音楽の喜び フルートとともに

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子どもを信じる

2010-09-09 21:11:04 | 子ども

9月9日は重陽の節句。陰陽道で、奇数は陽、9は一桁でもっとも大きな奇数で、その奇数が重なるということで、重陽の節句というそうです。

菊の花を飾ったり、菊酒を飲んだり、菊の花の露を綿にしみこませてそれで、身体を清めたりしたそうです。花が長持ちすることから、不老長寿の象徴ともされ、謡曲菊慈童は、菊水を飲んだ子どもの姿をした不老長寿の慈童の話です。

ところが、菊の花を、探したけれど、今日は見つかりません。夏に咲いていた菊は枯れ、秋の菊には早い。台風一過で、空だけが秋空。これから来る季節と菊花に思いをはせました。

Aくんは1年生で一人っ子。
ボールで私と遊んでいると、とても楽しそう。ところがそこに、1年生Bくんと、4年生のCくんがやってきて、「入れて。」といいます。
一度は「いいよ。」と言って、一緒に遊んでいましたが、強いボールや、荒っぽいのが嫌いなAくんは段々二人と遊ぶのが嫌になってきました。

ちょっと私が目を放した隙に、
4年のC君には、言えないけれど、1年のBくんに「入れたれへん。あっちへ行って。」と言ってボールを持って走り出してしまいました。
すると、4年のCくんに「おい、Bも入れたれよ。」と叱られてAくんは泣き出してしまいました。
そこへ私が入っていくと、今度はCくんが叱られると思って、しどろもどろ。
「怒らないよ。先生怒ってないでしょ。何があったか教えてくれる?」
と、いうと、やっと落ち着いてさっきあったことを話してくれました。
「Cくんの言い分はわかった。さあ、今度はAくんの番だよ。なぜ泣いたのか教えてくれる?」ところが、丸くなって泣くばかり。

「何で泣いてるのかな?」それでも、泣いているので、
また、Cくんが「僕が言ったのが、怖かったのかもしれない。そんなに強く言ってないんだけど。」と言いました。
「そうだね、Cくんの友達だったら怖くないけど、1年生には怖かったのかもね。」
「でも、そんなにきつく言ってないよ。」
「さあ、Aくん。言いたいことがあったら、言ってね。先生も、C君も待ってるよ。」
それでも、ずっと泣いています。

もうおやつの時間です。
「泣きたい気分なんだね。お話したくなったら、いつでも聴くから、言ってね。C君、Aくんから伝えたいことがあったら呼ぶから、おやつに行ってて。」

4年生にちゃんと話すのは、Aくんにはたいへんなことでしょう。
それでも、今回、Cくんは荒っぽかったかもしれませんが言葉で伝えていて、殴ったわけではありません。Aくんには涙を使って相手を動かすことだけでなく、勇気を持って言葉で伝えあうということを、覚えていって欲しいです。

泣いている子どもを前にすると、変って解決したくなってしまいますが、ここが肝心。なんどか、悔しい思いをするかもしれませんが、必ず自分で伝えられるようになる。私はAくんがそういう力を持っていると信じて、希望を持って待っています。


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