北山修著
『最後の授業』
心をみる人たちへ
みすず書房
2010年7月26日 第1刷発行
2010年9月 1日 第3刷発行
1800円+税
区立図書館から、借りてきた一冊。
先週、走り読みをして、只今、少し腰を落として読んでいるところ。
北山修さんは、九州大学の名誉教授。精神科医。精神分析家。
学生時代は、「ザ・フォーク・クルセダーズ」の元メンバー。
『戦争を知らない子供たち』『あの素晴らしい愛をもう一度』『花嫁』etcが懐かしいですね。
北山さんは、時々、「土曜ラジオTOKYO永六輔その新世界」にも出演していますので、
そこで、お声を聞かせてもらってもらっています。
本書は、北山さんの、最終の授業・最終講義をまとめたものです。
「あとがき」で、次のようなことを書いています。
私は、ここで心を見て、診て、看て、数十年経ち、先日の退職を契機にして、
後進に伝えたい「心をみる方法」もここでまとまり一区切りついたようだ。
今、その全体を要約するなら、音楽を母親に科学を父親にして生まれた者たちの
心の物語であり、それがゆえに私的で現代的であり、もちろん生きている限りは
これから後も続くかもしれぬ。
最終講義の時、大学人として最後は私の好きな言葉で閉じたいと思い、
あるバレーダンサーの次の言葉を紹介した。
「どう踊ればいいのか、ようやくわかった時には体がいうことをきかず辞めねばならない。
人生ってそういうもんだ。」
しかし、九州から離れて関東に再適応しているこのただ今、人間関係でどうやればいいのか
また分からなくなり、自分の内と外が微妙にうまく噛み合わず新たな面倒や苦労が始まった。
人生は、面白いがいつまでたってもいうまくいかない。だから自分の問題を言葉で考えることを
止めるわけにはいかないし、それが心を言葉として取り扱う臨床人として語彙力を高めるものと
信じる。
学生たちに繰り返し言ってきたように、自分の人生について語りながら生きることは、
苦しいが楽しいことも多い。
少し横道にそれます。
カウンセリング研究会【くりのみ会】では、「楽談タイム」を大事にしています。
また、勉強会の後の、食事をいただきながらの「懇談タイム」も楽しみです。
ご参加の先輩曰く、
「【くりのみ会】の“楽談タイム”“懇談タイム”は、楽しいねー。
昔の、職業・地位・肩書きも関係なく、孫の自慢話もないでしょう…。
楽に井戸端ができます」と。
北山さんの言葉を借りると、「自分の人生について語りながら生きる…」
特別なことを語る必要はないですねー。
素直に、日々の自分の人生を語る…。
そんな時間、場所を大事にしあえたら良いですね。
今日も、聞者くりのみ《日乗》に来てくれてありがとうございます。
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