今回のツアー、東京駅の集合場所に着いて驚いたのなんの。
見事に女性、女性、女性。思わずツアコンの方に聞いたね。
「男性は何人ですか?」
私は別にいいけれど、夫がね、ほら私優しいから、気になったのよ。
「ご夫婦は二組であとは男性おひとり。33人中男性は3人ですね」って。
30対3で団体行動。ま、いっか。
苗場
新幹線は3人掛けシートに我ら二人とそのもうおひと方の男性が座る。
途中まで夫婦の会話だけれど、お隣の男性が気になる。ツアーなのに双方黙って座ってていいのか。
耐えられず話しかけました。はい、定番ご挨拶。「どちらからですか?」
ひとり参加の男性氏。82歳で有料特別老人ホームに入居なさっているそうな。
毎日入浴契約。
飲酒許可契約。
外出時間延長許可契約。
旅参加契約。
ホームの規約以外はなんでも契約。
「僕の場合は選択肢がなかったんですよ、家事は一切できなかったから」っておっしゃる。
で、月に2、3回は旅行に出かけるそうな。温泉連泊多し。あれ?今回は。
もう40年も前に奥只見に行ったことがあって、もう一度行ってみたくなって申し込んでしまった、そうだ。
天気が怪しいから行かれるといいんですがねえ、と願ったけれど・・・
夕食のフレンチもビール1本でひとりテーブルで悠々と。
気になるけれど、まさか旅慣れて上手に過ごしている先輩に「ご一緒に」とは言えない、いらぬお世話というものだ。
只見線
幸い足腰に支障がないからとさっさと歩かれて。残りの人生を自由に過ごしていらっしゃる。
先輩氏はおっしゃった。
「老人施設は僕は勧めませんよ、優しすぎてすぐに病気になる。歩いて入ってきた人があっという間に車椅子になる。二人揃っているうちは助け合って暮らすのが一番ですよ」
私は夫に聞こえよがしに言っってやったね。
「妻が弱っても助け合って暮らすのがいちばんだってよ」
それに比べると女性群の賑やかなこと勢いのあること。
6人グループ、5人グループ、あとは・・・分かりません。
部屋で夫が報告。
「部屋のドアを開けてしゃべっとったぞ。あれ、行ったり来たりするんだろな、みんなで集まってしゃべるのんか。おっきい笑い声が廊下に聞こえてきたが」
そうよ、なんたって女は元気なのよ、せっかくなんだからもったいなくて寝ていられない。
できるなら私も混ぜていただきたかった。
そこここのトイレ休憩で「洋式トイレじゃないと膝が痛くて」という女性も多数。
腰をかがめて歩いている先輩女性だって、重い一眼レフカメラを首から下げて参加、ぱちりぱちり。
いやあ、膝が痛いと弱気になっていたけれど、つくづく引っ込んでいられない気分になったわ。ほんと。