おススメ度 ☆☆☆
子供たちの映画好き ☆☆☆☆
フランス語なのでフランス映画かと思ったが、カナダ・ケベックの映画だ。
学校で、女性教師が首をつって死んだ。
それを最初に発見したのは、彼女にかわいがられていた男子生徒。
彼が先生たちを呼びに行き、生徒たちは校舎から出されるが、一人女の子が現場を覗く。
学校では、この話題は封印され、カウンセラーの教師が派遣される。
だが、事件を知った教師たちは、後任になり手がいない。
そんなとき、アルジェリア出身で、教師の経験のある男性が校長のもとに来て、採用を促す。
で、その教師による授業が始まる。
ユニークな教育方法で次第に生徒たちと打ち解けていく。
淡々と語られる、授業内容や、教師の身辺の描写が続けられ、徐々に教師の正体と、生徒たちと自殺した先生のことが明らかにされていく。
なかで、規則でがんじがらめの現代の教育現状や、アルジェリア難民の受け入れのむつかしさなどの社会問題があぶりだされる一方。
ラザール先生の秘められた苦難の過去が暴かれ、生徒たちの自殺した先生との交流も明らかになっていく。
淡々とした描写の中に、文学的な表現もちりばめられ、人と人との交わりの大切さが描かれる。
教育は、人間が行うものであり、心の触れ合いこそが大事だと教えてくれる。
決して、説教調でなく、淡々とした描写で描き出す力量はさすが。
主役を務める男女の学生が何とも自然で、その苦悩がよく出ていた。
本当に身近でおじさんに遭遇した少年が演じたという、道理で自然に泣けた。