【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

一筆の風雅~その2

2011-06-02 16:26:16 | リラのお気楽ユメ日記





「そんな時代だったら、お仕事もしなくていいわね。
ただ家にいて、お花を活けたり、手紙 を書いたり ――
昔の人って、どうして手紙ばっかり
書いてたんでしょう・・・・・
一体誰に書いたんですの?」
「お前は何かと言うと人に電話をかけるけれど、
つまり昔はその代わりに手紙を書いた訳さ」
と、ミス・ブラックロックがぱちりとまたたきして答えた。
「きっとお前なんか、手紙の書き方も
知らないんだろうね、ジュリア」
「『書簡筆法全書』 式の
素晴らしい手紙の書き方は知りませんわ」
                 【A・クリスティー作 「予告殺人」】


   朝の早い時間こそ、雨が残っていましたが、その後、徐々に回復。
  それでも午前中は、なかなかスッキリという訳には参りません。

   午後になりますと、さすがに暗かった室内も明るくなって来ました。
  そんな時、窓辺のレースは光を反射して模様が淡くなり・・。
  
   そして、レースを通した外の景色は、何とも言えない優しさを与えてくれるのです。
  こんな所がレースの好きな一つの理由かも知れません。



   さて雨上がりの緑の匂う昼下がり。空気は澄んでいます。
  いつものように、お気に入りのテーブルを思い切り窓辺に寄せ・・。
  友達に、やっと手紙を書きました。
  
   手作り(手描き)の時計が、チクチクと時間を刻む中、
  これも手書きの文字を・・~なんて。

   こちらの硝子ペンを手にするのは実に久し振り。【前回】 以来です。
  それでも前回は、同じようにインクを付けた筈ですが、
  ついつい文字が太くなったものです。

   不思議なもので、あれから全然ペンは握っていませんのに、
  今回は細い文字で、割とスムーズに書く事が出来ました。
  
   いつの間にか手に、馴染んでいるのですね。
  それに文字を書く時に入る、余計な力も抜けたようです。
  尤も、文字自体は全然気に入りませんけれど。
  
   そして・・「薔薇」、「石鹸」 の文字、辞書を見なければ書けません。
  文字を書かなくなれば、漢字力も後退して行きますものね。反省です。

   それにしても上記の A・クリスティーの文章。
  今でも十分通用しますが、何と 1956年刊行の本。
  50年以上も前の本なのですね。いつも思う事ですが、小説家の偉大さを思います。