次の1冊を読んでいます。
『帰宅の時代』
林 望(ハヤシ ノゾム)著 新潮社
2005年6月25日発行
林の著作は、以前、日本エッセイストクラブ賞を受賞した『イギリスはおいしい』や『イギリスは愉快だ』を読んだことがあります。
イギリス旅行に興味をもっている頃でした。
久々の林を読み始めたところ、本居宣長の『ういやまぶみ』からの引文が目にとまりました。
恩師・五十嵐先生がお元気の頃、「松坂の一夜」のお話をお聞きして感動したことがことがありますが、進んで本居宣長を読んでいませんでした。
読書は結構好きですが、年を重ねるに程に、読書の不足を切に感じるこの頃です。
林の孫引きです。
「詮(セン)ずるところ学問は、ただ年月長く倦(ウマ)ずおこたらずして、はげみつとめるぞ肝要にて、学びやうは、いかやうにてもよかるべく、さのみかかはるまじきこと也。いかほど学びかたよくも怠(オコタ)りてつとめざれば、功はなし。又人々の才と不才とによりて、其功いたく異なれども、才不才は、生まれつきたることなれば、力に及びがたし。されど大抵は、不才なる人といへども、おこたらずつとめだにすれば、それだけの功は有ル物也。又晩学の人も、つとめはげめば、思いの外(ホカ)功をなすことあり。又暇(イトマ)なき人も、思ひの外、いとま多き人よりも、功をなすもの也。されば才のともしきや、学ぶことの晩(オソ)きや、暇のなきやによりて、思ひくづをれて、止(ヤム)ることなかれ。とてもかくても、つとめだにすれば、出来るものと心得べし」
一生勉学ですね。
毎田周一のことば。
「永遠なるものを求めて 永遠に努力するものを菩薩という」
現代には「生涯学習」などの言葉がありますが、先人の言葉の方が重いですね。