おすすめ度 ☆☆☆☆
PG12
劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇を原作に、死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描く。サムの実体験に基ずく。
272キロの巨体の男チャーリーを演じたフレイザーが第95回アカデミー賞で主演男優賞を受賞。メイクアップ&ヘアスタイリング賞とあわせて2部門を受賞した。
舞台劇の映画化だけに、室内シーンがほとんどを占めるが、それを感じさせない演出の冴え。
主人公が文学のオンライン授業の講師のこともあって文学論。かなり面倒。
死にかかっている主人公をもとに布教に来る男性。おかげで宗教論に。かなり面倒。
死を予感し、娘に和解を持ち掛けるが。家庭を置き去りにした父を許せない娘。かなり複雑。
家庭を捨ててまで走った男の自殺。それがもとで過食に。悲惨。
だが、ラスト30分。娘のエッセイを読みながら、昇天するチャーリーに、涙が止まらない。なぜ、涙が。これが演出の妙というものか?