
「嫁菜(ヨメナ)」

優しい空になりました。
ただ、この所の快適な
小春日和は、
一転して冬晴れの様相に。
それもその筈、昨日は
「木枯らし1号」 が
吹いたと言いますから。
「木枯らし」 とは、
晩秋から初冬にかけて
吹く、強く冷たい風の事で、“木を枯らしてしまう風” との、
意味とか。「木嵐」 が、変化したのだという説も、あるそうですね。
「木枯らしに吹きあはすめる笛の音を」 ~源帚木
“いかつい 11月 の空の下で港は黒ずみ、
不機嫌に広がっていた。
濡れた枯葉が、じっとりと窓敷居にこびりついていた。
しかし、かの小さな家は炉の火で明るく、
アンの羊歯とゼラニウムのお陰で春のようだった。”
【「アンの夢の家」 第28章】

先程は、道端の落葉が、
風に舞っていたものです。
「アンの家」 のように炉の火が
恋しくなりました。憧れの暖炉。
ところで、冒頭の写真の野の花
「ヨメナ」。
こうして片仮名で書くと、無機質
の、意味を持たない単なる名前・・
と言った感じですね。
しかしながら、漢字で「嫁菜」と
書くと、途端に意味を持ち、親しみ
が湧いて来ます。そして想像力も。
と同時に今更ながら、日本語の
持つ多様さに驚いています。
漢字、平仮名、片仮名、ローマ字。
これだけの文字を自在に操れるなんて、素晴らしいですね。
さて、写真は昨日の黄昏の空です。
夕方から急に寒くなり、もう1枚、上に羽織るセーターを・・と思い、
二階に上がって、ふと見上げた空でした。


“ディーンが指さした雲は、赤ん坊を抱いて青白い輝く空を
飛んでいる天使にそっくりだった。
その頭の所には霞のようなベールがかかり、
淡い一番星がベールを透かして輝いている。
翼の先端は金色に染まり、白い衣には真紅の斑点が
飛んでいた。” 【「エミリーはのぼる」 第4章】