伊奈谷にお住まいの加島祥造さんと、11世紀のペルシアの詩人オマル・ハイヤームの作品を並べてみました。
加島さんは、ベストセラーの『求めない』(小学館)、『タオー老子』(筑摩書房)等の著作がある。
オマル・ハイヤームは、『ルバイヤート』(岩波文庫)他で読むことができる。
ないものにも掌の中の風があり、
あるものには崩壊と不足しかない。
ないかと思えば、すべてのものがあり、
あるかと見れば、すべてのものがない。
(オマル・ハイヤーム)
持たない人は、
持つ可能性に満ちている
持ちすぎた人は、
戸惑うばかりだ。
(加島祥造)
あしたのことは誰にだってわからない、
あしたのことを考えるのは憂鬱なだけ。
気がたしかならこの一瞬を無駄にするな、
二度とかえらぬ命、だがもうのこりは少ない。
(オマル・ハイヤーム)
先ばかり見てつき進む者は、
足もとを見ず、やがてころぶ。
先のものばかり取りたがる者は、
いまの自分を見失って、迷う。
先のことを恐れてばかりいる者は
いまの喜びを失う
ーこれが、いちばん用心すべきことだよ!
(加島祥造)