今日もどんよりとした、真珠色の空で明けました。でも、窓を開けると・・
一歩、庭に降り立つと・・金木犀のいい香りが、プ~ンと漂って来ます。
今年は、お隣さんが、春に金木犀の木をなぜか、
思い切り切られて、がっかりしたものです。
でも、良くしたもので、今度は我家のそれが例年になく、こぼれるように花芽を付け、
嬉しい悲鳴を上げています。その香りにつられたのか・・?
今日は、朝から千客万来。
蝶は言うに及ばず、どこからやって来たのか、白い猫と黒い猫まで・・。
こうなると、花見ならぬ、金木犀の香りを聴く同志みたいなもの・・? なんて。
そして私も例の如く、外でお茶・・という事になりました。
本当に単純です。でも、何て言ったって、天然のアロマですものね。
“・・・台所の大きな窓という窓は、全て花を付けた、
ゼラニウムや、葉に銀色の点々のあるベゴニヤが
咲きこぼれていた。・・・” 【「丘の家のジェーン」 第13章】
私もこの夏、アンやジェーン宜しく、
窓という窓に、ローズゼラニウムを
植え、大きく育てて来ました。
その香りも、薔薇に似て、とても
優しい香りなのですが、今は、この
金木犀に、“してやられたり” です。
今日は私だけの東屋(あずまや)に。
テーブル代わりは、
勿論、大きな壺の上。
私にとってはこの場所が、
一番落ち着くと言っても、
過言ではありません。
丁度、死角になっていて、
どこからも見えませんし、
ちょっぴり、ミス・マープル気分にも
浸れる場所でもあるのです。
そうそう、右の写真の薔薇の絵は、先日買った、珈琲カップと同じ絵柄。
「薔薇のラファエロ」 とも称される、宮廷画家、ピエール=ジョゼフ・
ルドゥーテ の複製画です。マリー・アントワネットにも仕えた画家。
壁に掛けていながら、コメントで、めぐみさんに、その名を言われるまで、
この額の事、いいえ存在すら、すっかり忘れていました。
人間の感覚って、あてになりませんね。
ちょっと陰になっているとは言え、いつもいる場所の丁度、
真正面に掛っていて、毎日視界に入っている筈なのです。
なのに、見ていない、見えていない・・。
そして、同じ画家の絵の付いたカップを性懲りもなく求めてしまう・・。
好きには違いないのですが、どこか・・それだけで、
満足している自分が、いるのかも知れません。