帰島報告に薬局に行ったら、ご主人が、
「今度は家のやつがウツだって騒いどるが」とおっしゃる。マサチャンまで、
「まあ、落ち込んどるっちゃ、性格だからしょうがないけどさ」と珍しく心配している。
なになにどうした、と問いただすと、そりゃあウツっぽくなるのも無理はない。何ができないって、彼女の性格として一番できないことをやらされるはめになったんだからね。
私も同じタイプだから、ようーく分かる。
ご本人呼び出して、
「どうしたのよ、なにがあったのよ、全部聞くから」と乗り出して・・・
「まあ、話せば1日かかるっチャ。3日3晩寝れんかったわ」と言うけれど、要するに趣味の会の要職を押しつけられたのね。それを断りきれずにずるずると自分が引き受けるはめになったってことで。
「はじめはさ、なんで私がやらんならんのかって。次に何ではっきり断れんかったんだろうって思うて。それから、こんな決め方をするなんてほんとに駄目な会だって、今の役員の人たちを恨んだっチャ」
ま、そうは言っても決まったことは仕方がない、断れない自分が悪いんだから。いい年した女が今更できませんなんてみっともない。あんた流でやるしかないわ、大丈夫、そういうタイプにはかって出てくる人がいるもんよ。ま、けつまくってこれしかできませんって通すことだね。
今度同じようなことが起きた時は、はっきりきっぱり断れるわよ。案外、今までの役よりこっちの方が楽だわってなるかもしれないし・・・
こちらは、言うだけなら何とでもいえるとばかりに無責任に煽る。
そして二人して、
声の大きいもん、押しの強いもんは、自分の思うように、人生、生きていくがなあ・・・
私らみたいに引っ込むもんは、しょうがないで仕方なく嫌なことでもやらんならんが、
と嘆いたのでした。