【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

秋に咲く毛糸の花

2012-10-09 18:17:57 | 私の手作り夢時間











「自分の夢を全部実現するするなんて、
あたしたちは出来ない事だわ。
夢見る事が残っていなかったら、
死んだも同然ですもの。
あの低く沈んで行く太陽は 紫苑しおん羊歯しだから
どんなに良い香気を吸い取る事でしょうね。
匂いを吸うだけでなく目でも見られたら
いいのにと思うわ。きっと美しいでしょうね」                  
                 【「アンの愛情」 第40章】



   

   いつもの習慣で、そそくさと、しかも頭の中は
  空っぽの状態で雨戸を繰る・・そんな朝。

   あらっ!? アレッ!? ふと感じた違和感。
  空気が違う! “そうだ、金木犀・・”

   昨日の今日ですから、
  そこに考えが及ぶまでたいした時間はかかりません。

   どうやら我家だけではなかったようです。
  早朝のゴミ出しの時には、もう辺りも香っていましたから。

   これから暫く街中が金木犀の香気に包まれる季節がやって来ました。
  紫苑や羊歯ではありませんが、『アンの世界』 と同じですね。
  それにしても突然に。

   ところで昨夕から今日にかけて日本中が喜びに包まれましたね。
  申すまでもなく、ノーベル賞(医学・生理学)を受賞された、
  京都大学の山中教授。19人目なのだそうですね。

   これから続々と発表されるようですが、
  是非、後に続いて欲しいですね。








   さて、今日の写真。
  一見、レースに? 見えますが、
  毛糸の肩掛け(マフラー兼用)です。

   後、金木犀を一枝添えて。
  それにしても虫喰いの葉ですこと。

   一昨日、出来上がりました。
  私は毛糸は編まないのですが、
  今回だけは特別。

   以前、ドサッと友人から
  レース糸を貰った中に
  入っていた、モヘアの毛糸。

   淡くて優しい色合い。
  モチーフならレースの繊細さも
  出せますし、季節も季節ですし。

   そんなこんなで、
  編み始めたのですが、
  レースの繊細さに慣れている私に
  とって、大きな毛糸は、ス~イ、スイ。

   しかも平面ですから、
  瞬く間に出来上がりました。

   案の定、夜更かしして冷えた時など意外に重宝します。
  そう言えば昨年観たポーランド映画、「木洩れ日の家で」 の主人公。

   老齢にも関わらず、取っ換え引っ換え素敵な肩掛けを掛け、
  お茶を飲んでいた主人公の姿が脳裏をよぎります。   

薔薇、愛しくて恋しくて

2012-10-08 16:00:56 | 薔薇の追憶









「ああ、マリラ、世界に10月という月の
ある事が、あたし、嬉しくてたまらないわ。
もし9月から、ぽんと11月に飛んでしまうの
だったら、どんなにつまらないでしょうね。
まあ、この楓の枝を見てちょうだい。
スリルを感じないこと? ――
続けざまに、ぞくぞく、ぞくぞくっとしないこと?
あたしの部屋に挿して置こうと思うのよ」                  
                  【「赤毛のアン」 第16章】


   


   スコ~ンと晴れ渡った快晴の空となりました。
  こんな空こそ、「日本晴れ」 にふさわしいお天気でしょう。
  いよいよ “本格的な 「秋」 の到来”、と思うと嬉しくなります。

   そんな私の気持ちは、今日も アン が代弁してくれて。
  そうそう、もう1つの嬉しい出来事も。今朝、金木犀の蕾を発見。

   開花していませんので勿論、香りはまだですが、
  庭のみならず、街中がこの香りに包まれるのももう少しです。
  金木犀は、それこそ至る所に植えられていますから。










   さて、相も変わらず又々、
  「公爵夫人の薔薇」
  の登場です。

   前回より秋も深まった
  からでしょうか・・。

   涼やかな秋風に比例して
  同じ薔薇でもよりしっとり、
  洗練された美を感じます。

   四季を彩る薔薇ですが、
  (当然の事ながら)
  折々の季節によって
  違った表情を見せる薔薇。

   秋の今は、
  なぜか神秘性さえ感じ。

   今、咄嗟に思い付いた
  言葉は、「東洋の貴婦人」。

   秋に限って、これからは
  こう、呼ぼうかしら・・?
  ~なんて。
  









   

