【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

心を纏う衣服

2011-03-24 17:15:17 | 心の宝石箱

【リラの木】



「私達はそれから逃げる訳には行かないのよ ――
 例えお天気の話をしている時でさえもね。
 (中略)
 自分の気持ちのいい床に
 ぬくぬくともぐり込む時は、
 気持ち良くしている事が恥ずかしくなるんです。
 多勢の人がそうしていないのに、
 自分が楽々としているのは悪い気がしますのよ」
                   【「アンの娘リラ」 第11章】 


   今朝は、一面真珠色の空で
    明けました。寒い朝。
     そう言えば・・。

   今日24日は彼岸明けなのですね。
  いつの間にか・・? もう・・?
     3月も残り後、1週間。

     「暑さ寒さも彼岸まで」
    と言いますが、今年ばかりは
   そういう訳には行かないようです。

   それでも着実に春を感じ、芽を膨らませている草花たち。
  “今年こそ花を咲かせてね” と願うリラの木を初め、
  去年よりは相当遅れましたが、蔓日々草もいよいよです。

   一方、“こちらの花は何だったけ?”
  名前を忘れてしまった花も。

   いいえ、何度確かめても
  すぐに忘れてしまう花。

   毎年の事ながら、こんな
  他愛のない事に時間を忘れます。

   こんな時、決まって頭を
  過(よぎ)るのは被災者の方たち。

   それは私だけでなく、
  日本中の、恐らくほとんどの方が
  同じ気持ちでしょう。

   テレビを見ていましても、
  居酒屋を経営されている方までが、
  「お酒を飲んでワイワイ騒ぐ事が申し訳ないような気持ちになる」
  ~なんて仰言っていらっしゃいましたから。

   あれだけの震災ですから、ショックでしたけれど、
  私達までが、いつまでも落ち込んでいては仕方ありませんね。
  それに過剰な自粛は、そろそろ考えた方がいいのでは・・と思います。

   ところで、昨日の夕刊に次のような記事を見つけました。
  私などは全然気付きもしませんでしたが、さすが服飾デザイナーですね。
  綿入れのちゃんちゃんこ、そう言えばありましたね。
  
    


 食べるものも着るものも不十分な避難所で、
 暖房設備もなく寒さに耐えておられる人々に
 北国の人の辛抱強さを見る思いです。

 一方で衝撃を受けた事もありました。
 自宅に留まった人も避難所にいる人も、
 誰も 綿入れ を着ていない。
 暖を取る時はすっぽり毛布を羽織っている。
 都会と同じ軽そうなコートで歩いている。
 20年以上前、生活着を求めて東北を
 歩いた事があります。(中略)

 でも、東北にはまだまだ残っていたのです。
 綿入れ の暖かさ、刺し子 の丈夫さ、
 角巻き の堂々たる美しさなど。
 寒さを防ぐ先人たちの知恵に
 強く惹かれました。(中略)
 
 私達は捨てたのだと思います。
 電気の便利さ、安全性に頼り切った暮らしと
 引き換えに。
            【森 南海子(なみこ)╱ 服飾デザイナー】