【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

煌めきの言の葉

2008-10-21 17:17:18 | 心の宝石箱


   今日は又、写真のような
  雲一つない空で明けました。

   それは、
  ちょっぴり霞んでもいて・・。

   この季節になりますと、
  太陽も移動し、夏の間は、
  南のベランダからは、
  写真に撮れなかった朝日も、
  撮れるようになって来ました。

   そして今日も暖かい天気に。
  そのせいか、朝から蝶が、
  次から次へ・・。まるで、季節を間違えたかのように・・。

   「今は、秋なのよ・・」 なんて、言ってみても、始まりませんね。
  知らない筈は、ありませんもの。



   ところで最近、私は、よく探し物をします。
  それは、珈琲カップだったり、積ん読(つんどく)で溜まった、本だったり。

   ある事から、つい最近まで 『海の上のピアニスト』 と、
  『タイタニック』 のCD を、繰り返し聴いていました。 そうなりますと・・・

   映画のパンフレットをもう一度、見てみたくなります。
  『海の上のピアニスト』 は、ちゃんとありましたが、
  『タイタニック』 は、見つかりません。求めた記憶はあるのですが・・。

   探し物をしている時って、本来の物とは違う、思わぬ物を見つけてしまい、
  その目的をすっかり忘れ、懐かしさと、ある種の新鮮さに、夢中になってしまう・・。

   そんな事って、ありますね。今回が、そうでした。その本と言うのが・・。
   上の写真、「暮らしの手帖版」 の 『すてきなあなたに』 と、いう本です。

   これは、1月から12月まで、月ごとの章に分かれ、素敵な出来事や思い、
  季節の料理の事などが、美しい言葉で綴られています。

   どんな事が書かれているかと申しますと・・例えば、こんな風に・・。
  「真珠とひき蛙」 と題しての項では・・・

   “小さい時、寝物語に母がよく、こんな事を話してくれました。
  「綺麗な言葉は真珠に変わり、
  嫌な言葉は蛇やひき蛙に変わりますよ。」
  私は、母の真珠の指輪を見ては、こんな綺麗なものが、
  唇からポロポロこぼれたら、どんなに素敵だろうと思いました。・・・”


   こんな文章を、ゆっくり音読(声に出して)します。
  私は元来、斜め読みの傾向がありますが、この音読でしたら、
  絶対に読み飛ばす事は、ありません。

   まるで自分が、アナウンサーになった気分で、ゆっくり読み上げます。
  美しい文章と言葉が、じんわり胸に染み込んで来て、幸せな気分になれます。
  皆様も一度、お試しになって、ご覧になりませんか・・?

郷愁のかほり

2008-10-20 17:17:17 | 路傍の花~道草


   朝方は薄らと雲が、かかっていましたが、
  今日も快晴の空となりました。

   現金なもので、ここの所、暖かいので
  つい季節を忘れてしまいそうですが、後、
  10日もすれば11月なのですね。

   時の移ろいの早さと、
  自分の実態が、なかなか伴わなくて・・
  置いてきぼりをくいそうです。

   そうそう昨夜、休む前に眺めた夜空・・
  月明かりに照らされたその空は・・。
  一面の鯖雲。

   夜空のそれは、幻想的と言うより、
  ちょっと無気味で・・。
  あまり気持ちの良いものではありませんね。

   ところで、つい先日、我街は“とかいなか” なんて、記しましたが、
  本当にその通りだと、妙な事に感心しています。

   距離的には、我家から程近いのに、一歩、脇道に逸れると、
  とんでもない所に出たり・・。

   それならまだいいのですが、急に山道になり、おまけにトンネルなんてあると、
  まだ日は高くても、急に心細くなったり。

   「何て、ロマンティックな古めかしい径でしょう。」
  「まるで魔法の森を歩いているようだわ。
  又、元の世界へ戻れると思って、ダイアナ? 
  もうじき、魔法にかけられたお姫様のいるお城に出ることよ。」

