迷い猫

2009年11月10日 | diary
庭で一匹の猫が、トカゲを追いかけていた。
尻尾を切り離し本体が草むらに逃げ込んだ後には、残された尻尾がうねり
猫は、その尻尾を齧るわけでもなく、前足でじゃれていた。

私は、そんな猫が苦手だ。
飼ったことがないので、その可愛さも猫の魅力もあまり分からない。

子供の頃に、隣家のゴローという名の猫に思いっきり引っかかれ、更に庭の糞害で、猫は私にとって嫌な相手だ。
今では猫を見かけるたびに、糞をされないようにと追い払う。
だから庭に入り込んだ猫は、私の存在を感知すると一目散で塀に飛び上がり、そして逃げていく。
最近は、野良猫の姿はほとんど見かけなくなったが。

ところが、その1匹の猫は、私の姿をガラス越しに認めると、逃げもせずにテラスに座り、私をじっと眺め始めた。

            

そこで、はっと気づいた。
先月末に、隣家で1人暮らしをしていた幼馴染が引越して行った。
その彼女は、1匹の猫を飼っていた。
だから引越し先は、動物が飼えるマンションだという。

いつだったか、家の前で2人でお喋りをしていると、2匹の猫が彼女の周りをうろうろしだし、
1匹は見かけない猫なので、彼女に訊けば、首輪の無い猫が家に迷い込み、その迷い猫も飼いはじめたとのこと。
去勢もしてあるそうで、どうやらどこかの飼い猫だったらしい。

私を見ていた猫が、実にその迷い猫に似ているのだ。
特にその背中の縞の感じが。

彼女の引越し先は、同じ市内。
もしや、その猫を探しているのでは?などと思いはじめ、よほど連絡を取ろうかと思ったけれど…
考えた末に、止めた。

猫は家に付くというし、それより、どこか気ままな猫にも思えた。
また、新しい飼い主を探しながら、ふらふらと寅さんのように旅に出ようとしているのかも(笑) 
考えすぎ?

そんなことを考えていたら、猫はひとしきり私の顔を眺めた後に、どこかへ去っていった。

猫の寅さん、また新しい飼い主を見つけるつもりなのかしら?
コメント (2)
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