ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「セブンデイズインハバナ」、キューバ色たっぷりです。

2013-03-12 13:21:54 | 映画
おススメ度 ☆☆
   キューバ好き ☆☆☆

フランス・スペイン合作映画。

カリブ海に浮かぶ島国、キューバ。その首都ハバナの7日間を描いた短編集。

キューバと言えば、あのラテン音楽の宝庫。

この映画でも、たっぷりキューバ音楽が流れています。

ハバナは、都市だが、リゾート地でもある。

そこにくる外国人も多い。

この映画は、7日間という設定で、7つのストーリーからなる。

2話を除いて、まったく別のストーリー。

それぞれを、スペイン、フランス、キューバの監督が演出。

外国人が見たキューバと、現地キューバの人々、それは親子であったり、恋人であったり、アパートの人々だったり。キューバ社会の片鱗がうかがえます。

日本にとっては遠い国なので、エキゾチックな雰囲気がとてもあふれています。

せれぞれの人生模様が、7つの物語によって紡がれています。

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「愛、アムール」、老老介護の物語です

2013-03-11 17:48:53 | 映画
おススメ度 ☆☆☆☆☆
   若い人には ☆☆☆☆

老夫婦のアパート暮らしが、ほとんどのシーンです。観客もほとんどが老人。

老老介護が、身近でないとちょっと面白くない映画かもしれません。

でも将来いずれ訪れる老いの人生を少しのぞいてみるのもいいのかもしれません。

「白いリボン」の鬼才ミヒャエル・ハネケが演出し、彼は2年連続カンヌパルムドール受賞です。

夫婦を演じるのは、ヌーベルバーグ時代の名優ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァです、ともに80歳を超えています。

映画は、冒頭、暗いアパート、そこに数人の人が、誰もいない。そして寝室、そこには花束に飾られた死んだ老女の姿が。

場面は変わって、老夫婦が、教え子のピアノコンサートに行くところから、二人は帰ってきて、妻が突然反応しなくなる。この辺から妻の異常が始まり、結局手術することに、だが手術は失敗、右半身に異常が、妻は二度と病院には行きたくないという。

そこから始まる老老介護、実に丁寧に日常が描かれ、二人が尊厳のある音楽家夫婦であることが描かれていく。一度は、リハビリなども試み、電動車いすで部屋の中を動き回る姿も。

だが、徐々に悪化、認知症の気配も。

この前半の淡々とした描写。気配りが凝らされているので、目が離せない。娘は、心配して入院とか介護施設を提案するが、夫は、妻のお願いが頭から離れない。週に3日看護婦に来てもらい、風呂などはお願いするが、夫の負担も多い。でも二人が愛し合っていることが、そこここの動作や話しぶりからもうかがえる。

後半は、ガラッと変わって、病状の悪化とともに、痛みの表現や、食事の拒否に至るまで。風景画の挿入や、突然の夫の夢など、ハネケらしいショットが挿入される。

ラスト近くで、ある事件が。淡々と自らの少年時代の話をする夫。が一転。

ラストは例によって、意味深な終りで、あとは観客に解釈が委ねられる。

後味は「あぜん…」と言おうか?
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「横道世之介」、長崎から大学に進学のため上京した一人の男の青春物語です。

2013-03-10 19:34:17 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

1987年、携帯もパソコンもない時代。

長崎から上京し、東京の大学に入学。名前は「横道世之介」、井原西鶴の「好色一代男」の主人公と同じ名前。

原作は、吉田修一の新聞小説。

19歳の青年が、東京の大学へ、入学するところから、徐々に友達を増やし、サンバサークルに入会し、さらに友達の輪を広げる。

上映時間は、2時間40分と、中身のない割には長い。

でも、淡々とした、青春のエピソードの積み重ねで長くは感じない。

特に、1980年代に大学生活を送った人にとっては、ほろ苦い青春が思い出されるだろう。

ただ、お嬢様との付き合いや、ゲイの友達との付き合いなど、ちょっと、変わった人生ではある。

底辺に流れるのは、実にお人好しな横道世之介。

純でありながら、どこか抜けたところもあり、何ともほのぼのキャラだ。

それが、友達や女生徒の奇妙な友情をはぐくみ、ほほえましい。

高良健吾が実にはまり役で、ちょっと汗臭そうな、憎めないキャラをうまく演じている。

その明るさこそが、今でも、青年たちに求められるものであり、いい子で終わってしまうところが、いかにも日本映画らしい。

そして登場人物の16年後が描かれることで、この映画は締めくくられる。

改めて青春の価値が見直される、そんな映画だ。

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「フライト」、背面着陸で飛行機事故を最小限に食い止めた機長。

2013-03-08 18:56:38 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

飛行機事故を救った英雄の話だが、しょっぱなから全裸女性とのセックスシーン。酒とドラッグ。こんな機長ってあり?

