先程、新小岩のお寺様で開催される「唯識勉強会」から帰宅しました。
テキストは、太田紀編註『選註・成唯識論』中山書房仏書林。
今晩は、58㌻ 第三教證の箇所を教えていただきました。
勉強会後の打ち上げは、隣の寿司屋さん。
美味しい大皿の鰹のたたき・くさや・お寿司をいただきました。
参加のSさんの独白。
「最近、フッサールの現象学の本を読んでいます。
一人で読んでいますと難しくて、5分間読むと20分睡魔に襲われます。
唯識も童謡です」と。
私も、全くその通りだと思います。
一緒に勉強をする仲間・場所があることは、本当に有難いことです。
毎回資料を用意してくださり、提唱をしてくれるI師に感謝であります。
午後、友人のUさんのお誘いで、東洋大学に出かけました。
Uさんは、私より少しだけ年長のお姉様。
熱心な聞法のお方で、いろいろ教えていただいています。
このUさん、本当にお元気な方でしたが、今年の初めの健診で胃癌が見つかりました。
初期とのことで、東大病院で手術をしました。
しかし、胃をひらいてみると、術前の予想と大違いで病状が進行。
胃の全摘をして、現在は抗がん剤で治療しています。
Uさんとは、二ヵ月に一回ぐらいのペースで、雑談の時間をもっています。
今回も、前回同様、東京大学赤門前で落ち合ってコーヒータイムの予定でしたが、
Uさんの提案で東洋大学に場所を移動。
仏教プロジェクトの発表会に出かけました。
東洋大学東洋学プロジェクト
東アジアにおける仏教の受容と変容 =智の解釈をめぐって=
研究発表は二本。
①モンゴル語訳大大蔵経の成立について
発表者:東洋大学大学院後期博士課程3年 オーダムさん
②中国仏教における般若説の展開について
発表者:金剛大学校仏教文化研究所HK教授 林 香奈さん
お二人ともお若い研究者。
オーダムさんは、日本語が流暢なモンゴルからの留学生。
私は、専門的に仏教のことを勉強したことがないので、十分に理解することはできませんでしたが、
若い研究者の真摯な発表の場にいられることは、若いエネルーギーがもらえる感じがしていいですね。
モンゴル仏教については全く知りませんが、
この機会に中国の仏教史について勉強してみようと思うものであります。
それしにても、東洋大学の施設は近代的ですねー。
最近の私立大学は、どこも素晴らしい環境に生まれかわりましてねー。
私などが大学生の頃は、学生運動が最高潮の時代。
大学構内に入るにも緊張感がありました。
そうそう、立て看板が林立していましたねー。
ヘルメット姿の学生がゴロゴロしていたもんです。
時代は変わりましたねー。
里村専精師の「浄土真宗にようこそ No17」をお届けします。
浄土真宗にようこそ (017)
龍樹の生きた時代は、仏像の出現した時代でもあります。
南インドの出身ですから、龍樹は肌の色が浅黒かったのかもしれません。
けれども、バラモン出身だと断られていますから、白系インド人だったかもしれません。
ナーガルジュナコンダには、龍樹ゆかりの遺跡があります。
実に堂々としたブッダが、静かに立ってます。
もちろんこのブッダは、龍樹の見たものではないでしょう。
南インドは、豊かな自然に富んでいます。
その気風を受けて、龍樹は伸びやかな思索の持ち主でした。
若いころにちょっと放蕩していたのですが、翻然として出家したと伝えられています。
大乗仏教のサンガが新しい教典を生み出しているころ、龍樹は学びます。
大切な般若の経典群から大部の華厳の経典まで、次第に学んだ龍樹は大変な人でした。
般若中観の大成者として、彼は有名になってゆきます。
あくまでも中道という、ブッダの道を踏襲したものです。
中道とは、苦楽の二辺をはなれているということわりがあります。
苦行によるのではなく、そしてまた楽行という自堕落なものでもないのです。
それはまた、どんな苦行をも超えているしどんな楽行にも溺れない道です。
それは智慧によって開かれ、智慧を磨いてゆくものです。
出家という形は大切にされていましたが、身をいじめる苦行は避けていたのです。
悠然として、龍樹は仏道を学んだのです。
サンガの人として、龍樹の生きた意味があります。
かつてのブッダ時代のサンガは、次第に歴史を形成し歴史を縫うものになったのです。
歴史するサンガは、歴史する仏道のメディアだったのだと考えられます。
カウンセリング研究会《くりのみ》親鸞とカウンセリングコースでは、
『教行信証』の音読を中心にした勉強会を開催しています。
→次回の勉強会は、9月21日(土)です。
皆さまのご参加をお待ちしています。
藤圭子さんの一人娘、歌手の宇多田ヒカルさんが、
ホームページでご自身の気持ちを公表しています。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/utada_hikaru/?id=6088784
母親の精神的な病のこと、家族としての混乱、母への思いが素直に語られています。
しばらくゆっくりと休養して、また素敵な歌声を届けてもらいたいものです。
南無阿弥陀仏 合掌
今朝の毎日新聞 山田孝男さんの『風知章』さんの記事が面白いです。
