ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「日本の悲劇」、年金不正受給事件にヒントを得て作られた映画

2013-09-26 19:15:21 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
      社会問題に関心のあるむき ☆☆☆☆

   暗い映画だ 見る人によって評価が分かれる。

「春との旅」の小林政宏監督作品。

主人公を再び、仲代達也が演じている。

非常に実験的な映画だ。

白黒(一部カラー)、定点撮影。それも、日本家屋の室内のみ。外に出るときは、履物の音でわかる。

電話のベルが一つのアクセント。


肺がんの手術を受け、余命3か月の宣告を受け家へ帰ってくる父親。

息子(北村一輝)はフリーターで、就職活動も休みがち。

うつで会社を辞め離婚するも、その実家は関東大震災で妻と娘を亡くす。

そんな状態の二人。

父親は、食事もせず、母親の遺骨とともに一室に閉じこもってしまう。

殆どが、父親と息子の二人芝居。(だが、芝居臭くはない)

途中、回想場面が挿入される。だがほとんど室内。

結局、父親が息子のことを思って、自然死といってもガンだから長くはない。

年金生活者の父の年金で、息子を生活させようという親心が。

でもそうせざるを得ない日本の現状、それが日本の悲劇。

ただ、途中、トイレをどうするのとか、そんなの早く警察とかに相談すればとかという思いが、映画に入れず、俺にとっては中途半端な映画だった。

それにしても、80歳の仲代の演技にはうならされる。


コメント (1)
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「ペタルダンス」、ふわふわっとした女の子の物語です。

2013-09-26 15:07:50 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

  ちょっとおススメがむつかしい映画。好き嫌いがあるような。

CMディレクターの石川寛の作品。

海に飛び込み自殺を図った同級生を見まいに行く二人に、ドライバーとしてついていく女性。この3人の北へ向かってのロードムービー。さらに当の自殺未遂の女性を交えての旅。

それぞれに悩みや、哀しみを抱えながら生きている。そして、時々に発する意味深なセリフ。

ドライバーの女性も、友人が行方不明、いなくなる前に聞いた、不思議なセリフ。

これらの心証を、じっくりと作り上げる手法は、見るものを迷わせ、共鳴させる。

美しいというか、冬のどんよりとした風景、特に後半の雪国の海の寒々としたこと。

自然と人物の絶妙な配置。これだけで、映像としてのアートだ。木の形を人が真似する。

取り立てた事件は何も起こらない。

沈黙のままのながーい空白。

宮崎あおい、忽那汐里、安藤さくら、吹石一恵3人の演技派が、素に近い演技を見せる。

監督は素材をただ見ているだけみたいな。

感性が試される映画でもある。

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