                                       【「アンの青春」 第21章】

   元々、山だった所を開発した
  訳ですから当然と言えば、
  当然なのですが、
  取り残されている所もあるのです。

   でも、トンネルの向こうには、
  渡る気がしません。

   トンネルって、渡った先に
  何が・・? って、
  どうしても考えてしまいますね。

   結局、引き返したのですが、
  (やはり一人では怖いです) でも、
  その一角だけは、ひなびた郷愁のある、田舎の面影が存在しているのです。

   そして、そこには、野の花も一杯! 
  ほとんどが、普段見慣れている花ですが、
  中には珍しいものも・・。

   でも、そんな事をしている間にも・・
  どなたにも会いません。
  尤も、会えば会ったで、ドキッ! ですね。

   そうこうしているうちに・・。
  いつもの径へ。見慣れた景色・・。

   やはり、ほっとしている私がいます。
  何だかんだ言っても、緊張していたの
  ですね。

   でも、家から近くても、非日常な世界が、
  まだまだ広がっている事が分かり、やけに
  嬉しくなります。

   そうそう、右上の写真は、市の立札が掛かっている古木です。
  もう少しすると、この辺りは、落葉で一杯になるのですが、
  しっかり共存して生活していらっしゃるようです。

   いつかどこかで出会ったような、懐かしいシーンと、甘く切ない時間。
  そんな中に自分を置く事が出来、小さな小さな冒険? を楽しむ事が出来ました。

   ちょっと物足りないような気もしないではありませんが、
  この位で終える方が、丁度、いいのかも知れませんね。

過去に佇む家

2008-10-19 17:51:56 | レトロ(素敵)な空間~散策


   今日も、昨日とほぼ同じ空になりました。
  相変わらず、見渡す限り、
  雲一つありません。
  そして、どこまでも青く、穏やかな空・・。

   今日も野暮用で出掛けて来ました。
  そそくさと用事を済ませると、私は、
  いつものように探検? です。

   アンのように、
  森の中を行く訳ではありませんが、
  それでも容易に異次元の世界へ・・? 
  入り込む事が出来るのが不思議です。

   こんな時、自転車は便利ですね。
  勿論、車より行動半径は、劣りますが、
  徒歩よりは、うんと遠くに行けますし、
  気に入った場所があると、
  そこに止めれば、自分だけの空間。

   そう言えば、暮らしの手帖版の 『すてきなあなたに』 という本には・・。
  「秋は自転車に乗って」 と題して・・

   “自転車に乗った時の爽快さ。
  あんな気分は、自転車に乗った時だけだと思います。
  一人で自分の好きな所に、風を切って走って行く・・”

 
   ~なんて、ありましたっけ。少なくとも自転車は、風を感じられるのがいいですね。
  本当に、今の季節は自転車には、最高です。



   「あたしは古い、空き屋を見ると、たまらなく悲しくなるのよ。」
  「過ぎ去った昔の事を考え、楽しかった時代が帰って来ないのを
  悲しんでいるような気がするのよ。・・・
   ずっと以前は、あの古い家で、
  大勢の人達が大きくなったのですってね。
  そして、美しい庭もあるし・・・本当に、綺麗だったんですってね。
  小さな子供達の足音や、笑い声や歌が、家中に溢れていたのに、
  今はがらんとして、風が迷い子のように、
  吹き込んで来るだけなんだわ。
   どんなにあの家は、寂しい悲しい気持ちでしょうね。
  多分、みんな月夜の晩には戻って来るのよ。・・・」
          
                                           【「アンの青春」 第2章】

   私も上記のような描写と
  同様の家に、出会って
  しまいました。

   この写真の左側には、
  冒頭の写真の、
  「紫苑」らしき花? が、
  咲いています。

   かなり広大な敷地。
  駅からは幾分、遠いとは
  言え、人里離れた山の
  中では、ありません。

   昔ながらの住宅街の中の一画。
  すぐ側では、日常の生活が淡々と営まれているのに、ここだけは、
  まるで時間が止まってしまったかのような異空間。

   アンの言うように、かつてはここでも、笑い声が聞こえて来た事があった・・
  なんて思うと、たまらなくなります。当然ですが、人が住むからこその家なのですね。

路地の秋

2008-10-18 18:03:48 | 路傍の花~道草




   今朝のこの空が示しますように、
  今日は雲一つない秋晴れと、
  なりました。

   やはりと言いますか・・
  日中は、今日も汗ばむ陽気に。

   そうそう、この季節は、
  本当に月が綺麗ですね。

   昨夜は、十七夜の月でしたので、
  立待月たちまちづき
 
   今宵は、十八夜で居待月いまちづき。座って待ちます。そして、その次が寝待月ねまちづき
  文字通り、寝ながら待ちます。最後が、更待月ふけまちづき。夜も更けて出て来るからとの事。