   マスコミは、そろそろ偏向報道、やめませんか・・?
  オスプレイ配備は私の知る限り、日本全国、
  反対意見ばかりがニュースとして流されています。

   でも、あの沖縄で賛成意見もあるのですね。おまけにこんなパレードも。
  少なく共、マスコミは反対ばかりではなく、
  両方を流す必要があるのではないでしょうか。

   






古き良き時代へのノスタルジア

2012-10-06 17:15:15 | 私の手作り夢時間









6月には白とピンクの花を一杯に付けていた
林檎の木が、赤褐色や銅色の実を結ぶ
10月になると、エバン夫人は
掛け布団の仕立てに取りかかった。
それはアヴォンリーでは大変豪華な柄と
思われている 「ライジング・スター」
模様の布地であった。
(中略)
紅白の菱形の布を縫い合わせながら、
エバン夫人はこの掛け布団が
ニューブリッジの家の客用寝室のベッドに
掛けてあり、自分がセーラを訪ねて行った時、
その上に帽子や肩掛けを置く所を想像して、
良い気持ちになっていた。               
                 【「アンをめぐる人々」 9.】

                     

   


   思わず秋が深まった・・と感じた朝。
  昨夜などは、けたたましい程の虫の饗宴。
  その宴会は、今日になってもまだ続いています。

   そして10月最初の連休は、各地で運動会もピークでしょうね。
  例に洩れず、近くの幼稚園でも行なわれていて、
  風に乗って楽しそうな雰囲気が、こちらにも伝わって来ます。
  










   私はレース編みが
  1番好きですが、
  それでも秋になりますと、
  布の温かみが恋しくなります。

   こんな時は・・
  「リンド夫人の部屋」
  に直行です。

   尤も私のそれは、誰に
  教わったものでもない、
  見よう見真似。

   従って手の込んだものは出来ません。ごくシンプル。
  おまけに今では小物しか作りませんけれど。

   ところで上記の 「ライジングスター」 とは、パッチワークのパターンの事。
  因みにテーブルに敷いているのは 「ペアーズポー(熊の手)」。

   これらはアメリカ大陸に渡った開拓の人々の暮らしの中から
  生まれたものです。勿論、それに伴った数々の物語も。

   思い出すのはNHKでも放送された、「大草原の小さな家」。
  これは映画化されるそうですね。今から楽しみです。

私だけの秘密基地

2012-10-05 18:36:26 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編





しかしこの部屋で1番嫌なのは絵だ ――
何とも腹の立つような着色石版画である。
いつか全部壁の方へ裏返して
しまった事があった。 
(中略)
「エムリー、なぜ絵をいじくったの」            
              【「エミリーはのぼる」 第7章】


   今日は快晴のお天気に恵まれました。
  当然、こんな日は戸外と室内の優劣の逡巡。

   お弁当でも持って近くの野山でも散策しましょうか・・。
  何となく今日は人恋しくて? 近くの友人にTEL。

   今思えば・・。
  初めのうちこそ、“いいわね・・” ~なんて話していましたのに、
  仕様もない話に夢中になってしまって。気が付けば2時間の時間経過。

   “あら、もうこんな時間!” 何をしているのでしょうね、私達って。
  “近いうちに・・” と約束して電話を切ったものです。
  




     となれば、私は “私だけの秘密基地” へ直行です。
    何と言っても、ここが1番落ち着けますから。
    勿論、壺の上テーブルです。

     エミリー と違って、
    今日も見ているだけで癒される、マリー・ローランサンの絵と共に。
    『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、開店と致しましょう。


   涼しくなったとは言え、
  日の当たる場所は、
  まだまだ暑くなります。

   日陰になるのを
  やっとの思いで待ち、
  蚊取り線香も携えて。                  

   手当たり次第に庭の花を
  摘めば・・いつもの
  文庫本も一緒です。

   この場所でどの位の時間、
  過ごしたでしょう・・?
  ふと覚えた寒さ。

   おまけに、いつの間にか
  日没も早くなって。

   そして、どこのお宅
  なのでしょう・・?
  秋刀魚を焼く匂いも。

   思わず鳴く、お腹の虫。
  そろそろここを引き上げましょうか・・。 

帽子が語るエレガンス

2012-10-04 17:18:38 | リラのお気楽ユメ日記



【別荘用帽子?】


ミセス・オリヴァの衣裳戸棚の
一番上の棚には、4つの帽子がしまってある。
(中略)
1つは丸い紙箱に入っていて、
鳥の羽根で出来ている。
(中略)
もう1つのもっと手の込んだ帽子は ・・・
花飾り絹モスリン、それに ミモザ
あしらった黄色い網の覆いが付いている。
棚の外の2つはもっと一般向きである。
1つはミセス・オリヴァが
“別荘用帽子” と称しているもので、
焦げ茶色のフェルト、ツィードなら
どんな型の服にも使えるし、
つばを上げたり下げたりすれば
何にでも似合う
。           
            【A・クリスティー作 「象は忘れない」】