元首相の小泉純一郎さんが、三菱重工業・東芝・日立製作所の原発担当幹部と
ゼネコン幹部が脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察したそうです。
この記事を読みますと、
小泉元首相は、「脱原発」「原発ゼロ」の表明しているそうです。
個人的には、郵政改革・新自由主義の立場の小泉さんを支持していませんでしたが、
「脱原発」「原発ゼロ」を推進してくれるなら、もう一度総理大臣にカムバックしてもらいたいものです。
病気の前歴のある現首相よりも、お元気な小泉さんが面白いですね。
小泉さんが再登板すれば、多くの国会議員が集まるのではないでしょうか!
風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」=山田孝男
毎日新聞 2013年08月26日 東京朝刊
脱原発、行って納得、見て確信−−。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。
三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」
小泉が答えた。
「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」
「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」
3・11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。
呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。経営者が口々に原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。
その直後、小泉はフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学を思い立つ。自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。
原発は「トイレなきマンション」である。どの国も核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。「オンカロ」は世界で唯一、着工された最終処分場だ。2020年から一部で利用が始まる。
原発の使用済み核燃料を10万年、「オンカロ」の地中深く保管して毒性を抜くという。人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は存在しない。10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で超危険物を埋めることが許されるのか。
帰国した小泉に感想を聞く機会があった。
−−どう見ました?
「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」
−−今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。
「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」
「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」
「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」
「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」
もとより脱原発の私は小気味よく聞いた。原発護持派は、小泉節といえども受け入れまい。5割の態度未定者にこそ知っていただきたいと思う。(敬称略)(毎週月曜日に掲載)
先程、杵柄落語・稽古会から帰宅しました。
3時からの稽古会では、
恋歌師匠、金夢師匠、小三馬師匠、夏夏師匠他の落語を聞かせていただきました。
いつものことながら、各師匠の熱演に頭がさがります。
各師匠の出演後の皆さんの検討会も、熱を帯びて深く掘り下げたものばかりでした。
6時過ぎから、志ん女師匠の手作りの餃子パーティ。
皆さんで、美味しくいただきました。
パーティが一段落した後、遅れて参加の舞歌師匠の自作自演の落語がありました。
吉原を題材にした新作。
お見事な熱演でした。
その後のカンファレンスが、本当に厳しく深いものがありました。
①猪牙船(ちょきっぶね)の櫓の使い方を表現する扇子の使い方について。
②ストーリーについて。落語のストーリーの場合、意外性が欲しい。
etcについて細かく深く検討がなされました。
女性の舞歌師匠の前向きな姿勢には感動しつつ、
落語の中味については厳しいカンファレンスが展開されるこの稽古会。
本当にレベルの高い稽古会です。
私は、落語は全くの素人。
ただただ、各師匠の厳しいカンファレンスに感心するばからりです。
このような稽古会を覗かせてもらえる幸福を感謝であります。