【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

リンド夫人の独り言

2011-06-20 16:16:56 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編



バンコックは雨季だった。
空気はいつも軽い雨滴を含んでいた。
強い日射しの中にも、しばしば雨滴が舞っていた。
しかし空のどこかには必ず青空が覗かれ、
雲はともすると日の周りに厚く、
雲の外周の空は燦爛さんらんと輝いていた。
駿雨の来る前の空の
深い予兆に満ちた灰黒色は凄かった。
その暗示をはらんだ黒は、
一面の緑のところどころに
椰子の木を点綴てんてつした低い町並みを覆うた。
           【三島由紀夫作 『豊饒の海 「暁の寺」Ⅲ』】




   朝から雨の鬱陶(うっとう)しい天気が続いています。
  これまでの処、今年は長続きしない雨で助かっていましたが、
  今回は、ちょっと長く、今日から4日間雨とか。

   湿度が高いのは困りますが、でも大丈夫。
  家の中でしっかり楽しむ事にしますから。
  ただ、午後になってからは重苦しい空ながら、雨は降っていません。

   さて、今日の引用文。随分、放っていましたね。
  三島由紀夫作 『豊饒の海』 第3巻、「暁の寺」 の冒頭部分です。

   この作品、1巻完結だったものですから、
  2巻まで読んだ所でついつい。久し振りに手に取りましたら・・。

   三島文学の独特の洗練された筆致と流麗さに触れ、
  何だか懐かしいような気持ちを抱いたりして、柄にもなく感慨に耽っています。
  昨年の9月以来ですから、かれこれ 【9か月振り】 となりました。

   それにしても上記の描写。
  丁度去年の今頃訪れた、石垣島の空を思い出したり。

     石垣島も雨が降っても青空が覗き、
    一過性のその雨は、どこか異国の雰囲気でしたっけ。
    とは言ってもこちらの本、
    まだ読み始めたばかりですので、感想など書けません。
  
     となりますと・・1週間振りですね。
    『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 の開店と致しましょう。

   我家では窓際に小さな
  テーブルを数個置いています。

   狭い家ですが、
  “今日はどこでお茶しましょう・・?”
  こんな些細な事も、気分転換に。

   今日は、その中の1番大きな
  テーブル、そう、リラ版
  「リンド夫人のテーブル」 で。

   幸い、「実家に帰っていたから・・」
  と、お隣から頂いた花びらを載せた
  ロマンティックなクッキーもあります。
  
   (ご実家は妙高高原だそうです)
  頂いた、「公園通りの花クッキー」(名前も素敵)は、大層美味なのです。

   何でもこのクッキーは、妙高山麓で育てられた、
  “コシヒカリ” を粉にして、小麦粉と混ぜて作ったクッキーとか。

   ザクッとした独特の歯触りが特徴です。
  実は私、こんな “歯触り”、格別に好きなのです。

   ミード夫人 はドーナツを1箱に、パンの塊を3個、
  クローバーの葉 の模様が付いている丸いバターの塊、
  クリームを1瓶、乾し葡萄入りのパイ、干鱈ひだら3本などをくれ、・・・・・”

                                  【「丘の家のジェーン」 16.】

   お隣の奥様は ミード夫人 よろしく、クッキーばかりでなく、
  かなざわ総本舗の 「出陣餅」 に、「水羊羹」、「ちまき」 等本当に沢山・・。

   今日は、リンド夫人ですから勿論、カントリーで。
  カップは絵柄こそ違いますが、【以前】、登場したものと同じシリーズです。
  優しいパステル調の絵柄に心もほっと寛げます。        

胡蝶の舞い~半夏生

2011-06-19 15:27:22 | 四季のスケッチ



「ほとんどあたしが想像していた通りよ。
窓には 吸葛すいかずら は一つもないけれど、
門の側には本当に ライラックの木 があるわ。
そして、――
そうだわ、窓には モスリン
カーテンが掛かっていてよ。
家が今でも黄色に塗ってあって、
何て嬉しいんでしょう。
                【「アンの愛情」 第21章】


