おすすめ度 ☆☆☆★
フランス・アルジェリア・ベルギー・カタール合作
1990年代のアルジェリア内戦(暗黒の10年)を背景に、ファッションデザイナーを志す少女の視点を通して、イスラム原理主義による女性弾圧の実態を描いた人間ドラマ。
2019年・第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門で上映されて称賛を集めるも、本国アルジェリアでは当局によって上映禁止となった。
アルジェリアで17歳まで過ごし、これが長編映画監督デビュー作となるムニア・メドゥールが、自身の経験から生み出した。
題名の『パピチャ』は『愉快で魅力的で自由な女性』という意味。
大学に通うネジュマは、夜な夜な寮を抜け出してはクラブに遊びに行き、友人たちからドレスの注文を受けている。彼女の目標は、大学でファッションショーを開催すること。だが、街は徐々にイスラム過激派に覆われ、大学内にも危険がひたひたと迫る。
まるで小さな戦士のように果てしない闘いを続ける彼女たちの姿に、激しく心臓が波打つ。
アルジェリアという日本とは離れた地。
だが、女性の地位向上は、普遍のテーマ。
イスラムという特殊な世界だが。