   欠け行く月に対する人々の想い・・。
  それは、季節の移ろいにも感じますし、
  人生の黄昏にも通じるものもあり・・。

   人々のそれは、月に託してその想いを
  表わしたのかも知れませんね。

   さて、そんな空の下(もと)、
  今日も外出となりました。

   見渡す限り、どこにも雲は、ありません。
  一昨日と同じですね。

   その吸い込まれそうな青い空は、
  自転車に乗っていると、ついつい空を
  見上げてしまい、そこに向かって漕いで
  いるような錯覚を覚えるものです。

   そして私は、今日も道草。
  いつもの道とは、大分外れてしまいました。

   「この道を探検してみましょうよ。」
  “二人が再び歩き始めた時、古い柵の間を走る、
  秋の麒麟草 が、一杯咲いている街道を見てアンが言い出した。”
  「かまうものですか。この道を行ってみましょうよ。
  あたしは元々横道が大好きなの。」
          【「アンの幸福 第2年目】

    アンさながら、私も横道に
   逸れてみる事にしました。

    たっぷり取った敷地に柿の木は、
   ここでは当たり前のように。

    ただ、左の写真のような大きな
   大きな、公孫樹(いちょう)の木には、
   びっくり!!

    樹齢何百年・・? と、
   思われるほどのそれが、
   一般のお宅の庭にあるのですから・・。

   公孫樹は、植えても銀杏(ぎんなん)が実るのは、孫の代になってからだそうです。
  そんな木を大切に育てていらっしゃる事には、頭が下がります。
  そして、植物のスケールの大きさには、これも驚かされます。

いにしへの時への誘(いざな)い

2008-10-17 18:00:55 | レトロ(素敵)な空間~散策


   昨日の抜けるような青空では、
  ありませんでしたが、今日も概ね晴れの
  天気になりました。ただ、雲は多め。

   朝の気温は、昨日より少々高めです。
  日中は、動くと汗ばむ陽気。

   それにしても・・もう週末なのですね。
  つい昨日、連休が明けた気がしますのに・・。

   ~なんて、こんな事ばかり言っていても、
  何も始まりませんね。
  ましてや記す事も、ほとんど同じでは・・。

   そんな空の下(もと)、
  今日も出掛けて来ました。

   つい先日は、咽(むせ)る程の芳香を放って
  いた金木犀は、もう全くと言っていい程、
  その香りを失しています。

   季節の移ろいを感じます。
  いつの間にか後、半月もすれば、11月ですものね。

   次に待ち遠しいのは、紅葉でしょうか・・。
  こちらは、周りを見渡す限り、まだまだのようですが・・。





   今日も帰りは、廻り道。
  ちょっと路地に入ると、
  そこは、昭和の世界。

   庭には、必ず柿の木が、
  植えられ、ススキさえも・・。
  
   (上から2枚目の写真は、
  2m位背丈があります)

   写真のような昔懐かしい
  焦げ茶色の木塀と、漆喰の壁。

   中には、重要文化財に
  指定されている家も、あるようです。こんな道は、なぜか心が落ち着きます。

   「このドーリッシュ街道は、どこに行くのかしら。」
  「・・・これがどこへ行こうが、どこへ出ようが、誰が構うものですか? 
  世界の果てまで行って、又戻って来るのかも知れない事よ、
  たぶん。・・・」
                          【「アンの幸福」 第2年目】

   廻り道など道草は、いつもワクワクドキドキです。
  レトロな建物を見つけたり、道端に野の花を見つけたり・・。
  「想像の余地」 が、たっぷりです。

秋の日のほっとタイム

2008-10-16 17:17:17 | 趣味の器(壺)~その他


   昨日に引き続き、今日も快晴の空と
  なりました。いいえ、昨日以上です。

   右を見ても左を見ても、前も後ろも・・
  360度、何もありませんもの。
  青 ― 青 ― 青の世界です。

   “・・・晴れ渡った空を背景に彼方の
  丘が美しい紫色に変わった。・・・
  牧場も森も、真珠のような微かな
  輝きを帯びて美しい”