   ほとんどやんでいる時の方が多いのですが、
  午前中は、ごく弱い雨が降ったりやんだりの生憎の天気。

   午後になってやっと晴れ間も出て来たと思ったのですが・・。
  相変わらず、はっきりしない天気です。でも雨は降っていません。




   さて、今日は
  帽子を取り上げました。

   尤も本来は、壺の活用法・・
  という事での “帽子”
  でもあったのですが。

   再三、ブログでも述べて
  いますが、私は壺が大好きです。
  この壺の効果。

   部屋のあちこちにそれこそ、
  無造作に置いているのですが、
  色や形は様々で、それらをただ
  眺めているだけで癒されます。

   この壺、花瓶として利用する
  のは勿論の事、大きな物は
  傘入れや、テーブル代わりに。
  (中は物入れにも)

   そしてもう1つ。
  写真のように、下部が膨らんで
  首の長い大きめの壺は、帽子置きとして重宝しています。

   普段使いの物ですから、玄関先に置いて。
  そうそう、手作りコサージュ。(冒頭の写真)

   それこそ、『アンの世界』 では活きたお花を
  気軽に挿していますが、何の変哲もない帽子も花1輪あるだけで
  華やかになりますものね。雰囲気もガラリと変わります。

   それにしても普段用のフェルトやツィードの帽子は、
  “別荘用帽子” なのですね。何だか優雅な気分になります。

   「つばを上げたり下げたりすれば何にでも似合う」
  これって同感。

   そして 『アンの世界』 と 『A・クリスティーの世界』 は 同類
  改めて、その思いを強くしています。   

空と雲の徒然記

2012-10-03 15:50:25 | 四季のスケッチ






・・・ 風が出て来たでな。
今夜の空に気がつきなすったかな?
鰯雲いわしぐも 空と 馬の尾雲
高い船にも帆をかけさせる』
ですわい」     
             【 「アンの夢の家」 第24章】


   朝の早い時間こそ、上記のような空でしたが、
  昨日同様、日中は良いお天気になりました。

   ところで昨夜の月。
  十七夜ですから 「立待月(たてまちづき)」 ですね。

   昼間は快晴でしたのに、夜はなぜか雲に覆われて。
  でも暫くすると真丸のお月様が現れ、
  雲の中を出たり入ったりするサマもそれはそれで幻想的でした。











【刹那の空】


   さて昨日も記しましたが、昨日ばかりは目の前に広がる
  青い空と雲に目を奪われ、自転車に乗っている私は、
  ついフラフラとしてしまって。

   “いけない・・” と原っぱへと寄り道。
  (幸い、某国立大学の農園がありますから)

   しばし、ボ~ッと空を眺めていたものです。
  “秋だな~” と感嘆しながら・・。
  そんなこんなで今日も昨日の続きを。

   「鰯(いわし)雲」 「鯖(さば)雲」 「羊雲」、
  「鱗(うろこ)雲」 等の雲は、馴染(なじ)みがありますね。
  尤も、これらは巻積雲の俗称ですが・・。

   昆虫等の小動物が保身や攻撃のために周囲の環境や、
  別の動物に姿を似せる事を 「擬態」 と呼びますが、
  雲にそんな事があろう筈もありません。

   それでも空を眺めていると “アレッ!?” という事が良くあります。
  鳥や動物に似ている雲って、意外に多いですものね。
  思えば、雲ほど 「想像の余地」 があるものも他にない気がします。

   一方、空から辺りに目を転じれば、そこは既に黄金色。
  ついこの前までは一面、緑色でしたのに。
  「黄金の秋」 とは良く言ったものですね。
   




 
【風に揺れる「狗尾草(えのころぐさ)」】


秋空にシルエット

2012-10-02 18:10:08 | 路傍の花~道草



【崇拝の花~「紫苑(シオン)」】


【私の中のきりん草~「背高泡立草(セイタカアワダチソウ)」】


「あれは何?」 とおびえたように、
百子が小廬山のふもとに群がっている、
濃い紅の糸屑のようなものを
指差して、言った。
それは癖の強い赤い染髪の抜け毛を
まとめたような、艶々した
曼珠沙華ひがんばなくさむらであった。
    【三島由紀夫作 「天人五衰」~『豊饒の海 Ⅳ』】
 


