いつ目え開けたんだろうねえって、3者3様妄想してくくくくくと笑った後、
70代お母さんが話し始めた。
「私んちの母さんはのう・・・」
「たった1週間で嫁入り先を飛び出してしもたが」って。
えっえっ?? なにそれ。残る二人は驚くばかり。
明治生まれの母上は、請われて、銭湯に18の時か嫁入りしたそうな。
あんたはなんにもせんでいいから、番台にすわっとってくれればいい、と口説かれて。
でもでもどうにも我慢がならず、1週間で婚家にも実家にも黙って家出したんだって。ひぃー。なんと大胆な。
何が理由だったの?なんたって気になる。聞かずにはいられない、聞かなかったら腹が膨れて眠れない。
「それがの、婿さんがしらじらしていたんだって!それがどうしても嫌で飛び出したんだってよ」って。
”しらじら” なまっちろいってことらしいけれど。
どうする?なまちっろいからいやだって飛び出した18歳明治の女性。
すごいねえ、大胆不敵。
お金を持っていなかったから、両津の港から漁師の船に乗せてもらって新潟に渡ったというから、私の平凡な人生なんて馬に喰わせてやりたいわ。
で、後日談。
70代女性の父上つまり母上のご主人ね、再婚相手の方、職業は漁師さんだったって。よかった!