の撮影日和でした。
高気圧真上通過記念イベントの種目目は、
動画を活用した月面の拡大撮影および惑星(土星)の撮影です。

私が月面の拡大撮影や惑星の撮影に動画を使い始めた頃は、
ビデオカメラを使ったものだけだったのですが、
現在はフリーソフト『EOS Camera Movie Recode』を使って、
デジタル一眼のライブビュー画像を記録する方法も使っています。
今回は記念イベントという事で、両者の方法で月の拡大撮影を撮り比べてみました。

A.デジタル一眼レフを使った動画処理による月面撮影

ライブビュー画像を記録するため、パソコンを接続する必要がありますが、
他は静止画の撮影と同じようにカメラを接続します。
第1種目と同じく R200SS鏡筒+Vixen純正エクステンダー+Canon2xに
未改造のCanonEOS kissX2を接続して、合成焦点距離は3,000mmになります。
更に、記録する動画はEOS Camera Movie Recode のx5クロップで、
画像中央部を切り取ったものです。(全体の1/25の画素数を使用)

下の画像は約35秒の記録動画(圧縮形式)を、
VirtualDubMod」でAVI形式(1枚画像に分解されたもの)に変換し、
AviStack」でコンポジット・Wavelet処理したものです。

今回は”全面モザイク”などという無謀な事はやめて、数カットの部分モザイクにとどめました。
撮影DATA: 2013/05/17 20時42分~21時05分 R200SS+純正エクステンダー+Canon2.0x(合成f=3000mmm
x5クロップ 露出1/30sec ISO400 EOS X2 EM-200赤道儀 40秒前後の動画をコンポジット・モザイク EOS Camera Movie Recode AviStack 他

この撮影方法の良いところは、露光がマニュアルで設定でき、x5クロップで画像の中心部を使っているため
周辺減光も無く、ほとんど無修正でモザイク結合ができる事です。
(この画像も無修正ですが、つなぎ目がわかりますか?)


B.デジタルビデオカメラを使った動画処理による月面撮影

今度はエクステンダーの代わりに、接眼レンズで拡大します。
ビクセンの拡大撮影アダプタを使用しています。
人がのぞく代わりにビデオカメラを接続します。
使っているビデオカメラは、裏面照射CMOSで高感度な事から数年前に購入したSonyHDR-CX170。

下の画像は約40秒のビデオ画像(圧縮形式)を、
VirtualDubMod」でAVI形式(1枚画像に分解されたもの)に変換し、
AviStack」でコンポジット・Wavelet処理したものです。
こちらも数カット録画し、モザイクでつないでみました。
撮影DATA: 2013/05/17 21時18分~34分 R200SS+NLV20mm接眼レンズ SonyHDR-CX170 EM-200赤道儀 
40秒前後のビデオ画像をコンポジット・モザイク AviStack 他

掲載画像は無修正ですが、あきらかにつなぎ目がわかります。
アイピースの周辺減光によるものと思われます。
今一つ画像が冴えないのは、隣家の屋根に月が沈む寸前に撮影したため、
昼間温まっていた屋根の”かげろう”で、時間と共にゆらぎが増加していました。

両者の比較としては、本来のビデオカメラでの撮影はもっと高解像なのですが、
モザイクでつなぐ事を考えると、デジ一眼の方が効率は良さそうです。


C.デジタルビデオカメラを使った動画処理による惑星撮影

基本的には月面の撮影と同じなのですが、エクステンダーでは拡大不足で
接眼鏡もNLV9mmと、更に拡大倍率を上げてビデオカメラで撮影しました。

惑星(といっても木星・土星だけ)の撮影は、天体写真を初めてから
まだ数回しか撮った事がありません。
先日、輪の開いてきた土星が気になって『月をむずかしく撮った』後に撮影したのですが・・・
月はそれなりに写ってくれたのに、Wavelet処理をかけてもこの程度。(4月23日撮影)

今回はシーングが前回より良さそうだったのですが、期待はしていませんでした。
撮影DATA: 2013/05/17 22時20分 R200SS+NLV9mm接眼レンズ SonyHDR-CX170 EM-200赤道儀 
1分50秒のビデオ画像をコンポジット Registack5 他

前回と撮影方法は同じなのですが、シーングが良かったという事でしょう。
(短焦点反射のR200SSは、もともと惑星撮影には適していないようです。)


次回は イベント第3種目 「多段階露光による球状星団M5」 の予定です。


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コンテストでは無く、展覧会 です。
参加お待ちしています。

 
雲上くもがみ
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