【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

そのケーキの名前は “甘美なる死”

2011-06-18 17:57:37 | A・クリスティーの館



ミス・ジェーン・マープル は、
クラドックの想像とたいして違ってはいなかった。
まあ、違っている点と言えば、
ずうっとおとなしそうな婦人だった事と、
年が思っていたよりも老けていた事だ。
実際、高齢と言ってもいいくらいだった。
雪のような白い髪と、しわの寄った桃色の顔、
それに柔和な清浄な瞳、そして、
毛糸を幾重にも身体に絡ませていた。
その毛糸は、まるでケープをまとっているように、
マープルの肩を取り巻いていて、彼女は、それを
子供用のショールを仕立てるために編んでいるのだ。
                 【A・クリスティー作 「予告殺人」】


   「ホ~~ッ、ホケキョッ!」
  今朝の早朝の目覚めは、何と鶯(うぐいす)の啼き声から。
  思わず、枕元の時計に目を遣りましたら・・まだ午前5時前。

   これが、「グー、グー、グー!」 とお世辞にも美しいとは言えない声で啼く
  小鳥ならいざ知らず、美しい鶯の声ですから、やがて2度目の眠りへ・・。



   さて、久し振りとなりました。
  「アガサ・クリスティーの館」 にようこそ! 今日のタイトルは 『予告殺人』
  この処、レース編みの方に時間を取られてしまって、少々、疎かになっていました。
  
   例に洩れず、こちらの本も少しだけ残して、長い事そのままに。
  やっと読み終えたという訳です。と言っても、引用文として始終登場していますけれど。

   再三申していますが、『アンの世界』『クリスティーの世界』
  あまりにも共通点が多くて。私の中では既に一つの世界となっています。

   ところで、この小説、又々、ミス・マープル物です。ミス・マープル、大好き。
  特に最近は、ミス・マープル、オンリーと言っても過言ではありません。

   ミス・マープルの人となりは、上記の描写によく表れていますね。
  愛すべき典型的なイギリスの老嬢のようです。
  アラ・・!? この 「老嬢」 も実に古風な言葉ですね。でも素敵!

   話が逸れました。物語は、新聞に殺人予告が載った事から始まります。
  「殺人、お知らせ申し上げます」  
  こんな広告が新聞の紙面を飾りましたら、誰だって、びっくりしますね。

   そして、今回も大どんでん返し。
  しかも私は、犯人の名前をまたもや当ててしまいました。これで2連勝。

   ミス・マープルのように、その謎を上手く解明出来ませんが、
  勘だけは養われて来たようです。相変わらずのトリックの巧みさ。脱帽です。


【A・クリスティー作 「予告殺人」 】


   ところでA・クリスティーと言えば、言わずと知れた料理&お茶。
  今回も事件の重要な伏線となります。そんなこんなで・・。
  私も紅茶とサンドウィッチを用意。(冒頭の写真)

   でも、美味しいスペシャルケーキの名前が、
  「甘美なる死」 というものでしたら・・お召し上がりになりますか・・?