しらふ男子やリセット男子、はたまたガンダム男子の親たる我ら団塊世代を受難の世代と名付けよう。
「孫が具合悪くなって娘から呼び出しくうたし、行ってくるっちゃ。正月?向こうになるし」
とは遅刻友からの電話。
彼女はその前も、3か月も胃が痛くて医者通いしてたが、という悩み事を抱えていた。
「親が手伝えることをやるしかできんがなあ」と腹をくくったら治ったと言っていたけれど。
今まで生きてきてこんな目に合うとは思わんだったや。
地味にコツコツやっとればいいと思ったけど、そうでもねえがな。と頭を抱える友。
諸般の事情から数か月余りも孫の世話をして、先月、ようやく手を離れたけれど、
「前途多難、一難去ってまた一難だっちゃ」と嘆く友。
「不安がって入院先から電話してくるけど、声が出んから何言うとるか分からん。俺の方が変になるが」って、一人で問題を始末しなければいけない友。
みんなみんな同級生。平成男子、女子の親。これが受難でなくて何と言うか!
私だって口に出さないけれど盛大なため息で、受難を表現。
昨夜は、病気オヤジ(これからはオヤジとする)を励ますと称して受難世代忘年会。
そういうわけで、店番友は来られなくなったから、オヤジ3、おばさん2の構成。
私は歯医者の隣の席。
歯医者はよくしゃべる、しゃべるしゃべる、しゃべり倒す。なんたって治療中に患者に世間話をするってんだから。
わずか5しかいないのに話は3対2に分断。歯医者が隣でしゃべるかける。
2時間は我慢したけれど、ついに、
「ねえ、もっとはっきりゆっくり話してくれんと何ゆうとるか分からんが」と詰め寄った。
「俺の、蓄膿症の手術してからこうなったんだ」
と言われた日にゃあ、わたしゃどうしたらいいんだ!ああ、受難。
いつもならさっさと帰るけれど、なんったって浮世の義理を覚えたから2次会のスナックについて行った。
ああ、ここでも歯医者の隣。どこまで気に入られたのか!
歯医者のしゃべりとカラオケの大音量にマジで頭が痛くなってきた。限界!
12時近く「帰りたいから、はよ、歌ってくれ!」とラストを懇願した。
歯医者渾身の♪少年時代
♪なーつがすぎー
歯医者が気持ちよく歌い出したら、すでに酩酊状態のオヤジ1名が盛大なクシャミ。
立て続けのクシャミ。
もう1名オヤジは、俺このうた泣きそうだ、とかなんとか軟弱なことをぬかして。
♪ゆめがさめー
気を取り直して歯医者が続けたらまたもや酩酊オヤジがクシャミ。クシャミ連続。
歯医者気を取り直し歌う、酩酊オヤジクシャミ続ける。
とうとう最後までこのパターンで。
歯医者も受難だ!
どこまでも我らは受難世代。
わたし?そりゃあ笑いましたよ。椅子で体二つ折り、最初のクシャミから最後のクシャミまで完璧笑わせていただきました。外に出て、お店のお姉さんと手を合せて笑いました。これで私の受難は去ったのかしら。