飛行機に乗っても、ジュースに酒を混ぜ、途中は副操縦士任せで居眠り。

ただ、当初、乱気流の中、機転を利かせて、素早く安全地帯へ抜け出る技量の持ち主。

そして起こった、飛行機のトラブル。

みんな、焦りまくって、パニクルが、なぜか機長は沈着。

油を放出し、安全なところまで飛行機を誘導。そして背面飛行。めったに見られない飛行機事故の現場が生々しい。

そして不時着。死者も出たが、大半の乗客は無事だった。

この素晴らしい運転は褒められるべきなのだが。

実は、アルコール検査で、引っかかっていた。

そのあとは、彼のアルコールと薬物の依存症が、問題となる。

それ以上はネタバレとなるが、公聴会へ向けて、二転三転の展開が。

それにしても、主演のデンゼル・ワシントンのふてぶてしいまでの悪ぶりというか、荒れようが、怪演としかいいようがない。

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「キリマンジャロの雪」、強盗に入られたのに、人を助けようとするハートフルな映画です

2013-03-07 17:36:57 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆

てっきり、ヘミングウェイの再映画化と思いましたが、全然別で、シャンソンの題名だそうです。

フランス、マスセイユの港町、そこで、労働者が解雇される場面から始まります。

くじ引きで、退職者を決めるという、ちょっと意外な展開。だが、組合長本人も解雇の対象に。

もう歳でもあり、引退しボランティアでもしようかと。

家族たちが、協力して、夫婦をアフリカの旅に招待。

ところが、強盗に入られ、その旅行券と銀行預金が盗まれる。あげく、テープで縛られ、放置されることに、主人公は手を骨折、不自由な生活に。

とまあ、こんな風に物語は進むが、犯人が捕まり、結局夫婦が、それぞれ、自らがしようとしたことが一緒だというハートフルな夫婦の物語。

労働問題とか、夫婦の問題とか、子育ての問題とか、社会の問題とか、いろいろ含めた物語の展開です。

結局、絶望の中から、協力して、明日を築こうとする前向きな夫婦像に感動させられる。

でも、犯人の若者とか、母親とか、ちょっと身勝手な行動が描かれるだけなので、納得がいきません。



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NHK山田洋次が選んだ日本映画百選  山田洋次監督の「男はつらいよ」第一作

2013-03-06 17:21:45 | 日本映画
1969年作品。

この日本映画百選のとりをとるのは、山田洋次その人の「男はつらいよ」。1995年まで48作。息の長いシリーズものだ。

今回は、その第一作。監督38歳の作品。主演の渥美清、倍賞千恵子らもまだ若い。

晩年の作品に比べると、若々しい作りだ。

長いシリーズが続くだけあって、渥美清をはじめ、演技陣のうまさが、光っている。

20年ぶりに柴又に帰ってきた寅さん。

まず、妹のさくらの話。

見合いに行ってぶっ壊す話。

博との仲を、結局結びつけてしまう、ドタバタ喜劇。

さくらと博の結婚式。ここでは、博の父が泣かせる。志村喬が実にうまい演技。それにこたえる寅はここでは、まとめ役に。

もう一つの話は、午前様の娘。旅先で出会い、ひとめぼれ、柴又でもデートをしたりいい雰囲気。でも彼女には許婚が。

そして旅に出る。

以後のシーリーズのパターンを作った一作だ。

若さとうまさの混じった山田洋次渾身の作だ。会社に、失敗したら責任を取って辞めるとまで言って作った作品。さらに出来上がってしばらくオクラに。

放映後、山田洋次は、仕上がり試写で少しも面白くなかったが、劇場の反応が良くてほっとしたとのエピソードが語られた。

監督の心意気が伝わってくる。

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「ボディ・ハント」、アカデミー賞のジェニファー・ローレンス主演の映画です

2013-03-05 17:58:48 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆

ジェニファー・ローレンスのタンクトップ目当ての男性が多いそうです。でもそれだけでは?

ホラーというか、スリラーというか、心理サスペンスというか?