   昨日から目まぐるしく変わる、
  梅雨空と天気予報に一喜一憂
  したものです。
  
   それと言いますのも、
  今日は自治会を挙げての大掃除。

   今にも降りそうな空ながら、
  何とか耐えてくれました。
  
   来週に引き延ばされるのは
  適いませんから。
  
   ~なんて思っていましたら・・
  午後から薄日も射しているでは
  ありませんか・・。

   「お久し振り~!」
  「朝早く出て夜遅いから・・」

   こんな時、近くに住んでいながら、
  滅多に顔を合わす事のなくなった
  知人との会話に花が咲きます。

   又、公園からの帰り道では、今度はアン好きの友達と。
  「ゴーヤを植えたのね~」 
  
   「本当は 『吸葛(スイカズラ)』 の方がいいんだけれど・・」
  「同感!」 ~なんて大笑い。
  
   それから主語抜き会話をひとしきり楽しんで別れたものです。
  1年に1回の、少々気の重い行事も、ある意味必要な事なのかも知れません。



 
【まるで薔薇のような 「花菖蒲」】

   さて、我家の庭にもいつの間にか白い胡蝶が舞い始めました。
  (ドクダミもそうですが)何と言っても 「半夏生(ハンゲショウ)」 ですね。
  胡蝶ならぬ、本物の紋白蝶も飛んでいますが、写真には治まってくれません。

   一方、まるで薔薇のような 「花菖蒲」 も開花。蕾だったものが見る見る間に。
  「嬉しい知らせ」、「優しい心」、花言葉も素敵ですね。

そのケーキの名前は “甘美なる死”

2011-06-18 17:57:37 | A・クリスティーの館



ミス・ジェーン・マープル は、
クラドックの想像とたいして違ってはいなかった。
まあ、違っている点と言えば、
ずうっとおとなしそうな婦人だった事と、
年が思っていたよりも老けていた事だ。
実際、高齢と言ってもいいくらいだった。
雪のような白い髪と、しわの寄った桃色の顔、
それに柔和な清浄な瞳、そして、
毛糸を幾重にも身体に絡ませていた。
その毛糸は、まるでケープをまとっているように、
マープルの肩を取り巻いていて、彼女は、それを
子供用のショールを仕立てるために編んでいるのだ。
                 【A・クリスティー作 「予告殺人」】


   「ホ~~ッ、ホケキョッ!」
  今朝の早朝の目覚めは、何と鶯(うぐいす)の啼き声から。
  思わず、枕元の時計に目を遣りましたら・・まだ午前5時前。

   これが、「グー、グー、グー!」 とお世辞にも美しいとは言えない声で啼く
  小鳥ならいざ知らず、美しい鶯の声ですから、やがて2度目の眠りへ・・。



   さて、久し振りとなりました。
  「アガサ・クリスティーの館」 にようこそ! 今日のタイトルは 『予告殺人』
  この処、レース編みの方に時間を取られてしまって、少々、疎かになっていました。
  
   例に洩れず、こちらの本も少しだけ残して、長い事そのままに。
  やっと読み終えたという訳です。と言っても、引用文として始終登場していますけれど。

   再三申していますが、『アンの世界』『クリスティーの世界』
  あまりにも共通点が多くて。私の中では既に一つの世界となっています。

   ところで、この小説、又々、ミス・マープル物です。ミス・マープル、大好き。
  特に最近は、ミス・マープル、オンリーと言っても過言ではありません。

   ミス・マープルの人となりは、上記の描写によく表れていますね。
  愛すべき典型的なイギリスの老嬢のようです。
  アラ・・!? この 「老嬢」 も実に古風な言葉ですね。でも素敵!

   話が逸れました。物語は、新聞に殺人予告が載った事から始まります。
  「殺人、お知らせ申し上げます」  
  こんな広告が新聞の紙面を飾りましたら、誰だって、びっくりしますね。

   そして、今回も大どんでん返し。
  しかも私は、犯人の名前をまたもや当ててしまいました。これで2連勝。

   ミス・マープルのように、その謎を上手く解明出来ませんが、
  勘だけは養われて来たようです。相変わらずのトリックの巧みさ。脱帽です。


【A・クリスティー作 「予告殺人」 】


   ところでA・クリスティーと言えば、言わずと知れた料理&お茶。
  今回も事件の重要な伏線となります。そんなこんなで・・。
  私も紅茶とサンドウィッチを用意。(冒頭の写真)

   でも、美味しいスペシャルケーキの名前が、
  「甘美なる死」 というものでしたら・・お召し上がりになりますか・・?

