法音カウンセラー 釋 真聴 《日乗》

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里村専精師 浄土真宗へようこそ(No17)

2013年08月27日 23時26分05秒 | 里村専精師の言葉

里村専精師の「浄土真宗にようこそ No17」をお届けします。

浄土真宗にようこそ (017)

龍樹の生きた時代は、仏像の出現した時代でもあります。
南インドの出身ですから、龍樹は肌の色が浅黒かったのかもしれません。
けれども、バラモン出身だと断られていますから、白系インド人だったかもしれません。
ナーガルジュナコンダには、龍樹ゆかりの遺跡があります。
実に堂々としたブッダが、静かに立ってます。
もちろんこのブッダは、龍樹の見たものではないでしょう。
南インドは、豊かな自然に富んでいます。
その気風を受けて、龍樹は伸びやかな思索の持ち主でした。
若いころにちょっと放蕩していたのですが、翻然として出家したと伝えられています。
大乗仏教のサンガが新しい教典を生み出しているころ、龍樹は学びます。
大切な般若の経典群から大部の華厳の経典まで、次第に学んだ龍樹は大変な人でした。
般若中観の大成者として、彼は有名になってゆきます。
あくまでも中道という、ブッダの道を踏襲したものです。
中道とは、苦楽の二辺をはなれているということわりがあります。
苦行によるのではなく、そしてまた楽行という自堕落なものでもないのです。
それはまた、どんな苦行をも超えているしどんな楽行にも溺れない道です。
それは智慧によって開かれ、智慧を磨いてゆくものです。
出家という形は大切にされていましたが、身をいじめる苦行は避けていたのです。
悠然として、龍樹は仏道を学んだのです。
サンガの人として、龍樹の生きた意味があります。
かつてのブッダ時代のサンガは、次第に歴史を形成し歴史を縫うものになったのです。
歴史するサンガは、歴史する仏道のメディアだったのだと考えられます。

 
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