中央図書館で、詩集をパラパラしてきました。
茨木のり子さんの『聞き星』という素敵な詩に出会いました。
「聞き星」とは、「星座表にあらわられない 浮き世の星であるけれど」だそうです。
カウンセラーの仕事の位置は、まさに、「星座表にあらわられない 浮き世の星」なんでしょうね。
私の理想のカウンセラー像とも重なります。
聞き星 茨木のり子
喋りたいことが いっぱい
聞いてもらいたいことが 綿々と
からみたいことが どうしようもなく
そして ひととき 木に凭(モタ)れたいことが
なぜか聞き役ばかりさせられる
それは聞き星という運命の星
なぜか訴えてばかりいる
それも囀(サエズ)り星といういい気な星
聞き星よ 歎かないで
秘密の話で満杯になったとしても
不機嫌のいがいが出すのはよして
あまり甘くない金平糖ぐらいの星にはなって
星座表にはあらわれない
浮世の星ではあるけれど
よく見ると 屑のダイヤのように
昼も夜もかすかに瞬いているのが