   「夜明けの僅か数分の間、
  世界はいつも若返るのだわ。」
  
                                【「エミリーはのぼる」 第13章】

   そうそう、昨夜の満月の美しかったこと! 
  こんなに、お月様が美しいなんて思った事が、かつてあったでしょうか・・。
  どちらかと言いますと、お月様は苦手でしたのに。変われば、変わるものですね。

   ところで、庭の金木犀、とうとう花は、僅か数えるほど・・。
  それでも雨の降った一昨日は、半分位はあり、昨日は1割位に。

   今朝は、そんな姿を目の当たりにして、本当にがっかりしたものです。
  全てなくなるのも、時間の問題。花は、雨が降ったら散るって、本当なんですね。
  何と儚い命なのでしょう。でも、儚いからこそ・・美しいのかも知れませんね。



   さて、今日のような秋晴れの空・・と
  なりますと、私だけの東屋(あずまや)
  直行も、仕方ありませんね。

   こんな日は、土物のカップで・・と
  思っていましたが、庭のハーブが
  思いの外、伸びていましたので急遽、
  ハーブティーを頂く事に。

   となると、硝子のカップ!
  先日、探し物をした時、取り出して
  置いたカップがあった筈です。

   それにしても、しまい込んで
  忘れているカップの多いこと!
  カップだけの収納棚が欲しい・・なんて、痛切に思う昨今です。

   カップは、パステル調の優しいハーブの絵柄。
  このカップがあるという事は・・お揃いの硝子ポットも、ある筈なのですが・・?
  見失っています。何だか、最近こんな事ばかり。

   そんなこんなで、ミス・マーブルよろしく、レース編みでもしながら、
  マーブル気分に浸ろうと思ったりしたのですが・・。
  今日は、何も収穫? なし。

   そして、水引草が今盛りです。写真の物(水引草)は、ドライフラワーにしてみました。
  上から備前焼(2枚目の写真)と信楽焼(3枚目の写真)の花瓶に。
  少々、見えにくいですが・・。

風と樹と青空と・・

2008-10-15 15:55:55 | 路傍の花~道草


   今朝は、写真のような、何とも
  優しい、菫色の空で明けました。

   ほんのり、ピンクに染まった雲。
  こんな空も、久し振りです。

   その後、雲一つない青空に
  変わって行った事は、
  想像に難くありませんね。

   そうそう昨日は、一日中雨でしたが
 (と言っても午後には降ったりやんだり) 
  夜には、その雨もやみ、
  お月様を眺める事が出来ました。

   雲間から顔を出したお月様の美しいこと! 思わず、声を上げてしまった程です。
  そう言えば、今日は満月ですね。

   “丸い月が上った。
  月をよぎって飛んで行ったのは、ほうきに乗り、
  山高の帽子をかぶった魔女であろうか。
  いや、それは、こうもりとさくの側のつが尖端せんたんに過ぎなかった。・・・”

                                   【「エミリーはのぼる」 第12章】

   古今東西、太古の昔から月ほど、
  「想像の余地」 のあるものは、ありませんものね。



   話が前後しました。
  今日のような空に出会えば・・。

   青空に誘われて、ご近所でもいい
  ですから、ふらっと散歩に・・と、
  いった気分にも、なるというものです。

   そこら辺・・でしたら、バッグは、
  小さめでもいいですね。せいぜい、
  家の鍵と、小銭入れが入る程度の。

   という事で、普段は、ほとんど
  使わない、(使えない)
  小さな光り物のバッグの登場です。

   良かったですね。
  日の目を見る事が出来まして・・。

   アン風に言えば、“優雅なお散歩? に
  持ちたいバッグ” とでもなるのでしょうか。
  と言いながら、前述の物に、カメラを入れると、それだけで、もうパンパンです。

   ところで、住宅地を通り抜けて、大きな道路に出た所に植えられていた、
  樫(かし)の木の大木。そこには、毎年椎(しい)の実が沢山落ちていて・・。

   友人とも、「山になど行かなくても、ここに来ればいいわね。」 なんて、
  話していたものです。それがバッサリ!! 嘆いた事、しきりです。

   折しも、ヘッセの詩集の中に、同名の詩を見つけました。
  尤も、こちらは、すこぶる哲学的なのですが・・。以下に記します。

   