娘が両親を殺して行方不明となった空き家、いまは、おばに預けられていた息子が住んでいる。

その隣に引っ越してきた母娘。家賃が安いからと引っ越してはきたが。

娘は、学校でバンドをやっていて、その帰り、隣の息子に出合い、心に傷の在りそうな男にひかれていく。

前半は、二人の交際が中心に話が進む。

後半は、この手の話では(ネタバレ)になる。

要は、心理的にいびつな隣の息子の異常な生活に巻き込まれ、監禁、格闘、銃撃と事件に。

まあ、これだけの話なので、ジェニファーローレンスが目立ってしまう。
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「ジャンゴ 繋がれざる者」、黒人ガンマンの西部劇調ラブロマンスです

2013-03-04 18:08:40 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆☆
    タランチーノファン ☆☆☆☆☆

実に痛快なラブロマンス調ウェスタンです。

南北戦争前の1858年のアメリカ。お尋ね者を、見つけ、殺す、いわゆる賞金稼ぎの男。実は彼がドイツ人なところが味噌。頭も切れるし、口も達者、平気で保安官を殺しながら、彼こそお尋ね者だと堂々と言ってのける。その要領のよさ。もちろんガン捌きも十分だが。

彼を演じるのがクリストファーヴァルツ、アカデミー賞助演男優賞を得た快演。

で、彼が狙う三人組の顔を知っている黒人を解放し、自らの助手に。

無事目的を達するが、今度は、黒人の妻の捜索に手を貸す。

この黒人が、見事なガン捌きで、後半の主人公に。

165分の長尺ものだが、テクニシャンのタランチーノだけに、次から次へと、事件が持ち上がり息つく暇もない。

そして最後は、豪華な農園の持ち主、これを演じるのがディカプリオ。彼もここまで演技者になった。

そこで、表の地下牢に全裸で放り込まれていた妻を助け出すことに。

緊迫したやり取りののちに、もう爆発するような、ガン捌きのやり取りと、屋敷まで吹っ飛ばすことに。まあ、お得意の血のりべったり。一瞬のガンアクションに驚く。

大体、西部劇の主人公に、ドイツ人と黒人を据えるという奇想天外な展開。皮肉がちりばめられている。

さらに、農園では、そこを取り仕切っている黒人執事が、奴隷たちを取り仕切っている不思議さ。彼の活躍で主人公は窮地に。サミュエル・L・ジャクソンの好演が緊迫感を引き立てる。

拷問シーンなどちょっとえげつないシーンがあるので+15の制限付きだが。

話の面白さは抜群だ。



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「耳をかく女」、耳かき店に勤務する女の話

2013-03-03 17:26:45 | 日本映画
おススメ度 ☆

新宿K'sCinemaで公開された映画。

震災で突然耳が聞こえなくなった女。恋人に裏切られ、就職先も失い、面接でも不合格。心が閉ざす。

友達の紹介でやっと、「耳かき」店に就職。そこでいろんな人とふれあい。

そんな、彼女に、閉ざした耳に惚れた男が現れ、「耳かき」店に。

二人は、恋をし、新しい人生を歩み始める。

そんな、恋物語なんだけど、

取り立てて魅力のある映画でもない。

時間があれば、見てもって感じ。



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「遺体 明日への十日間」、東日本大震災、遺体収容の裏側

2013-03-02 18:05:09 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
     震災に関心のある方 ☆☆☆☆

東日本大震災から2年近く経ち、最近それらを題材にした映画化が目立つ。

その中でこの映画は、実際に釜石市の死体安置所を取材した記者のノートもとに映画化された。

「踊る大捜査線」などの映画化を手掛けているフジTVの面々が取り組んでいる。

ドキュメンタリーではなく、でも限りなくドキュメンタリーっぽい映画になっている。

震災が起こり、混乱する役場でいち早く死体安置所の設置が決められたが、職員たちは何から手をつけていいか迷っているところから始まる。

民生委員で葬儀社の経験のある相葉がボランティアを買って出て、職員たちを指導することに、そのほか、検視の医師や、歯科医がいて、てきぱきと処理されていく。

ただし、その遺体は痛ましく正視できない。また遺体と対面する家族たちが痛々しい。


数々のエピソードを交えながら、遺体安置所の10日間が描かれる。

まず、遺体の火葬場が稼働せず、稼働しても処理能力に限りがあり、なかなか、整理が進まない中、若い職員たちも、自らの立ち位置を理解し働く。

遺体との対面から、入棺、そして火葬場への出棺、その間に、家族との面会など、淡々と描いていく。

なかで、自衛隊の活躍が目立つ。

役者たちも、自らの立ち位置を理解し、抑えた演技で観客の涙をさそう。

東日本大震災の教訓を描いた映画として、貴重な作品だと思う。

淡々とした描写に、物足りなさを感じる人がいるかもしれないが、やはりできるだけ多くの人に見てほしい映画だ。




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