梅田ドルチェ楽器でジャン フェランディスのリサイタルに行きました。
何年も前からこの方の来阪コンサートには必ず行っています。
本当に久しぶりでした。
ピアニストは蒲生翔子さん。
ドビュッシーの牧神の午後への前奏曲
フランクのソナタ
ドップラーの「ハンガリー田園幻想曲」
ルクレールの「フルートソナタ」
ブリジアルデイ「椿姫の主題による幻想曲」
アンコール
フォーレ亡くなって100年と言うことで「夢」と「コンクール用小品」
音色や音質、音程は大切なのですが、それ以上に曲のストーリーが伝わってきます。
牧神の始まりの長いロングトーンも音符が書いてあるからと言うような演奏ではなくて、牧神が午睡から目覚めて伸びをする1シーンが彷彿とするような感じです。
フランクのソナタは、少し遅めで始まり、ヴァイオリン独特の息の長いフレーズや、重音を表現するための装飾音符をガッツリ時間を取ります。がそれをものともしない余裕の息使いで、緩急、強弱を縦横無尽に吹き分け、四楽章がおもしろくてあっという間でした。
ハンガリー田園幻想曲は、テンポルバートでゆったり初めると思いきや、徐々に上げたり、また下げたりしてハンガリー民族音楽の空気が伝わってきます。
ルクレールのフルートソナタはバロックで形式的な音楽ですが、ピアノでフルートトラヴェルソのような表現を14金で演奏されて…これが一番驚いたかも!
プリジェルディの「椿姫」では大オペラのドラマティックな音と演奏でまったくルクレールとは違う音
量とデュミナークでした。
パリを離れてや、第3幕のアリアなどをルバートでゆったり歌ったかと思うと
ここまで速いタンギングで大丈夫?という位高速ギアまで吹き抜けて圧巻でした。
アンコールはフォーレの「夢」と「コンクール用小品」
夢は情感たっぷりと、小品は、パリ音楽院の初見用のテストのために書かれました。
「こんなに美しい曲で初見のテストなんて、当時の学生がうらやましい」と言われていました。
試験の曲というより本当に美しかった。
フェランディスの演奏はここまで音の強弱付けて良いんだ!
という驚きの連続です。
演奏家というより、パフォーマーという方がふさわしいかもしれません。
もちろんそれは確かなテクニックにより支えられているのですが…。
ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」フェランディスの演奏で
動画はなぜか冒頭切れていますが、彼らしい演奏です。
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