ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「少女」奥田瑛二処女作品

2014-02-16 19:58:47 | 日本映画
2001年作品。

神代辰巳監督が、生前撮ろうとしていた連城三紀彦の小説の映画化を、俳優の奥田瑛二が初めてメガホンをとった作品。

したがって、日活ロマンポルノ風の成人映画だ。

舞台は、のんびりした愛知県瀬戸市、まったくだらしのない43歳の警官と15歳の中学生が恋をするという危ない話。

登場人物も、少女の祖父は彫り物師。警官も背中に「比翼の鳥」という彫り物がある。

また、精神的に弱い兄がいて、2人に割り込んでくる。

普通あってはいけない、中年と中学生の恋。

そんな異常さが、かなり怪しい雰囲気の田舎町に醸し出されて、奥田瑛二ばりの男性像とあこがれの少女像が交錯しながら描かれていく。

少女の家庭環境も複雑で、警官も脛もつ身、

やってはいけない行為でありながら、セックスに溺れいく姿は、奥田の役者魂と、小沢まゆのあっけらかんとした演技に興味を惹かれる。

初期作品ゆえの乱暴さや、拙さは見られるものの、絵的センスも発揮して、

結局二人は、彫り物カップルとして出発することに。
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「魔女と呼ばれた少女」、コンゴ内戦に翻弄された少女

2014-02-16 18:42:26 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

 社会問題に興味のある方、悲惨な内戦に興味ある方 ☆☆☆☆

カナダの監督キム・グエンが、アフリカコンゴの少年兵の実態を取材、映画化。

コンゴで、貧しい生活を体験した少女ラシェル・ムワンザを発掘。彼女の演技はベルリン銀熊賞女優賞に結び付いた。

水辺の村に突然反政府軍がやってきて、村人を殺し、少年たちを拉致。軍隊要員の確保のためだ。

まず最初の試練が親の銃殺。少女が殺さなければ、兵士によって、いたぶられ殺される。二者択一に銃殺を選ぶが、これがのちのち少女のトラウマに。

過酷な訓練と実戦参加を経て、少女が幻想(樹液を飲むことによる幻覚か)をし、戦争予知能力が発揮されることがわかると隊長の世話をする係に。

近くにいた、白皮症の男性と逃亡。二人だけの生活が続く。二人は結婚。しかし、政府軍に見つかり再び悲劇が。

そんな、内乱という争いの国コンゴの実情を、少女と少年の恋を交えながら描いていく。

強制的に拉致され、父母を殺すという残酷な試練ののち、食べるものもない極貧の中での戦争体験。銃を抱えて移動し敵を見れば攻撃。時には相手の執拗な銃撃に会う。

自らの意思とは無関係に、戦に巻きまれる少女。

そして、時には、隊長の夜の相手も。

そんな少女が、恋と村人との生活、そして逃亡生活と助けてくれる村人達との交流を通じて、自らの生き方を学んでいく。

自ら銃殺した父母の鎮魂の旅を経て大人になっていく。

そんな姿は、悲惨な物語に一筋のあかりを見せてくれる。ラスト、音楽だけのシーンは、躍動感さえ覚えてくる。

実際にコンゴで撮影されたという映像は、我々にとっては目新しい。






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