ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI」、生田斗真主演のやくざ組織潜入捜査官の話です

2014-02-19 18:43:08 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

  お笑い、やくざ映画好き ☆☆☆☆

宮藤官九郎脚本、三池崇史監督作品。

高橋のぼる『土竜の唄』(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)の映画化。

5分に一度何かが起こるのキャッチフレーズ通り、次々とテンポよくストーリーが展開するので、130分は一気に過ぎてしまう。

さらに後半には、次作をにおわすしかけがあり、続編は作られる予定だ。

男前の生田斗真が、ダメ警官で、潜入捜査官を務めるので、ちょっと意表を突いた感があるが、結構似合っている。

ヤクザを演じる面々は、山田孝之、岡村潔、上地雄輔のように、メークでやくざを演じる面々(はじめはちょっと誰が演じているのかわからな)。

一方で、岩城滉一、大杉連、伊吹吾郎などの本物っぽいベテランの役者。

それに、一番キャラの立っている堤真一。

警察の面々はどちらかというと、コミカルで軽い感じで、全員で土竜の唄を歌う。

という風に、いわゆる世界的に見た潜入捜査官のイメージとは違いすぎる。

まったく重さがない。

それは、アクションや、ストーリーは結構シリアスなやくざ映画なのだが、クドカン流のコミックが入ってきて、作品を軽くしている。

冒頭の潜入捜査官のトライアルで結構えげつないシーンがくりひろげられ、一方、ラストでは、麻薬取引に動物を使うというアイデアもので、映画に幅が見られる。

生田と山田の対決シーンは、これはもうサービスとしか思えない、軽めのアクション。

警察とヤクザ、それもヤクザの組同士の争い、仲間内でのポスト争い、そこへ潜入捜査官。やくざの中にも潜入捜査官に好意を持つものも出てくる。

その複雑な構図をうまくまとめあげた手腕は立派なもの。

全国を駆け回って、セット現場をロケハンしたらしく、それぞれのシーンでの背景はきっちり押さえてある。
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「バラナシへ 不倫時代」、不倫した女性がインドのバラナシへ

2014-02-18 19:03:33 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆

  インディーズ映画好き ☆☆☆

韓国のインディーズ映画。

日本では、福岡国際映画祭で上映された。劇場未公開

タイトルだけでは、韓国映画とは受け取れなかった。

韓国の新鋭監督チョン・ギュファン。海外で評価が高く、ベルリン国際映画祭に招待されている。本作は、2011年作品。

かなりきわどいセックスシーンが紹介されるが、出版社社長の不倫だ。

夫は、作家と関係を持ち、妻はレバノン人の男と知り合う。

このレバノン人が曲者で、テロリスト。

そうとも知らず付き合ううちにインドの聖地バラナシへ行く。

この何ともインターナショナルな関係と韓国流のドロドロした不倫関係。

場面が頻繁に入れ替わるので(過去のシーンも含めて)油断ができない。

その点不倫のシーンは丁寧に描かれる。

画面は綺麗で、韓国の近代的な面が堪能できる。

低予算で作られているが、バナラシのシーンも、ロケしており、インドの街の様子もうかがえる。

ちょっと、ギドク風だが、そこまでギラギラしていない。

韓国映画の幅広さをうかがえる。

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「アブノーマル・バケーション」、精神を病んだ女優の苦悩

2014-02-17 17:54:45 | アメリカ映画
おススメ度 ☆

 サスペンス好き ☆☆

劇場未公開。

一応、官能映画の部類ですが、セックスシーンとかあるものの軽く、サスペンスフルな映画です。

美貌、キャリア、夫、金…全てを手に入れ誰もが羨む人生を謳歌するトップ女優エミリー。

だが、覆面の男に連れ去られ、監禁、袋詰めにしてつるされる。

この最初のシーンで、面白くなりそうな予感がしたが、その後は、精神科医を夫にし、自らのトラウマを克服しようとする。

しかし、親友の死から、それが亡霊としてあらわれるようになり、夫とともに、地中海の離島で療養生活を送ることになる。

そこに、助けを求めてきた若き女性。精神科医として放っておくわけにはいかないが、それが嫉妬の種に。

精神異常者の描写だけに、現実と幻想が入れ混じって、オカルト風に展開するのでいささかひいてしまう。

主演のエステラ・ウォーレンは、ハリウッドの美魔女と呼ばれるが、ややエキセントリック。

夫を演じるウィリアム・ボールドウィンは、けっこう大人で、よく聞き分けてくれるが、病気は良くならない。

最後に種明かしがあるが、ほぼ予期通りという感じ。

軽く、エロチックサスペンスを楽しむ向きには、時間つぶしにはなる。
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ベルリン国際映画祭 黒木華さん最優秀女優賞 まさに快挙!