             短く切られたかしの木

   樫の木よ、お前はなんと切り詰められたことよ!
   なんとお前は異様に奇妙に立っていることよ!
   お前はなんと度々苦しめられたことだろう!
   とうとうお前の中にあるものは反抗と意志だけになった。
   私もお前と同じように、切り詰められ、
   悩まされても、生活と絶縁せず、
   毎日、むごい仕打ちを散々なめながらも、
   光に向って額を上げるのだ。
   私の中にあった優しいもの柔らかいものを
   世間があざけって息の根を止めてしまった。
   だが、私というものは金剛不壊ふえだ。
   私は満足し、和解し、
   根気よく新しい葉を枝から出す。
   幾度引き裂かれても。
   そして、どんな悲しみにも逆らい、
   私は狂った世間を愛し続ける。

                                  ヘッセ : 高橋 健二訳

心の雨宿り

2008-10-14 16:16:16 | ハーブと香り雑学


   週明けの今日は、ここ最近の雨には珍しく、存在感のある雨音で目覚めました。
  でもそれも、いつしか、いつもの優しい霧雨に・・。冷たい雨になりました。
  色々な雨があって、興味深く思います。

   ところで、気になるのは金木犀の事。
  先日の雨では、まだまだ花は残っていましたが、今の所、
  半分位と言った所でしょうか。いいえ、それ以上散ったかも知れません。

   それでも昨日など、一時ほどの薫り立つ感じは、
  ありませんでしたから、もう時間の問題ですね。
  本当に花とは・・儚いものです。

   儚いと言えば、丁度今の季節の黄昏の景色が、そうですね。
  そして、その後の静寂のひと時も、何物にも変え難いものかも知れません。
  刹那の刻(とき)を、痛切に思います。

   “日は沈んだばかりである。・・・・・
  向こうの白く輝く、丘の上には早くも星がまたたいている。
   右手の古いもみの黒ずんだ幹の間から水晶のような
  夕方の空気を通し、遥か彼方かなたに大きな、丸い満月が上がった。”
 
                                       【「エミリーはのぼる」 第9章】

   こちらの 『アンの世界』 の描写は、季節的には、もう少し先になりますが、
  昨夕の光景が、まさにこんな感じでした。
  
   秋の夜の帳(とばり)は、静かに優しく・・・
  しかし、素早く降りて来ます。



   さて、今日のような雨の日は、ほっと心の寛ぐひと時が、欲しいですね。
  これまで、蝋燭の灯り、ランプの灯り・・と来ましたので、今日は仄かに香るポプリを。

   偶に瓶の蓋(ふた)を開けて楽しむのも良し、勿論、そのままで、
  玄関先などに置いて楽しむのも良し・・なのです。

   湿気を気になさる方もいらっしゃると思いますが、
  これから空気の乾燥する冬場は、まず大丈夫です。
  もし、湿気を帯び、カビが生えて・・なんて事になれば、捨てればいいだけの事ですもの。

   写真のハイビスカスの花びらも薔薇のそれも、今年採れたものです。
  (奥左からハイビスカス、薔薇、ペラルゴニウム、ラベンダー)

   驚いた事に、乾燥したハイビスカスには、僅かですが、香りがあるのですね。
  これ位の量になると、かなり香ります。

   香りが逃げれば、好きな香りで香り付けするつもりですが、
  目だけでも十分、花の鮮やかさを楽しめます。ここには、春から夏、夏から秋へと・・・
  一年間の思い出も、ぎっしりです。

   お気に入りの硝子の瓶と、花びらがありましたら・・。
  こんな風に、雨の日のポプリ遊びも、楽しいですよ。

秋桜揺れる季節

2008-10-13 16:55:28 | 路傍の花~道草


    今日も昨日と、ほぼ同じような
   朝を迎えました。それにしても・・。

    起床時間は同じなのに、
   既にカンカン照りだった、
   あの夏の日・・。

    ついこの前のような気がするのに、
   随分前のような気もして・・。

    今では、すっかり
   日の出も遅くなりました。

    そして、お月様。
   昨夜も、その美しさに変わりありません。そして・・。
   こちらにも、何度か記しましたが、お月様を眺めながら休むという幸運も・・。


   一昨夜は、それは、まだ頭上でしたのに、
  昨夜は少し斜めになり、その幸運に与る
  事が出来たという訳です。そう言えば・・

   アンエミリー は、月ですが、
  ジェーン は星を崇拝していますね。
  (今日も、父親からジェーンへの言葉)
 
