今日は、冒頭の写真のような、
快晴の空で明けました。
それは、昨、夜空からも十分、
予想出来るものでもありました。
言うまでもなく、昨夜は、
“もう一つの名月” とも、
言われる “十三夜”。
十三夜のその月は、
それは、それは美しく・・。
先月の “中秋の名月” も、
大層、美しいものでしたが、私の目には、それ以上に美しく感じられたものです。
空気が澄んでいたせいか、透明感の際立った、お月様でした。
神々しいまでに・・。(写真は今日の黄昏の月)
“十三夜” とは、旧暦9月13日の夜の事。
8月15日の “十五夜” とは対で、この日も月見を楽しむのだそうです。
この両方の月を同じ場所で見ない、又は、どちらか一方の月しか見ない事を
“片見月” と言いますが、両方見ると、良い事があるそうですね。
今年は、両日ともお天気に恵まれましたので、見る事が出来ました。
良い事、ありますかしら・・? きっとありますね。そう、信じる事にします。
「十三夜に曇りなし」 とは、昔から言われているそうですが、
昨夜は、まさにその通りでした。
“夜は幸福な時には美しい ―― 悩みに沈んでいる時は、
慰めである ―― 淋しくて不幸な時は、夜は恐ろしい。
そして今夜の私は、もの凄く淋しい。・・・”
【「エミリーの求めるもの」 第12章】
一日の終わりの夜は、様々な顔を持ちますね。
家族の団欒(だんらん)が、あるかと思えば一方で、人を孤独にもし、物想いに耽ったり・・。
或いは、夜は眠るためだけのもの・・という方も、いらっしゃる事でしょう。
そんな時・・夜空を眺めたら・・。
昨夜の十三夜の月もそうですし、お星様にも、きっと癒やされると思うのです。
いいえ、何も見なくても、夜空を見上げた事で、今の季節特有のヒンヤリした冷気が、
思った以上に心地良かったり・・。それで、いいと思うのです。そんな風に思いますと・・。
昨夜のお月様、本当に沢山の人が、
それぞれの想いを込めて、その空を眺めた事でしょうね。
ところで、樋口一葉 の短編に、同名の小説があります。
この小説の書かれた、明治初期には、既に十三夜の行事は、
あまり行なわれなくなっていたようです。
その風習を、“古き良き時代の一家団欒の象徴” として、描いているからです。
でも、秋の夜のひと時、澄んだ夜空を眺めながらの・・ “心の散歩” も楽しいですね!