福島第一原発事故は、先行きが真っ黒闇という感じです。
東日本大地震に襲われてすぐ、TVに出演していた原子力関係の学者の方々が言っていたのは、「ニューヨーク往復で被爆する放射線量より少ないです」とコメントでした。
そんないに楽観的なコメントで大丈夫か!と思ったものでした。
TVに出ている学者のコメントは、「本当に大丈夫かな?」というのが率直の感想です。
これまで、広瀬隆さんの著作名は何となく目にはしていました。
『東京に原発を!』
『腐食の連鎖』
etc
しかし、不勉強でした。
広瀬さんの著作を読んでいませんでした。
原発が、こんなに大問題を起こすとは思ってもいませんでした。
安心・安全報道を信用していました。無関心でした。
いま、図書館で広瀬隆さんの著作を借りようとしても予約になってしまいます。
ようやく手にした一冊が、
『地球のゆくえ』広瀬隆著
集英社文庫 1997年8月25日 第一刷
本書の中で、広瀬さんは次のように書いています。
十数年前の警告です。
何年も経たずに、第二チェルノブイリ事故が、全世界のどこかで起こることは間違いない。その可能性が一番高いのは、日本である。原子炉がひどく老朽化して、国民はそれを知らずにいる。
日本人の三大危機は、原発事故、戦争に巻き込まれること、自然が崩壊してゆくことにつきるが、戦争と自然破壊は、これからの日本人が高い意識を持って行動すれば、人間の意志でかなり食いとめることができす。最も近い将来の悲劇として必然的に起こるのは、原発事故だろう。すでにチェルノブイリ事故のあと、福島と福井で、日本人が奇蹟的に大惨事ををまぬかれ断崖絶壁の危機を体験してきた。
広瀬さんの警告の通りの現実が進行しています。
日本国は、残念ながら、少数意見が大事にされない国のようです。
学者でなくても、本当のことを発言する人を大事にできる国家に成長してもらいたいものです。