2014-02-17 08:34:01 | 映画
ベルリン国際映画祭で山田洋次監督の「小さなおうち」に出演していた黒木華さんが

最優秀女優賞を獲得した。

ちょっと意外、日本ではそこまでの評価はなかったが、たしかに彼女の演技は光っていました。

とう、とう松たか子を食ってしまった大女優だ。

ちなみに、銀熊賞は中国の「ブラック・コール、シン・アイス」でした。
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「少女」奥田瑛二処女作品

2014-02-16 19:58:47 | 日本映画
2001年作品。

神代辰巳監督が、生前撮ろうとしていた連城三紀彦の小説の映画化を、俳優の奥田瑛二が初めてメガホンをとった作品。

したがって、日活ロマンポルノ風の成人映画だ。

舞台は、のんびりした愛知県瀬戸市、まったくだらしのない43歳の警官と15歳の中学生が恋をするという危ない話。

登場人物も、少女の祖父は彫り物師。警官も背中に「比翼の鳥」という彫り物がある。

また、精神的に弱い兄がいて、2人に割り込んでくる。

普通あってはいけない、中年と中学生の恋。

そんな異常さが、かなり怪しい雰囲気の田舎町に醸し出されて、奥田瑛二ばりの男性像とあこがれの少女像が交錯しながら描かれていく。

少女の家庭環境も複雑で、警官も脛もつ身、

やってはいけない行為でありながら、セックスに溺れいく姿は、奥田の役者魂と、小沢まゆのあっけらかんとした演技に興味を惹かれる。

初期作品ゆえの乱暴さや、拙さは見られるものの、絵的センスも発揮して、

結局二人は、彫り物カップルとして出発することに。
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「魔女と呼ばれた少女」、コンゴ内戦に翻弄された少女

2014-02-16 18:42:26 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

 社会問題に興味のある方、悲惨な内戦に興味ある方 ☆☆☆☆

カナダの監督キム・グエンが、アフリカコンゴの少年兵の実態を取材、映画化。

コンゴで、貧しい生活を体験した少女ラシェル・ムワンザを発掘。彼女の演技はベルリン銀熊賞女優賞に結び付いた。

水辺の村に突然反政府軍がやってきて、村人を殺し、少年たちを拉致。軍隊要員の確保のためだ。

まず最初の試練が親の銃殺。少女が殺さなければ、兵士によって、いたぶられ殺される。二者択一に銃殺を選ぶが、これがのちのち少女のトラウマに。

過酷な訓練と実戦参加を経て、少女が幻想(樹液を飲むことによる幻覚か)をし、戦争予知能力が発揮されることがわかると隊長の世話をする係に。

近くにいた、白皮症の男性と逃亡。二人だけの生活が続く。二人は結婚。しかし、政府軍に見つかり再び悲劇が。

そんな、内乱という争いの国コンゴの実情を、少女と少年の恋を交えながら描いていく。

強制的に拉致され、父母を殺すという残酷な試練ののち、食べるものもない極貧の中での戦争体験。銃を抱えて移動し敵を見れば攻撃。時には相手の執拗な銃撃に会う。

自らの意思とは無関係に、戦に巻きまれる少女。

そして、時には、隊長の夜の相手も。

そんな少女が、恋と村人との生活、そして逃亡生活と助けてくれる村人達との交流を通じて、自らの生き方を学んでいく。

自ら銃殺した父母の鎮魂の旅を経て大人になっていく。

そんな姿は、悲惨な物語に一筋のあかりを見せてくれる。ラスト、音楽だけのシーンは、躍動感さえ覚えてくる。

実際にコンゴで撮影されたという映像は、我々にとっては目新しい。






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「スノーピアサー」、近未来地球が凍り付き、唯一生き残れる列車の物語

2014-02-15 20:20:23 | 映画
おススメ度 ☆☆☆
  SFアクション好き ☆☆☆☆

フランスのコミックを韓国のポンジュノ監督が、欧米の俳優を招いて作った、英語作品。

地球温暖化を防ぐために大気圏上空に化学薬品が撒かれた。その結果、地球 全土を覆う氷河期が訪れ、人類は死滅する。17年後の2031年、永久機関で地球上を 走り続ける列車、スノーピアサーの中だけが人類の唯一の生存場所だった。

そんな、ノアの箱舟のような、列車で起こる革命が舞台。

列車は、最前列が最も豪華な人たちの住む車両、後ろへ行くにしたがって貧しくなり、最後尾は喰うに困る最低の生活、なおかつ、管理者に適度に間引かれ殺される始末。

そこで、勇気のあるカーティスが反乱を起こし、次々と前へ車両を移動する。当然、それを止めようと様々な行為が繰り返される。

各車両によって、雰囲気が異なるので、全然先が読めない。

また、出てくるキャラそれなりに結構立っていて、間に挟まるエピソードは、笑いを誘う。

中には、学校が出てきて、子供たちに環境の整備について話があったり、女校長が突然マシンガンをぶっ放したり、結構面白い。

当然アクションもあって、カーチスに扮するクリスエバンスはカッコいい。列車走行のアクションも結構見せる。

ポンジュノは、韓国でもいい映画を撮っているが、なかなか骨のある演出で、この壮大なオペラをうまく演出している。

ラストでは、韓国俳優のソンガンホとコアソンの親子コンビがいい味を見せている。

SFアクションとしては、結構な出来だ。

中で、寿司が出てきたり、日本語が飛び交うのは愛嬌。

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「光にふれる」、視覚障害者のピアニストとダンサー希望の女性とのほのかな交流