“白い追憶” のとき

2011-06-17 16:12:56 | 趣味の器(壺)~その他



【採れたての 「ドクダミ茶」】


「まあ、秋海棠エレファンツイヤーズ が沢山あること!」
ダイアナは叫んだ。(中略)
「どうしてこんな優しい、羽根のようなものに、
象の耳なんてそんないかめしい名前が
付いているんでしょうね?」
とプリシラが聞いた。
アンは、「最初、名前を付けた人が、
全然、想像力がなかったのか、
又は、あり過ぎたのか、どちらかよ」
                  【「アンの青春」 第13章】

                             【ピンクの絨毯の小径 (ゼラニウム)】
   スッキリとは行かないまでも
  昨日の雨は上がりました。

   それでも雨上がり後の、
  キラキラ感は健在。

   ふと、今年は放射能汚染で、
  それどころではない事に気付きました。

   でも、楽しんだっていいですね。
  今、この時をこの瞬間を。

   さて、“白い追憶” などと言う、
  およそ “ドクダミ” という名前に
  そぐわない花言葉を貰った、
  今年のドクダミ茶、第1弾が完成。
  (昨年は、【こちら】

   「ドクダミ」 なんて、よろしくない
  名前を付けられたものですから、
  せめてもの償い・・?
  (という訳でもないでしょうが)
  ロマンティックな花言葉です。

   勿論、「十薬(ジュウヤク)」 という別名もありますが、
  あまりにも 「ドクダミ」 は、インパクトありますものね。
  
   「オオイヌノフグリ」 も 「星の瞳」 という、
  ロマンティックな別名がありますが、なかなか・・です。
  物事は最初が肝心という事かも知れません。



   そんなこんなで・・。早速、採れたてのお茶で、お茶時間と致しましょう。
  ドクダミ茶は匂いが・・という方もいらっしゃいますが、私は平気。
  それどころか美味・・~なんて思うのですから、人の嗜好は様々です。

   こんな素朴なお茶は、ざっくりした土物の器がいいですね。
  今日は、日本最古のもので日本の焼物の 「ふるさと」 と言われる、
  「備前焼」 で統一しました。お茶請けも渋く? 野沢菜で。

一筆の風雅~その3

2011-06-16 17:45:28 | リラのお気楽ユメ日記



「ヴェラの婚約者がからすの羽根を拾って
ペン を作り、ヴェラに贈ったんです。
その婚約者はヴェラに、
『このペンを使う度に、
かつてこの羽根を身に付けていた鳥のように、
あなたの心を空高く舞い上がらせて下さい』
とこう言ったんです。本当に素晴らしいでしょう?」
                【「アンの幸福」 第2年目10.】


   起床時こそ雨は降っていませんでしたが、
  午前8時頃からごく弱い雨が降り出しました。

   気温も昨日同様に低く、(天気予報では)冷えたと思った昨日より、
  更に2、3度低いとの事でしたから、厚手のブラウスを着込みましたが、
  さすがに動くと少々、暑いかも知れません。





   さて、“一筆の風雅” と題した硝子ペン利用3回目。
  インクを付けながらの文字書きは、どうしても襟を正さなければ
  ならないような気がして、普段使い出来ません。

   尤も、いい意味での緊張感、
  たまには、こんな時間(とき)も必要ですけれど。
  背筋もピンと伸ばして・・。ともすれば、清書用に向いていますね。

   折角ですので、大好きな詩を清書する事に。(ハイネ 「詩人の恋」 より)
  そうそう一昨日の A・クリスティーの引用文にもあった、“会話”。
  
   『アンの世界』 でも、普段の何気ない会話ですら、
  詩人の話題が多い事に、少なからず驚かされます。
  普段の会話が詩人の話題なんて、何と高尚なのでしょう。例えば、こんな風に。

   ミルトンの詩集 はいかがですの?」
  「ミルトンの詩集だって? ・・・ ああ、あの事か!
  あれはミルトンの詩集じゃありませんよ。
  テニソン ですよ。
  私はミルトンを尊敬していますが、
  アルフレッド・テニソンには我慢がならないのですね。
  あんまり甘ったるくて胸がむかつきますよ」

