知っているだろうか?枯葉作戦を...
6年程前、友人のAとベトナムに行った。サイゴン川の見えるホテル。毎朝麺の種類がえらべる具だくさんのフォーに大満足だった。念願のアオザイも仕立てて貰い、初エステにも挑戦!ホテルの前にあるレストランに毎晩通いつめ、揚げ春巻や蒸し春巻、空心菜の炒め物、バインセオにはまっていた。
町は決してきれいとは言えない。通りはバイクで溢れかえっている。もたもたしているとひかれそうだ。物乞いをしてくる子供たち。シクロやバイクの運転手もひつこく、勧誘してくる。なぜかたいてい歯がおっかけている!!思わず噴き出しそうになるが、無視するしかなかった。うっかり笑顔をみせると、延々つきまとわられるからだ。
そんな喧騒の町で、目のやり場に困る姿が必ずあった。
枯葉剤の後遺症による奇形の人達。あの時の私は無情にも奇異の眼差しを投げつけていたと思う。町の至る所で見かけるその身体がベトナム戦争が終わっていないことを表していた。
ベトちゃんドクちゃんは私がちょうど小学生の頃に生まれた。子供ながらに生き続けられるか疑問な姿だった。そのベトちゃんも昨年この世を去った。ベトナムから帰国後図書館でフォトジャーナリスト中村梧郎さんの写真集を借りてきた。目を見張る現実。改めて五体満足な身体に感謝した。
横浜市民ギャラリーで一部展示されていた中村梧郎さんの写真。7/26迄赤れんが倉庫手前のJICA横浜ホールで写真展が開催されていると知り足をのばしてみた。実物を見たのは初めてだ。枯葉作戦を命じたのはJ.F.ケネディだと今知った。そうだったんだ。
去年マンハッタンのプレジデント・ギャラリーで「中村梧郎の枯葉剤AGENT ORANGE」展が開催されたとある。この展示により多くの市民がベトナムで起きていた事実を知ることとなった。今まで彼等はベトナム帰還兵に生じた枯葉剤の爪痕しか知らなかったのだ。
来月は八月です。戦争があった事実を、ベトナム戦争から33年経った今でも奇形の子供が生まれてくる枯葉剤の深い傷痕を受け入れなければならない国が存在する事を、知る必要があるのだ。
fine ART photographer Masumi