   1日遅れの台風一過の
  空となりました。
  気持ちの良い秋晴れです。

   萌葱色だったゴーヤの
  葉っぱも大分、黄色に
  染まって来ました。

   もうそろそろ
  終わりだと思うのですが、
  未だに収穫しています。

   今、最後の黄色い花を
  咲かせています。

   今年も、いつの間にか老いてしまって、はや10月に。
  このゴーヤの葉影の事は以前にも記しましたね。

   あれから日を重ねて来た分、影の領域を拡大して(部屋の奥深く)、
  時に踊る(揺れる)居ながらの自然のタペストリーと化して。
  私の心も踊ります。

   このように食用に緑のカーテンに、
  そして踊るタペストリーと大活躍のゴーヤ。

   来年は、もっと沢山植えてその範囲を拡大しようと、
  早くも心に決める始末です。オニも笑いますね。







【「彼岸花」】
  

   さて今日は自転車で下まで。
  今日の空は、青い空と白い雲が面白くて。

   刻々と変わる空に、思わず見とれてしまい、
  危ない、アブナイ・・。 

   一方、上から下に目を遣(や)れば・・。
  何と 「紫苑」 が咲き、(冒頭の写真)「秋のきりん草」 の代わりに、
   「背高泡立草(セイタカアワダチソウ)」 が。

   尤も、こちらでは 「秋のきりん草」 は、お目にかかれませんので、
  勝手にそのように呼んでいるだけなのですけれど。

   これらの花は春の 「さんざし」 と共に私の崇拝の花。
  勿論、『アンの世界』 でもお馴染みです。  

   そして少々、遅かったのですが、彼岸花も。
  この花、遠くからでもはっきりと分かり、
  めらめらと燃え盛る焔のような赤が独特ですね。

   1列に並んだそれは、
  まるで緋毛氈(ひもうせん)を敷き詰めたよう。

   「火事花」 とか 「火焔(かえん)花」 等の異称に納得です。
  そう言えば、今日の引用文もそうですが、
  「死人花(しびとばな)」 の有り難くない異称もありますね。

   なぜか墓地に多く咲いていますから、
  そのように言われているのでしょうか・・。
  私もどちらかと言えば、苦手な花です。

夏のこぼれ花

2012-10-01 16:55:16 | 香る庭の花綴り





【木槿(ムクゲ)」】


しかし、秋も美しかった。
暗青色の湾から吹く風や
素晴らしい 仲秋の名月 を楽しむ事が出来た。
窪地には抒情味豊かな紫苑が咲き、
林檎が鈴なりの果樹園からは
子供達の笑い声が響いて来た。
上グレンの山の牧場の夕べは澄み渡り、
銀色のいわし雲の空を黒い鳥が渡って来た。                  
                  【「炉辺荘のアン」 第11章】


                                   【魔法】
   台風一過の今日。
  清(すが)しい青空を
  期待したのですが・・。

   早いもので今日から
  10月ですね。

   それにしてもアッと
  いう間に老いて来た月。

   ところで昨夜は仲秋の名月を
  見る事が出来ませんでしたが、
  今日はどうなのでしょう。
  十六夜(いざよい)ですね。

   十六夜の月は、
  ためらうように
  出て来るのだとか。

   たった1日違うだけで、
  月の出が40分も遅くなるそうです。

   そして明日十七夜は
  「立待月(たてまちづき)」。

   その後、「居待月(いまちづき)」
  「寝待月(ねまちづき)」、「更待月(ふけまちづき)」 と
  ロマンティックな異称が続きます。

   月も満ちて行く時は異称はほとんどありませんが、
  欠ける月にはある・・。

   人々は衰え行くものに、より想いを投影させるのかも知れません。
  季節もそうですし、年齢もそう。





   
   
   
   
   今、夏の花である木槿(むくげ)が満開です。
  勿論、朝顔やハイビスカスも。
  尤も夏の花が秋に咲く事は今に始まった事ではありませんけれど。

   未だにその花は大輪で、相変わらず華麗で。
  秋の侘びしさ? のようなものは感じられません。

   今日、ちょっぴり寂しそうに見えるのは・・
  真珠色の空だからでしょう。やはり青い空と太陽が似合いますものね。