                           【「アンの幸福」 第3年目8.】

   この硝子ペン、大分指に馴染んでくれましたが、
  まだアルファベットの濃淡を出す事が出来ません。万年筆は難なく出来るのですが・・。

光と影の立役者

2011-06-15 16:23:23 | 私の手作り夢時間





「さあ、これですっかり用意が出来たね」
とミス・ブラックロックが言った。
彼女は調べるような 眼差まなざ しで、
二部屋に仕切られている応接間をぐるっと見廻した。
薔薇模様 の綿更紗 ―― 青銅色の菊の鉢が二つ、
壁際のテーブルには、 スミレ を活けた小さな花瓶、
銀のシガレット・ボックス、
中央のテーブルにワインセットを載せた盆。
リトル・パドックスは 初期ヴィクトリア風 の建築で、
普通の住宅並みの大きさだった。
細長い狭いヴェランダと緑色の よろい が付いている。
(中略)
部屋の両端に 暖炉 があるが、
どちらにも火は灯っていない。
しかしほのぼのした暖気が辺りに沁み渡っていた。
                 【A・クリスティー作 「予告殺人」】


   昨日同様の梅雨の晴れ間となりました。今日も、ヒンヤリ。(昨日以上に)
  この時間になりますと、気温も若干、上がったと思うのですが、
  つい先程などは居間の気温22度。今の時期には珍しいですね。

   ところで、ドクダミ。天気予報通り、3日間の晴れでホッ。
  第1弾としましては、花の咲いている背丈の高いもの限定で採りました。
  
   背丈が揃っていると、洗うのも干すのも楽チン。
  バラバラですと、洗うだけで一苦労でしたから。
  
   それにしても、干したドクダミの量に比べ、
  庭のドクダミは一向に減ったようには見えませんけれど。

   さて、上記の引用文。
  今日も、A・クリスティーの小説からの抜粋ですが、
  申すまでもなく、クリスティー物にはこんな描写が至る所に。

   鎧(よろい)戸、(何て古風な・・) そしてここでも暖炉。
  一頃は、明るさだけをやみくもに求めた私でしたが、
  薄暗い部屋にも、それなりのメリットがありますものね。

   蝋燭が似合う、レースが似合う・・。
  尤もレースは、どちらの部屋にも合いますけれど。
  まさに、光と影の立役者 ですね。

   その立役者は、今度は窓に大輪の向日葵を咲かせました。
  尤もレース編みの本に、このモチーフが向日葵と断ってあった訳ではありません。
  私が勝手に向日葵だと。

   最近になって、モチーフ編みを見直した私ですが、
  小さなそれは先日の 【カーディーガン】 で、食傷気味。
  それならと・・大きな物にしたという訳です。でも大き過ぎますかしら・・?

   大きければ大きいで、1つのモチーフを仕上げるのに時間がかかります。
  でも、2つ繋げればかなりの大きさになっていますので、ある意味、達成感も。

   それに、このモチーフは縁編みの必要がありません。
  いずれにしても一長一短がありますね。

   上の写真は椅子に掛かっているのが以前に編んだ物。(オリンパスエミーグランデ使用)
  窓に掛かっているのが今回編んだものです。(ダルマ40番)

   モチーフ編みの良い点は、いつだってやめられる所にありますね。
  それに100円ショップの普及で、カーテンクリップや突っ張り棒を使って
  カフェカーテンや小窓カーテンも自由自在。
  
   以前でしたなら、レール通しをレースで編まなければいけませんでしたもの。
  その上、一旦カーテンにすれば用途は限られましたが、
  今では気が変わればテーブルセンターにだって変えられます。


【「サフラン色」 から 「薔薇色」 に変化した暮れ泥む空】


   写真は、昨日の黄昏のものです。暮れ泥(なず)む空。
  北側の納戸にいましたら、俄かに窓が真っ赤・・。
  それまで何の変哲もない空でしたのに。

   慌ててカメラ片手に飛びだしました。
  なかなか暮れない 6月の空が暮れたのは、それから間もなくの事です。

マスカット色の風

2011-06-14 15:52:15 | 四季のスケッチ

【明日を見つめる瞳】

【紫陽花の葉っぱの上にカラフルな虫 「大透翅蛾(オオスカシバ)」】


バントリー夫人が庭にいない事はほとんどなかった。
庭いじりは彼女の情熱の対象になっていた。
お気に入りの 読物 は球根のカタログであり、
会話 は桜草科の植物、球根類、花を付ける灌木、
珍しい高山植物などがテーマだった。
最初にミス・マープルの目に入ったのは、
せたツィードに包まれた、
彼女の大きなお尻だった。
近付いて来る足音に、バントリー夫人は、
体をきしませながら恐る々立ち上がった。
           【A・クリスティー作 「スリーピング・マーダー」】

