ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「雪の轍」、トルコの世界遺産カッパドキアを舞台に繰り広げられる人間ドラマ

2016-02-02 19:40:40 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

文学(チェホフ、ドフトエフスキー)好き ☆☆☆☆☆

トルコ・フランス・ドイツ合作

196分の大作であり、会話劇が主体の映画なので、興味のない方には不向き。

2014年・第67回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞。

トルコのカッパドキアは、この映画を見ただけでは分からない。やはり実際に、この景色に触れないとその偉大さは感覚的にわからない。

トルコの巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイラン演出、チェホフの短編小説を題材に描いている。

カッパドキアの岩肌を利用したホテルのオーナー、アイドゥンの物語。

先祖伝来の財産で裕福、演劇を目指すが、今は隠居の身。「トルコ演劇史」を執筆中。

若き妻と、出戻りの妹と生活している。ホテルの隣の洞窟に書斎を作り住んでいる。

そんな男を非難する、出戻り妹と、妻の行為をなじり続ける夫。この辛辣な会話劇は、人生のドツボを突いていて引きずり込まれるやもう目が離せない。

そして、所々に挟まる鮮烈な映像、カッパドキアの不思議な風景、高原を疾走する馬。

ラスト近くは、一面雪景色。

一旦は、イスタンブールへ逃げ出すと言いながら、舞い戻る。

そこにどんな変化が。

じっくり鑑賞すると、宗教的でもあり、人生観であり、平和感である。

見終わった余韻は、そこで初めて、涙がこぼれる。

それはなぜか、人間は結局は孤独だからだ。特に、傲慢で人を押さえつけてきた男にとっては。


下の写真は、壮大なカッパドキアの一場面





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