おすすめ度 ☆☆☆
コメディ映画好き ☆☆☆★
フランス・カタール・ドイツ・カナダ・トルコ・パレスチナ合作
2019年・第72回カンヌ国際映画祭で特別賞と国際映画批評家連盟賞を受賞
スレイマン監督自ら演じる映画監督が、新作の準備のため、故郷のナザレからパリ、そしてニューヨークへと旅するという至ってシンプルな内容。けれども物語はあってないようなもので、主人公の監督が行く先々で見たおかしな光景が、コントさながらにただひたすらスケッチされていく。
パレスチナの状況を誰もが知りつつも、実際手を差し伸べることはない。そんな世界の不条理を目の前に、どこかチャップリンを彷彿させる佇まいで寡黙に立ち尽くすスレイマンが、可笑しくもせつない。
松尾スズキ似の監督が、自分が笑わすのでなく。周りが笑いを醸し出してくれる。
ニューヨークとフランスで、独特の笑いを。
そして、監督自身の故郷であるイスラエルのナザレ。
それは一種の旅映画でもある。
ユニーク。