おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)
深刻な麻薬問題を抱えるアメリカで、医師の処方薬で中毒に陥る人々の窮状を取り上げた『ベン・イズ・バック』。
堕ちて行く子供を、止められないと分かっていても尚掴んで放さない母親を主人公に置き、家族とクリスマスを過ごしたいために嘘をついて帰宅した青年が麻薬に屈して行く姿を切々と描いています。
母親をジュリア・ロバーツ、息子をルーカス・ヘッジズが熱演。
施設に入所中の息子が、クリスマスに帰ってきた。
皆の反対にあいながら、一日だけと懇願する母親。
教会で過ごして帰宅した家に、愛犬が見つからない。
事情を察した息子が出かけ、心配した母親が追いかける。
恋人を麻薬中毒者にして亡くしていた過去を持つ息子。
金のために麻薬の運び人をやっていた息子。その過程で借金していた男がいた。
犬のために再び麻薬運びをする息子。
息子を見失いながら、必死に探す母親。
診療薬による麻薬中毒という痛ましいアメリカ。
ひずんだ社会と、一途な母親の愛。
ベンイズカンバックで終わるラストは痛々しい。
最後まで、引き付けるサスペンス。お見事。