駅前のもろもろのスーパーでの買い物を終えてバスターミナルへと。
乗り場まで来ると5人掛けの思いやりベンチはすでに満席。
重い荷物を持っていたので座る気満々でいたから、内心がっかりしたけれど。
私は、五人掛けの後ろから2人目の人の前に立った。
私が行く前から、老人お二人が何やら杖談義を始めていたらしい。
お互いの杖の具合を見せ合いっこしていたからね。そのうち。
端っこの方が左隣の老人に話しかけ始めた。(以下正確ではないけれどこんな感じ)
「私は今度90になるんだけどおいくつですか?」
「おっ!俺の方が年上だね、年に不足がないから早くお迎えに来てほしいよ」と。
もちろん私の耳はダンボになる。ん、ならなくても声が大きいから聞こえるの。
「いやあ、そんなまだまだ。買い物できるくらいだからお元気でまだまだですよ」
「今日は病院の帰りだからついでに買い物して来たんだ」と足元の荷物を指さす。
「私もリハビリの帰りで」と90歳の方。
この後も内科も予約しないとダメなんで不便だ、自分はいちばんで来るからすぐに
終わるよ、どこそこの先生はいい先生だなどと病院話が続いたわ。
そのうち端っこの方がまた「奥さんは?」と訊き始める、うーんそれはね、ちとね。
と思っていたら左の老人は、
「いるけどボケちゃってね、だめだよ。おれが面倒見てるよ、こういう時子供がいたら
いいなと思うよ」って。
「夫婦二人の人は仲がいいというじゃないですか」「そうかね、そうでもないよ」
「私んとこは娘が二人いて助かっていますよ、娘はいいですよ」って。
いない人にそんなこと言っていいのかしら、なんてことは要らぬお世話。
90歳越えのお二人がしっかりした口調でやり取りしている。
身なりや持ち物も夫よりはずっときちんとしているの。とてもとても90越えには見えない。
そのお二人、けっこう危ういプライバシー踏み込む話を平気でしているからね。
少しだけ若い私としては、いいなあ、あんなふうに年取るのもなかなかいいわと思えたわ。
老女たちはともかく、男性二人の世間話光景はめずらしい、しかもたぶん初対面だ。
それぞれ違うバス停で下りて行ったからね。
で、90越えの老人は満員の車内で老女に席を譲ろうとしたから凄い、紳士だ。
ある日のこまわりくん出来事。
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