ヨガの帰りに温泉で下ろしてもらって。
誰もいない湯船でひっくり返ったり、洗い場で転がったり、大広間で肘枕したり。
ああ、もうちょっと転がっていたいなと思ったけれど、バスの時間だから、ほろ酔い気分で歩きだした。
しばらく歩いていると前の車がぷぷーっと。
あれま、リコン男子同級生だわ。
「何しとるんだ」と言われたから、ああそのそういうことでと。
「俺はこれから行くんだが」
よかったわ、大広間でひっくり返っているところで出くわしたら目も当てられない。
そんなこんなでまたもや歩きだしたら、今度は後ろからぷぷーっっと。
軽トラが止まって誰かと思ったら、ヨガの先生。
「お風呂の帰り?」もうすっかり読まれていて、身もだえするほど恥ずかしい。
助手席に荷物があるから乗せていかれんって。よかったわ、そんな。これから田んぼに行く人にほろ酔いが乗せてもらったら罰が当たる。
じゃあ、ってなわけで歩きだしたら目に飛び込んできた。
農家の庭先に咲き乱れている花々。どの花も今が盛り、のびのびと・・・
「写真撮らせてもらいました」
田んぼのそばで働いていたおじさんに事後承諾を得て。
「あんまりよう出来とらんけど、好きんとこ、いっぱい撮ってくれえや」
「家の中に入ってもいいし、どこでも撮ってやってください」
「今が一番いい時だがのう、これが終わると今年も終わりだかと思うが」
「田んぼ?一人で作っとりますが。今は機械があるしの」
「俺がおらんでも、いつでも撮りに来てくれんしや」
「バスの時間に間に合うよう行ってくれえっちゃ」
素敵なおじさんでした。