おすすめ度 ☆☆☆
ドキュメンタリー映画好き ☆☆☆☆
Unext 鑑賞 1994年製作
「あちらにいる鬼」で、瀬戸内寂聴との不倫が描かれているのに興味を惹かれ、この映画を見た。
作家・井上光晴の〈虚構と現実〉を、彼が癌により死に至るまでの5年間を追い描いたドキュメンタリー。
この映画の始まりのころはもう、寂聴は出家をしており、肉体関係は無くなっている。葬儀の時の式辞で、肉体関係はなかったとしゃあしゃあと述べている。
この映画は、井上光晴の映画で、教え子たちに文学の何たるかを巧みな言葉で説き、場合によっては教え子の作品を厳しく批判することも厭わない気性の激しい部分を見せる井上光晴と、ベッドに横たえられ無防備な姿をさらけ出した井上光晴の姿が平等に画面に映し出される。
井上光晴の生の部分が多く語られる。
だが後半、光晴が死してから、彼の生い立ちの詐称に触れ、彼の生きざまの一面を見せる、
「あちらにいる鬼」の豊川悦司とは似て非なる感じ。
もっと人間臭い。