午前中、実家の父を見舞って、ちょこっと掃除したり、散歩に付き合ったり。母の負担が少しでも解消できるといいのに。
実家の庭の梅がこれ一輪だけ咲いていました。月影という名前の梅です。
今日は、久しぶりに暖かかく、過ごしやすかったですね。
午後から行った児童会の子ども達も、今日はほとんどが外に出てあそんでいました。
月並みな言い方ですが、バッハや、モーツアルトを練習していると、気持ちが落ち着きます。
モーツアルトは、子どもが笑っているような感じで気持ちが明るくなりますが、バッハは、なんと言うか、心の深いところに効くという感じ。
子どもたちが小さな頃、重症のアトピーで、いつアナフィラキシーショックで呼吸不全になるかもしれないという緊張の中で過ごしていました。
肉、魚、牛乳、卵、油、しょうゆ、みその発酵食品などに食事制限があり、調味料はほとんど塩だけ、外食も、買い食いもできず、おやつも市販のものも使えず、それまでの生活を一変させなければならなくなりました。
二人目の子どもも母乳だったので、自分も食事を一変させたので、6キロも痩せて、毎日ふらふらでした。
フルートのレッスンにももちろん行けず、それどころか子どもが痒がって、眠りが浅く、よく泣くので、練習も思うようにできませんでした。
その中で、切れ切れの時間でバッハを吹いていました。
ソナタだったり、無伴奏パルティータだったり。
ご近所の友達に「あれ、なんていう曲?なんかすごい暗ーい曲ばかり吹いてるでしょ。」と、とうとう言われてしまいました。
そうそう。バッハって暗い。
暗いんだけど、落ち着く。吹いていると、いろんなことが整理されて、力がわいてくる感じ。家族や友達の助けがあってそれとブラスバッハ。
音楽は、物理的には何もしてくれなかったし、吹いたからって何がどう変ったのかもわからないし、うまく説明もできないけれど、とにかく練習することで、生きていくパワーをもらいました。
今日また、パルティータを練習していて、そのことを思い出しました。
この音の配列、調和した感じ。整然と積み上げていく感じで、でも、暖かく、熱のある感じ。人が丹精こめて作り上げたレンガを火を入れて焼き上げ、誠実に、気をつけて一つづつ積み上げていくと、いつの間にか、偉大な建築物ができてしまった。というような暖かさ。バッハは特別な人だけれど、特殊な人ではない。
大きな飛行機の名も知られていない小さな部品の一つを、プライドを持って作る小さな町工場の工員の一人や、毎日赤ちゃんのお尻を丁寧に吹き上げる母親の一人の傍にいる。そんな気がするのです。
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