ミス・ジェーン・マープル は、 クラドックの想像とたいして違ってはいなかった。 まあ、違っている点と言えば、 ずうっとおとなしそうな婦人だった事と、 年が思っていたよりも老けていた事だ。 実際、高齢と言ってもいいくらいだった。 雪のような白い髪と、皺の寄った桃色の顔、 それに柔和な清浄な瞳、そして、 毛糸を幾重にも身体に絡ませていた。 その毛糸は、まるでケープを纏っているように、 マープルの肩を取り巻いていて、彼女は、それを 子供用のショールを仕立てるために編んでいるのだ。 【A・クリスティー作 「予告殺人」】 |
「ホ~~ッ、ホケキョッ!」
今朝の早朝の目覚めは、何と鶯(うぐいす)の啼き声から。
思わず、枕元の時計に目を遣りましたら・・まだ午前5時前。
これが、「グー、グー、グー!」 とお世辞にも美しいとは言えない声で啼く
小鳥ならいざ知らず、美しい鶯の声ですから、やがて2度目の眠りへ・・。
さて、久し振りとなりました。
「アガサ・クリスティーの館」 にようこそ! 今日のタイトルは 『予告殺人』。
この処、レース編みの方に時間を取られてしまって、少々、疎かになっていました。
例に洩れず、こちらの本も少しだけ残して、長い事そのままに。
やっと読み終えたという訳です。と言っても、引用文として始終登場していますけれど。
再三申していますが、『アンの世界』 と 『クリスティーの世界』、
あまりにも共通点が多くて。私の中では既に一つの世界となっています。
ところで、この小説、又々、ミス・マープル物です。ミス・マープル、大好き。
特に最近は、ミス・マープル、オンリーと言っても過言ではありません。
ミス・マープルの人となりは、上記の描写によく表れていますね。
愛すべき典型的なイギリスの老嬢のようです。
アラ・・!? この 「老嬢」 も実に古風な言葉ですね。でも素敵!
話が逸れました。物語は、新聞に殺人予告が載った事から始まります。
「殺人、お知らせ申し上げます」
こんな広告が新聞の紙面を飾りましたら、誰だって、びっくりしますね。
そして、今回も大どんでん返し。
しかも私は、犯人の名前をまたもや当ててしまいました。これで2連勝。
ミス・マープルのように、その謎を上手く解明出来ませんが、
勘だけは養われて来たようです。相変わらずのトリックの巧みさ。脱帽です。
【A・クリスティー作 「予告殺人」 】
ところでA・クリスティーと言えば、言わずと知れた料理&お茶。
今回も事件の重要な伏線となります。そんなこんなで・・。
私も紅茶とサンドウィッチを用意。(冒頭の写真)
でも、美味しいスペシャルケーキの名前が、
「甘美なる死」 というものでしたら・・お召し上がりになりますか・・?