                                 【軒下に干した 「ドクダミ」】
   梅雨の晴れ間が続きます。
  真珠色の空ながら今日は日光を
  出し惜しみしていません。
  
   昨日は庭のドクダミ採りを
  したのですが、今日も採ろうか、
  どうしようか・・迷っています。

   昨年は、1年分はたっぷり・・
  という程、沢山採ったものです。
  
   でも 「骨折り損のくたびれもうけ」。
  結局、駄目にしてしまいましたから。

   それでも、このドクダミ、
  お茶にして(毎日頂いて)11月頃まで
  持ってくれたでしょうか・・。

   とは言っても私の事ですから
  見ればつい採ってしまう事でしょう。

   さて、今年初めて植えたゴーヤ。
  植えるのが少々遅くて心配しましたが、
  今日花を付けました。


【ゴーヤの花】

   ゴーヤって結構、成長が早いですね。
  ゴーヤには申し訳ないけれど、
  ブームに乗って渋々? 
  始めたものです。

   蔓物は朝顔大好きですから。
  でも、今では毎日成長を見守るのが
  1つの楽しみとなっています。

   ところで上記の描写、
  思わずクスリと笑ってしまいますね。

   お尻を突き出した中腰の姿勢、
  私はこんな格好、ほとんどしませんが、
  それでもうっかりする事があって、
  “いけない、いけない・・” なんて。

   A・クリスティーの作品は、
  物騒な殺人事件を扱っている中で、
  一服の清涼剤となっています。






     上から2枚目の写真の虫の名前が判明しました。 
    「大透翅蛾(オオスカシバ)」 。
               奏城さん、教えて下さって有り難うございます。 (’11.6.15)       

癒やしと香りの三重奏

2011-06-13 17:00:07 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編



アンは自分の部屋に飾るのに
花瓶に一杯の6月百合と、
書斎のギルバートの机の上に置くのに
スーザンの芍薬しゃくやくを切っていた・・・・・
乳白色の芍薬の芯には神の
接吻のような血のような斑点があった。
特別暑かった 6月 の日中が過ぎて、
空気は生き返ったようになり、
港は銀とも金とも分からない色になっていた。
                【「炉辺荘のアン」 第5章】


   昨日の午後から降り出した雨は朝には上がりました。
  時折、晴れ間も覗いていますが、なかなかスッキリした天気という訳には参りません。

   ただ、今日から3日間、貴重な梅雨の晴れ間・・という事で、
  この間(かん)を利用するべく、ドクダミ採りにいそしむ事に。

   それでも今年の梅雨は、雨が何日も降り続く事がありませんし、
  蒸し暑さがない分、助かっています。
  今日なども、どちらかと言えば、ヒンヤリ。

   こんな時、6月が1年中で1番美しい季節である 『アンの世界』
  そんな世界の 「想像の余地」 に今日も遊んでいます。


【夏だって温かい飲み物が欲しい・・「レースのポットウォーマー」(手作り)】

     とは言え、朝からドクダミ採りに追われ、
    水でジャブジャブ洗って・・などという作業を繰り返していましたら・・。
    すっかり手指が冷たくなってしまいました。

     そうそう、ドクダミを採っている時、
    “こんな所に・・?” という、自分でも思いがけない場所に、
    「ミント」 や 「レモンバーム」 などのハーブを見つけたものです。

   そんなこんなで・・。冷え切った身体を温めるために、ハーブティーを頂く事に。
  今回は随分、早くなりましたね。『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、オープンです。

   一応今日は、カントリー風で。
  ほとんど見えませんが、
  レースの代わりにキルトの暖簾を
  下げてみました。(冒頭の写真)

   カップは、夏らしく
  涼を感じる硝子の器で。

   お茶の色は(白に見えますが)
  薄いレモン色。

   こんな淡い色ですが、
  香りと風味は健在。プラス、癒やし。
  題して 「三重奏」 という訳です。“美味しいお茶が入りましたよ~!”         