2014-02-14 16:40:39 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

心の琴線にふれる美しいピアノの旋律―
ウォン・カーウァイが贈る、世界中の観客に愛された実話に基づく感動作

これがこの映画のキャッチフレーズですが、ウォン・カーウァイの作品ではありません。彼の企画ということです。

台湾映画で、台湾では非常に好評な映画です。

というのも、視覚障害者が台湾の一流大学を出て、ピアニストに大成する、日本の辻井伸行みたいなものです。

そのキャリヤー物語ですが、本人が主人公を演じています。乙武さんが自分の役を演じたようなものです)

初めて大学へ進学するところから映画は始まります。母親が付き添いでいろいろ世話を焼きますが、後は独り立ち、そんな盲目者の生活実態が興味をひきます。

非常に音に敏感、それだけ尋常者に触れえない音への感度が、ピアノへ向けたのかもしれません。

小学校の頃、コンクールで優勝したのを「障害者だからひいきにされた」と陰口をきいてから、そのトラウマから、コンクール拒否症になっています。

そんな彼が寮生活になれ、学校で友達もでき、さらには、信号待ちで知り合ったダンサー志望の女性との交流が実に真摯に描かれます。

障害者ゆえのおかしな行動や、彼でなければなしえない独特の方法など、障害者の実態も丁寧に描かれ親しみを覚えます。

ダンサー志望の女性も真面目で、ダンスレッスンに通い、力をつけていきます。彼女の働く店の店長はなかなか理解があります。

まあ全体にハートフルな映画で、ピアノの曲も美しいものです。

ただ、台湾映画で、出ている俳優も無名とくればなかなか、見てもらえない、そんなことからウォン・カーウァイの名が使われたのでしょうか?
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「100回泣くこと」、がん患者と記憶喪失者の恋

2014-02-13 17:53:51 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

恋愛映画好き ☆☆☆

100回泣くという題名に惹かれてみることにしたが、不遇な境遇ゆえに泣けるのだが、題名負けした感じ。

原作は、芥川賞候補にもなった中村航の同名の小説。

主演は、関ジャニの大倉忠義とモデルでテレビなどでも活躍している桐谷美玲。

がんを患っている、佳美(桐谷)と、彼女と付き合いながらバイク事故で近年の記憶を喪失するという逆行性健忘症の秀一(大倉)。

4年後二人の共通の友達の結婚式で知り合い、再び交際することに。

前に会っていたことを隠しながら付き合う佳美。だが、がん再発の危険を抱えていた。

本当のことは隠して、2人は結婚の練習という同棲生活を始める。

映画は、肉体関係のことには触れず、ただ、2人の二度目の恋を真摯に描く。

それから、病が再発し、秀一も昔の思い出グッズから、本当のことを知るようになり、純愛物語は終局へ。

まあ、2人の逆境がありながら、淡々と明るくふるまう佳美の健気さが救いだ。

ただ、明るくしようとちょっと強引な話の運びに戸惑うことも。この辺が純愛ものでありながら、ヒットしなかった原因か。

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「建築学概論」、胸キュン初恋とその15年後

2014-02-12 19:01:09 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

恋愛映画好き ☆☆☆☆

タイトルからは考えられない胸キュン映画です。

韓国では公開当時、恋愛映画史上最多となる410万人の動員を記録したそうです。

学生時代と15年後の恋人は、ダブルキャストで描かれ、それぞれが成長して別の人格に生まれ変わったことを示しています。このキャスティングが実にうまく、実年齢からいうとそのまま演じてもおかしくないキャストです。

題名の「建築学概論」は、2人が同じ大学で受講していた授業で、教師が出す宿題を二人で解いていく過程が新鮮です。男性は、もともと建築志望で、15年後は建築士として働いています。一方、女性は音楽志望ですが、たまたま、受講していたようです。

で、15年後の再開は、女性が故郷の済州島にある家を改築するのを初恋相手の建築士に頼みに来るところから始まります。

この映画の素敵なのは、男が実は大変初心で友人に口説きのテクニックを教わりながら、女性に接していくそのアプローチにあります。一方、女性はさばさば、むしろ積極的ですが、実は彼女も初恋だったのです。本人たちはいざ知らず見ているこちらからは、自らの体験とオーバーラップさせながら、うら若き青春を追体験できるところにあります・

この学生時代が、1990年代が舞台で、まだ、携帯が発達していない初心な時代でした。

韓国映画は実にその辺の人生の機微を巧みに描いています。日本映画だはこうはなりません。

思い違いによる別れ、それを修復しがたくしたのは若さでした。15年後にその若さの至らなさをよみがえらせながら、老いた父母をかかえる実生活に結局戻ってしまう二人ですが、大人の二人もまた、それぞれの思いを抱えながら、青春をよみがえらせることは出来ないのでした。

何とも甘酸っぱい、それでいてシリアスな恋愛映画でした。
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