昨日の群馬県社会福祉大会で
旭山動物園の板東元さんの講演を聞いた。
“聴く”というほど集中できなかったのは残念だけれど立場上、仕方ない。
その中で、
動物園のオランウータンの子育てについて語られた内容が印象的だった。
初めて出産した母ウータンは、最初のうち
自分が産んだモノがなんだか理解できず、戸惑うばかりだったという…。
“母性”に目覚めるまでに、ある一定の時間が必要で、
その過程においてスキンシップや“抱っこ”が、どれほど重要かを板東氏は、話されていた。
帰り際、
義母宅に近い眼科医に立ち寄り、待合室で順番を待っていると、
『スマホに子守をさせないで』
というポスターが目に入った。
スマホに子守させる親が増えている…、
乳児期にもスマホを見ながら授乳し、
赤ん坊の顔をみていない母親もいる…、
それが将来、子供にどんな影響を与えるのだろう…。
午前中の講演会での
板東氏のオランウータンの子育ての話を思い出す。
診察を待つ間、
たまたま、園児服を着た3歳くらいの男の子と、
乳児を抱いた若い母親が近くにいたので、
「何カ月ですか?」
と話しかけると
母親は、ニコニコ笑いながら
すぐに
「5ヶ月です」と答えてくれた。
私も経験済みだが、男の子2人のママは大変だ。
訊けば上の男の子は、3歳だという…
まだまだ、母親に甘えたい時期だ。
板東氏の話では、
オランウータンの出産は、4、5年に一度と決まっていて、
先に生まれた兄弟に赤ん坊の子守をさせる、という合理的な子育てができるのだとか…
その際に、兄弟も自分の弟や妹を我が子のように“抱っこ”して育てる。
その間、母親は休めるということだ。
この方法は、
年の離れた兄弟に育てられた人も多くいた昭和の初め頃にも似ている。
まさに、あれはオランウータン式の子育てだったのだ。
人間の場合、
考えてみれば、
“抱っこ”できるのは、せいぜい5、6歳まで。
それ以上は、こっちが近づいても逃げるようになる…
“スマホに子守をさせる”ことは、楽だけれど
スキンシップの機会は減るし、
アイコンタクトをとる機会も減るということだ。
我が子の成長過程を見逃すことになってしまうのは、
なんだか、
とても、もったいない…と思う。😓