   「・・・星の事を知らなければ
  ダメだ。星の事を知らないからと
  言って、責める訳ではないよ。
   灯火の煌々と輝く大都会の
  人間は、星から締め出されているからね。
  田舎の人達にでさえ、あまりに慣れ過ぎているために
  星の素晴らしさが分からないのだ。・・・」

                                     【「丘の家のジェーン」 第34章】

   青 ― 青 ― 青、そんな美しい
  空に誘われるように、
  今日も寄り道です。

   道端には秋桜が咲き乱れ、
  名も知らぬ花も。

   秋風に、そよそよと揺れるさまは、
  何とも言えない風情がありますね。

   「・・・今日のような日には、
  人は生きているという感じ
  を味わい、世界のあらゆる
  風が自分の姉妹だという気が
  するわ。
  この街道には羊歯の茂みが沢山あって嬉しいこと ――
  蜘蛛の巣のかかった羊歯が。
  蜘蛛の巣が妖精のテーブル掛けだというふりをしていた頃の事が、
  いえ、そう信じていた頃の事が思い出されるわ ――・・・」

                                         【「アンの幸福」 第2年目】

   我街の会報を読んでいましたら、ここは、「とかいなか」 なんだそうです。
  都会と田舎が、混在している・・。言い得て妙ですね。

もう一つの名月

2008-10-12 18:40:32 | 四季のスケッチ


    今日は、冒頭の写真のような、
   快晴の空で明けました。

    それは、昨、夜空からも十分、
   予想出来るものでもありました。

    言うまでもなく、昨夜は、
   “もう一つの名月” とも、
   言われる “十三夜”。

    十三夜のその月は、
   それは、それは美しく・・。

    先月の “中秋の名月” も、
   大層、美しいものでしたが、私の目には、それ以上に美しく感じられたものです。

   空気が澄んでいたせいか、透明感の際立った、お月様でした。
  神々しいまでに・・。(写真は今日の黄昏の月)

   “十三夜” とは、旧暦9月13日の夜の事。
  8月15日の “十五夜” とは対で、この日も月見を楽しむのだそうです。

   この両方の月を同じ場所で見ない、又は、どちらか一方の月しか見ない事を
  “片見月” と言いますが、両方見ると、良い事があるそうですね。

   今年は、両日ともお天気に恵まれましたので、見る事が出来ました。
  良い事、ありますかしら・・? きっとありますね。そう、信じる事にします。

   「十三夜に曇りなし」 とは、昔から言われているそうですが、
  昨夜は、まさにその通りでした。

   “夜は幸福な時には美しい ―― 悩みに沈んでいる時は、
  慰めである ―― 淋しくて不幸な時は、夜は恐ろしい。
  そして今夜の私は、もの凄く淋しい。・・・”

                             【「エミリーの求めるもの」 第12章】

   一日の終わりの夜は、様々な顔を持ちますね。
  家族の団欒(だんらん)が、あるかと思えば一方で、人を孤独にもし、物想いに耽ったり・・。
  或いは、夜は眠るためだけのもの・・という方も、いらっしゃる事でしょう。

   そんな時・・夜空を眺めたら・・。
  昨夜の十三夜の月もそうですし、お星様にも、きっと癒やされると思うのです。

   いいえ、何も見なくても、夜空を見上げた事で、今の季節特有のヒンヤリした冷気が、
  思った以上に心地良かったり・・。それで、いいと思うのです。そんな風に思いますと・・。

   昨夜のお月様、本当に沢山の人が、
  それぞれの想いを込めて、その空を眺めた事でしょうね。

   ところで、樋口一葉 の短編に、同名の小説があります。
  この小説の書かれた、明治初期には、既に十三夜の行事は、
  あまり行なわれなくなっていたようです。

   その風習を、“古き良き時代の一家団欒の象徴” として、描いているからです。
  でも、秋の夜のひと時、澄んだ夜空を眺めながらの・・ “心の散歩” も楽しいですね!