明日(希望)の瞳

2011-06-12 16:16:36 | ハーブと香り雑学

【「半夏生(ハンゲショウ)」】



「小さなエリザベスは始終、
『明日』 の事ばかり話しておりますが、
トムギャロン家の古い屋敷は 『昨日』 なのです。
あたしは自分が 『昨日』 の中に
生きているのでなくて良かったと・・・・・
『明日』 が今なお友であって良かったと
喜んでおります。
               【「アンの幸福」 第3年目11.】




   今日は雨の予報でしたが、
  意外にも降っていません。

   起床時には雨だと思っていたもの
  ですから、思わぬ明るさにとまどいも。

   そうは言っても、やはり梅雨ですね。
  午前中は何とか持っていたものの、
  午後になってポツポツと・・。優しい雨。

   さて、薔薇に明け暮れた、
  ここ1ヶ月余りの日々でしたが、
  ここに来てひとまず休憩。
  今は、ポプリ作りに追われています。

   一時は花という花、
  全てポプリにしていましたが、
  今は薔薇とハイビスカスに限定。

   薔薇は、さすが花の女王だけあって、
  ポプリも、カチッと仕上がり優等生。
  紅茶に浮かべても素敵ですし。

   一方、ハイビスカスは、
  乾燥させるとシャカシャカして、透き通った繊細な花びらになります。
  それは、まるで和紙のようで好きなのです。

   これらはそのまま室内に置いていても、
  再度湿気を吸い込む事もありませんし、重宝しています。



   さて明日を待つ庭のハーブ達。
  そうそう昨日は、おずおず?
  だった 「ガザニア」 も今日は晴々と。

   かと思えば、「カレープランツ」 は
  相当長い間、花を保っています。

   それにしても明日を
  見つめている蕾の時って、
  何だかワクワクしますね。

   ある意味、私の
  1番好きな時かも知れません。

   「ブラックベリー」 は淡いピンクの花を終えた後、実を付けました。(2枚目の写真)
  『アンの世界』 でもお馴染みの木苺の仲間ですね。
  木苺という言葉の響きも素朴で好き。
  
   そして花言葉が素敵!
  「貴方の瞳に映る未来に私がいますように」

   因みに、「ラズベリー」 は、「小さな幸せが一杯!」
  「ブルーベリー」 は、「貴方の全て丸ごと受け止めます」
  ロマンティックですこと!   

南国の美少女~ハイビスカス

2011-06-11 15:43:15 | 香る庭の花綴り





今日は 6月 の中から1日だけ4月に
こぼれ落ちたような日でした。
(中略)
この頃、雨が降り続き、
あたしはしめやかな春の夕暮れを
塔の部屋で座って過ごすのを楽しんでいます。
でも、今夜は風の強い、慌ただしい晩です。
空を走る雲でさえ、慌てておりますし、
雲間からさっと射し出た月の光も
慌ただしく世界に光をみなぎらせようとしています。
                  【「アンの幸福」 第2年目9.】


   雨の週末となりました。
  ただ、今日は降ったりやんだり。
  午後になりますと太陽も・・。  
   
   昨夜は、それはそれは
  沢山降りましたけれど・・。

   気温の方も、少々低め。
  窓を開ければ寒く感じます。

   こちらは4月ではありませんね。
  “6月の中から1日だけ5月に、
  こぼれ落ちた日” かも知れません。

   さて、こんな空の下(もと)、
  今日の中途半端な天気を見事に
  払拭してくれるような花、
  ハイビスカスが開花。

   と言っても実は、第2弾。
  一足先に真っ赤なそれが開花し、
  既にポプリに。

   どうしても薔薇の方に心を
  奪われてしまいますから。(ガザニアも咲きました) 

   放って置いても勝手に咲いてくれる花もありますが、
  植物程、人の心を敏感に反映するものはない気がします。
  
   同じように手を掛けてやりませんと、ヘソを曲げてしまいますものね。
  ~なんて。尤もリラの花のように、一方的な片想いの花もありますけれど。
  (3年間、花が咲きません)

   「私はあなたを信じます」 (ハイビスカス:花言葉)
  美しい大きな瞳で、じっと見つめられ、上記の言葉を言われたなら・・。
  世の殿方は、たまりませんね。

   余談ですが、殿方なんて・・ちょっと古風な言い方ですね。
  でも、A・クリスティーなどの翻訳文には普通に出て来て、素敵だな・・と。
  こんな古風な言葉、これからも登場するかも知れません。

   今ふと思ったのですが、南国の・・は美少女ですが、
  南海の・・と続くと美少年になりますね。面白い!!



   それにしても・・大きな花を見た後は、こんな小さな花に、ほっと心和みます。
  今年は我家も、遅ればせながら、ゴーヤを植えましたが、
  このローズゼラニウムだって負けてはいません。

   今でこそ腰の辺りの背丈ですが、盛夏には2メートル近くにもなり、
  立派に緑のカーテンの役目をしてくれますから。